今月は100号に載せる予定だった「日本の100選」と大野耕一さんの大相撲観戦記「頑張れ、日本人力士!」とクロネコメールについてご紹介いたします。
よく「100選」という言葉を目にされるのではないでしょうか。我孫子図書館で財務省印刷局発行の「日本の百選データ・ブック 改訂版」という本を見つけました。2001年10月発行なのでちょっと古いですが、そこに出ていたいろいろな「100選」からいくつか選んでみました。なお「日本百名山」はこの本のものではありません。
大野耕一さんは元の会社の同僚で、すばらしい手作りの本を何冊か出されています。また手賀沼通信にも何度か寄稿文をいただいています。
クロネコメールの体験談は最近私が経験したことをまとめてみました。
「日本の100選」
番号 | 名前 | 選定機関(者) | 選定年 | 問合せ先 |
1 | 日本百名山 | 新潮社・深田久弥 | 昭和39年 | |
2 | 名水百選 | 環境省名水百選調査検討委員会 | 昭和60年 | 環境省環境管理局 |
3 | ふるさといきものの里100選 | 環境省いきものの里検討会 | 平成元年 | 環境省自然環境局 |
4 | 水源の森百選 | 林野庁水源の森百選検討委員会 | 平成7年 | 林野庁治山課 |
5 | 残したい「日本の音風景100選」 | 環境省日本の音風景検討会 | 平成8年 | 環境省環境管理局 |
6 | 水と緑の文化を育む「水の郷百選」 | 国交省水資源局水資源部 | 平成8年 | 国土交通省水資源局 |
7 | 農村景観百選 | 農水省農村景観百選調査検討会 | 平成3年 | 農林水産省農村整備総合調整室 |
8 | 都市景観百選 | 国交省都市景観大賞審査委員会 | 平成3年 〜12年 | 国土交通省都市地域整備局 |
9 | 元気のある商店街100 | 中小企業庁元気のある商店街100選選定委員会 | 平成8年 | 中小企業庁小売商業課 |
10 | ふるさとおにぎり百選 | 食糧庁「ふるさとおにぎり百選」審査委員 | 昭和61年 | 食糧庁 |
11 | 歴史の道百選 | 文化庁 | 平成8年 | 文化庁文化財保護部 |
12 | 日本の道100選 | 国交省「日本の道100選」選定委員会 | 昭和61, 62年 | 国土交通省道路局 |
13 | 日本の渚・百選 | 「日本の渚」中央委員会 | 平成8年 | 「日本の渚・百選」中央委員会 |
14 | 森林浴の森100選 | 緑の文明学会 | 昭和61年 | 地球環境財団 |
15 | 日本の滝百選 | 「日本の滝百選」選定委員会 | 平成2年 | 緑の地球防衛基金 |
16 | 日本の白砂青松100選 | 「日本の白砂青松100選」選定委員会 | 昭和62年 | (社)日本の松の緑を守る会 |
17 | 米づくり100選 | 全国農協中央会・日本農業新聞 | 平成2年 | 全国農協中央会 |
18 | さくら名所100選 | (財)日本さくらの会 | 平成2年 | (財)日本さくらの会 |
19 | 日本の都市公園100選 | 緑の文明学会・(社)日本公園緑地協会 | 平成元年 | (社)日本公園緑地協会 |
20 | 森の巨人たち100選 | 林野庁「森の巨人たち100選」選定委員会 | 平成12年 | 林野庁業務課 |
21 | 日本の棚田百選 | 農水省「日本の棚田百選」選定委員会 | 平成11年 | 農林水産省構造改善局 |
22 | 公共建築百選 | 公共建築百選選定委員会 | 平成10年 | 社団法人公共建築協会 |
23 | 甦る水百選 | 国土交通省 | | |
24 | 日本の夕陽百選 | 「日本の夕陽百選」選定委員会(民間) | | |
25 | 失われた鉄道100選 | 淡交社・南正時 | | |
26 | 小京都100選 | 秋田書店 | | |
27 | とっておき撮影地100選 | 日本カメラ社 | | |
28 | 名水の旅100選 | 淡交社・南正時 | | |
29 | 歴史の町並み100選 | 風媒社 | | |
30 | 日本名庭100選 | 秋田書店 | | |
31 | 秘湯100選と温泉療法 | 金園社 | | |
32 | 日本の桜・絶景100選 | ベストセラーズ | | |
