海外旅行体験記

 5月末から妻とパック旅行でイタリアに行ってきました。たびたび海外旅行をしておられる方には特別のことではないと思いますが、両親の介護や看護で出かけられなかった妻にとっては10年ぶり、私にとっても4年ぶりの海外旅行は大イベント、まずは準備からやりなおしとなりました。
 手賀沼通信では海外旅行についていままで23回(そのうちの14回は読者の方からいただいた旅行記)取り上げていて、いちばん多いテーマです。いただいた旅行記は旅行された方の思いがこもっていて、大変印象深いものになっています。今回は観光地の旅行記というより、初心に立ち返って準備を中心に旅行中に気づいたことなどをまとめてみたいと思います。観光地については世界遺産の写真を中心に簡単な記述にとどめました。観光地のご案内は旅行のガイドブックをご覧いただきたいと思います。

1.海外旅行準備
(1)コースと日程の選択
 まずはコースの選択です。趣味のオペラにいちばん関係の深いイタリアが妻の第1希望でした。シチリア島ははずせません。11年前にベネチアとミラノには行ったことがあるので、フィレンツェから南にシチリア島までのコースを探しました。しかしそんな都合にいいコースはありませんでした。そこで選んだのがトラピックスの「とっておきイタリア13日間」でした。13日間はしばらくぶりの海外旅行としてはちょっと長いのですが、私たちにとって海外旅行で一番きついのは往復の飛行機です。12時間も狭い場所に閉じ込められて、ブロイラーのようにじっとしてあまり美味しくない機内食を食べるだけの機内は大変な苦痛です。といって余裕のあるビジネスクラスは年金生活者にとっては予算オーバーです。なるべく1回の旅行で長く旅行しようというのが妻の意向でした。高所恐怖症で閉所恐怖症の私にとっても異存はありません。
 ところが阪急交通社の資料を調べているうち、ほぼ同じコースを行くクリスタルハート「ミラノからシチリアまでゆったり旅するイタリア13日間」というのが目に止まりました。同じ旅行社ですが費用は9万円ほど高くなっていました。電話で問い合わせたところ、泊まるホテルのグレード、参加者の人数の上限、フリータイム、観光の場所、朝の出発時間などが違うことが分かりました。期間の長さと健康への不安を考えクリスタルハートに変更しました。ミラノからシチリア島のパレルモまで、イタリアの代表的な都市と12の世界遺産を巡るコースでした。
 若くて元気なときは数多く観光地を巡るコースがいいかもしれませんが、高齢になるとゆっくり旅行できるほうが楽です。観光する場所こそ減りましたが、変更したおかげで、メンバーは19名、大型バスにゆったり座れ、ホテルも広々とした部屋で心配していたお風呂のお湯も水に変わることなく使えました。またフリータイムがあったおかげで十分休養がとれました。ただ毎日の出発の時間は予定より早まった日が何回かありました。
 日程は旅行のベストシーズンを選ぶことが大切です。旅行先と旅行目的によってベストシーズンはそれぞれ違いますが、イタリア観光の場合は日が長く、あまり暑くない6月頃はベストシーズンになります。今年のイタリアは異常気象で予想より寒かったのですが、観光中は連日好天に恵まれ快適な旅でした。雹が降ったり雷雨があったりしましたが、いずれもホテルやバスの中、あるいは食事中で傘はほとんど使いませんでした。
 また着替えなどの持ち物も少なくて済みました。

(2)パスポートと購入品
 妻はパスポートの期限が切れていたため取り直しました。もっと早く申請することも出来たのですが、3月20日以降に申請するとICチップを使用した新型パスポートになると知らされたため、申請時期を遅らし20日すぎに申請しました。ところがこの新型パスポートが曲者でした。パスポートが分厚くなり取り扱いが不便になったのです。旅行説明会でパスポートを盗られないよう体に巻くように勧められました。新しいパスポートは分厚く、固くて曲がらないためお腹に巻くとくっきりあり場所が分かります。また胸ポケットに入れたときも違和感があるそうです。ICチップはきわめて小さいのに何であのように固いものにしなければならないのでしょうか。メンバーの中にも同じように3月20日まで待って申請した人がいましたが、受け取る際に強く抗議したと言っていました。
 持参品では妻のスーツケースと電気ポットを購入しました。妻のスーツケースは10年前のカナダ旅行で壊れてしまいました。13日間ならいちばん大きいものをと店員に勧められて買いました。必ず荷物は増えていきます。もっと大きいのを持っている人もいました。電気ポットは旅行説明会で勧められました。ヨーロッパではホテルの部屋にはポットはありません。お湯を頼むのは面倒なのとチップがかかります。ポットは重宝しました。毎朝お湯を沸かしティーバッグの日本茶を飲みました。毎日3食イタリア料理ばかりなので、朝の日本茶が一段と美味しく感じられました