33 | ふるさとの駅100選 | 淡交社・南正時 | | |
34 | 鉄道の旅100選 | 淡交社・南正時 | | |
35 | 明治の洋館100選 | 講談社 | | |
36 | プロの選んだ日本のホテル・旅館100選 | 旅行読売出版社 | | |
37 | 新日本名木100選 | 読売新聞社 | | |
38 | 新日本百景 | 第一アートセンター | | |
39 | 日本の名松100選 | 日本の松の緑を守る会 | | |
40 | 日本百名谷 | 白山書房 | | |
41 | 日本百名峠 | 桐原書店・井出孫六 | | |
42 | 日本の名水100選 | 山と渓谷社 | | |
43 | 全国名湯100選 | 新潮社 | | |
44 | 日本の自然100選 | 朝日新聞社 | | |
45 | 日本国宝100選 | 秋田書店 | | |
46 | 新・日本伝説100選 | 秋田書店 | | |
財務省印刷局「日本の百選データ・ブック 改訂版」2001年10月発行
1.「日本の100選」には官による制定が多い
表をご覧いただいてお分かりと思いますが、100選は国の省庁の息のかかった団体が選んだものが数多くあります。
100選の決定はお役所仕事にしては、なかなか気のきいたパフォーマンスです。上の表では2から23がそれに該当します。「名水百選」などのスタンダードなものから、「残したい「日本の音風景100選」」とか「日本の白砂青松100選」などという凝ったものもあります。
また、ここには載せていませんが、都道府県が選定したその地方の100選もあります。
しかし歴史をたどって見ると、民間の方が先行しています。誰でも知っている「小倉百人一首」は鎌倉中期に藤原定家が選びました。いわば100選の先駆けともいえるのではないでしょうか。また表の一番目に載せた「日本百名山」は昭和39年に深田久弥氏が選んだものです。百名山は登山家にとっては大きな目標です。そしてこの百名山にいろいろな対象物をつけて「花の百名山」とか「ふるさと富士百名山」などの変り種が生まれました。
2.100選短評
100選のうち代表的なものは、別の機会に取り上げたいと思いますが、ここで面白そうなものをいくつか選んでご紹介しましょう。
(1)ふるさといきものの里100選
環境省観光管理局が選定したこの100選は、身近な周りの小動物と生息する自然環境の保全と回復を図る目的で決められました。
保護の対象となる小動物は圧倒的にホタルとトンボですが、その地域は全国に亘っています。いかにいまの田舎からホタルとトンボがいなくなったかを示しているのでしょう。
カエルやシジミやサワガニは対称になっていますが、なぜかメダカは出てきません。理由は分かりませんがちょっと不可解な感じがしました。
(2)元気のある商店街100選
いま地方都市に行くと、駅前商店街が元気がありません。シャッターを下ろしたり、商店が取り壊されて駐車場になったりしたりしている所が増えています。地方都市の人口が減ったり、鉄道の利用者が少なくなったり、郊外のバイパスのスーパーにお客をとられたりしているのが原因のようです。
中小企業庁は昔からの商店街を活性化しようとこの100選を選びました。
(3)ふるさとおにぎり100選
ふるさとおにぎりというタイトルになっていますが、中味は「おにぎり」だけでなく、「おすし」と「炊き込みご飯」を含んでいます。日本の各地のお米を使った料理という感じです。
食糧庁が米の消費量を何とか増やしたいという魂胆が見え隠れしています。ただ作り方が載っていないのが片手落ちの感じがしました。
(4)森の巨人たち100選
選択の主旨は次のように述べられています。
「近年、都市化の進展や余暇の増大で「癒(いや)し」を求めて巨樹・巨木が人気を集めている。林野庁では、次世代への財産として残すべき「国民の森林」を選び、保護活動を進めることに、具体的には全国の国有林の中から直径一メートル以上の樹木や地域のシンボルになっている樹木を候補に、百本を選んだ」杉が27本といちばん多いですが、それ以外にも36種類の木が選ばれています。
日本の100選には、上記のほか、
(財)日本城郭協会が
選定した『日本100名城』というのもあります。
ご参考まで!(Web管理者の注記)
特別寄稿
頑張れ、日本人力士!
大野 耕一
少し前のことになりますが、5月17日、何十年振りかで、両国国技館の大相撲を観戦してきました。夏場所の11日目のことです。11日目位になると、優勝力士が何人かに絞られてきて、日程的には面白いのですが、あいにく一人横綱の朝青龍と横綱昇進に期待のかかった栃東が、ともに休場してしまい、ちょっと寂しい場所になってしまいました。
ところで、相撲にふたたび興味を持ち始めたのは、今年2月に、陸奥部屋(元大関霧島・陸奥親方)の朝稽古を見学したのがキッカケでした。目と鼻の先の土俵上では、十文字、豊桜などが中心となって、若い弟子に稽古をつけています。とくに、脈のありそうな弟子はしごかれます。間断のないぶつかり稽古で、投げられても、突き出されても、最後は泣きべそをかきながら、何回となく挑戦していく、その弟子たちの真剣な姿に、見ている私たちは深く感動しました。それ以来、情が移り、陸奥部屋の力士を応援しています。
さて、席に着いたのは、午後3時ちょっと前。入場券には午前8時30分開場と書いてありますが、この時間になってもまだ空席が目立ちます。まもなく、幕内力士の土俵入りが始まりました。
化粧廻しの色が、とても鮮やかです。しかし、時間的には、アッという間の出来事でした。テレビでは時間を持て余す仕切りは、ビールを飲みながら観戦していますと、ちょうど良い間合いになります。仕切り直しを重ねていくうちに、力士の肌が次第に紅潮してくるのがわかります。立会いにぶつかる両力士の息使いも直に聞こえてくるようで、さすがにナマで見る土俵は迫力満点です。
今場所は、外国人力士の活躍が目立っています。この日も、黒海、把瑠都、旭鷲山、朝赤龍、優勝候補の白鵬などが勝ちました。日本人力士に比べて、外国人力士はハングリー精神が旺盛なのでしょうか。とにかく、粘り強い。
受付で配られた取組表で数えてみると、外国人力士は、幕内42人のうち13人もおりました。何と3割を超えており、人数の上でも圧倒していました。力士ばかりではありません。観客も、外国人が多いのには驚きました。それも団体ではなく、ほとんどが2,3人ずつ個人で来ている人たちです。
日本人力士で一人気を吐いていたのは、雅山です。今日も大関の千代大海を突き出しで破り、白鵬と並んで1敗を堅持しました。頑張れ、日本人力士!
打出しの後、友人たち数人と国技館近くの「ちゃんこ巴潟」で、ちゃんこ料理をいただきました。大相撲の余韻を楽しみながら、相撲談義に華が咲きます。江戸の文化を十分に堪能した一日でした。
夏場所や異人同士の大銀杏
クロネコメールを利用する
先日書籍を発送した時にクロネコメールを使いました。クロネコメールの存在は知っていましたが、使ったのは初めてでした。
まずどこへ出せばいいのか分からなかったので、クロネコヤマトのサービスセンターに電話しました。そして宅急便を受け付けているところにもって行けばいいことを知りました。宅急便を取り扱っている薬局に確認したら料金は郵便局より安いことが分かりました。メールは1部からでも受け付けますとのことでした。
早速書籍を封筒に入れて持参しました。重さを図ったら240グラム、郵便局に出せば定型外郵便物扱いで240円、冊子小包郵便物扱いで210円です。それが160円で出せるのです。25部で、郵便局なら6000円か5250円ですが、クロネコメールでは4000円ですみました。
ただしクロネコメールが常に安くなるわけではありません。第三種郵便物や第四週郵便物には当てはまりませんし、また送り先や送る部数によっては郵便局に割引制度があります。また第二種郵便物のようにクロネコメールで送れないものもあります。
クロネコメールで取り扱えないものは次の通りです。
● 手紙・はがき・請求書・納品書等の信書
● 運賃の範囲内で賠償できないもの(荷物一梱包あたり)
● 郵便私書箱宛のもの
国内郵便料金の詳しい内容については、郵便局に問い合わせるか、下記のホームページでご確認ください。
http://www.post.japanpost.jp/fee/simulator/kokunai/
クロネコメールと定形、定形外、冊子小包郵便物の比較(単位:円) |
重量 | クロネコメール | 郵便局 |
定形 | 定形外 | 冊子小包 |
25gまで | 80 | 80 | 120 | 180 |
50gまで | 90 |
100gまで | 110 | 対象外 | 140 |
150gまで | 160 | 200 |
250gまで | 240 | 210 |
300gまで | 390 | 290 |
500gまで | 210 |
600gまで | 580 | 340 |
1kgまで | 310 |
2kgまで | 対象外 | 850 | 450 |
3kgまで | 1150 | 590 |
4kgまで | 対象外 |
ここで郵便局の第一種定形郵便物、第一種定形外郵便物、冊子小包郵便物とクロネコメールの料金表を載せておきます。なお第一種定形郵便物と定形外郵便物はポストから出せますが、冊子小包郵便物は郵便局に持っていく必要があります。