(3)防犯対策
 防犯対策は留守宅の防犯と旅行先での防犯です。
 私の住んでいる地区では定期的に防犯パトロールをやっています。私も最初からボランティアで毎週木曜日の夕方5時から派手な帽子とチョッキを身につけて地区を回っています。そのきっかけの1つは海外旅行中に空き巣狙いに入られた家があったことでした。以前海外旅行したときは妻の両親が必ず家にいたため空き巣の心配はありませんでした。二人暮しになると短い間でも家を空けるのは心配です。そこでいろいろ対策を講じました。手賀沼通信は不特定多数の方が読んでくださっているので手のうちを明かすことは出来ませんが、あまり費用をかけないで考えられることをやっています。パソコンのデータは落雷対策もかねて全て外部ハードディスクにバックアップをとっていますが、本体から取り外して長女の所に運びました。もし今までの手賀沼通信がなくなれば、物をとられるよりショックです。
 一番大切なのはご近所の方の目だと思います。出かける度に郵便物の回収など細かいことをご近所にお願いしています。そして何か異常があった時には近くに住んでいる長女か長男に連絡してもらうよう頼んでいます。
 もう一つの防犯はイタリアでの引ったくりやすりや置き引き対策です。説明会ではイタリアはピストル強盗こそないものの、ジプシーなどもいて治安は良くないとしつこいほど言われました。現地へ行ったあとも、観光地で下車するたびに添乗員や現地ガイドから持ち物に気をつけるよう注意されました。
 アジアやニュージーランドの旅行ではパスポートこそ首からつるした貴重品入れに入れていたものの、お金やクレジットカードを入れた財布は無造作にポケットに入れていたのですが、今回はベルトの内側に取り付ける財布を購入して、首かけの貴重品入れと併用しました。愛用のバックパックやウェストポーチはやめて、肩にかける小さなショルダーバッグに替えました。美術館などではテロ対策のためバックパックの持込が禁止されていたところが多かったので、ショルダーバッグに替えてよかったと思います。妻は貴重品はしっかり腰に巻いていました。
 添乗員やガイドの立場上、注意するのは仕方がないと思いますが、あまりたびたび言われると周りの人がみんなスリのような気持ちになります。せっかくの観光が興ざめになった感じのところもありました。
 パスポートやクレジットカードはコピーをとりました。写真も2枚用意しました。何かあったときの連絡先の電話番号の一覧表を作りました。それらを複数用意し、1部はスーツケース、1部はショルダーバッグに入れました。妻と交換もしました。
 ちょっとオーバーかもしれませんが、やれることをやっておけば安心です。

(4)携帯電話を3Gに替える
 イタリアから日本に電話をかける方法を調べました。
 @ホテルの部屋からかける
 A公衆電話からかける(コイン、イタリアのテレホンカード、クレジットカードなどを使用)
 B公衆電話から「KDDIスーパージャパンダイレクト」または「ジャパンダイレクト」でかける
 C公衆電話から「日本テレコムダイヤルジャパン」でかける
などの方法があることが分かりました。
 ホテルからかける場合は時差(7時間日本が早い)の関係上かける時間が限られるのと結構高い手数料がかかります。公衆電話は設置されている場所が限られているうえ、かける時間がとれるかどうか分かりません。日本で公衆電話が減っているようにイタリアでも減っているかもしれません。それに最大の難点は日本からかけるときはホテルにかけるしか方法がないことです。しかも日本語では通じません。
 そんなことから日本との連絡は携帯電話を利用することにしました。妻が携帯を持っていますが海外では使えません。海外で携帯を使うには
 @携帯を海外で使える3Gに替える
 A成田空港でレンタル携帯電話を借りる
の方法があります。
 阪急交通社のパンフレットではレンタルの料金は13日間だと7875円かかります。通話料はイタリアは1分290円です。
 妻の加入しているボーダフォンでは、機種変更は約2万円(この金額は機種とそれまでの携帯の使用期間で異なる)かかりますが、通話料金は1分175円です。今後海外で使用することも考え3Gに替えることにしました。
 これは正解でした。あとで分かったことですがレンタルとの最大の違いはレンタルはメールが使えないことでした。妻は通話こそ1回しかしませんでしたが、ほぼ毎日長女や長男などとメールのやり取りをしていました。ホテルやバスの中や観光中の休憩時間など、少しの時間でメールが打てたりチェック出来るのが非常に便利でした。
 バスで田舎道を走っているときには通信圏外になることもありますが、町に来ると圏内になります。メール料金は1回100円です。観光地の写真を貼りつけたりして気軽に打っていました。
 使わないときは電源を切っていました。紛失や盗難にあっても電源を入れたあと暗証番号を入れなければ使えないようにセットしたので安心でした。

(5)イタリア語の勉強
 海外旅行の楽しみは現地の人とのささやかな交流です。そのためには現地の言葉が少しでも分かれば交流が深まります。
 イタリア旅行を決めたあとイタリア語の勉強を始めました。覚えるより忘れるほうが早い年齢で、にわか勉強の付け焼刃でどこまでできるか分かりません。図書館でイタリア語の入門書を何冊か借りて読み、NHKのラジオのイタリア語講座を10日ほど聞きました。結果は現地では挨拶程度しか使えませんでしたが、イタリア語に触れたことによってまた一つ新しい世界が開けたような気になりました。
 イタリア語の発音は大変やさしいです。日本語のローマ字とほとんど同じです。そのため読むのも簡単です。同じラテン語系のスペイン語とよく似ています。中国語のように日本人にはとても無理という難しい発音はありません。しかし文法は大変難しいです。英語と比べるとその難しさが分かります。短い期間でとても文法にはついていけませんでした。でも片言のイタリア語は使えました。イタリアの人から笑顔が返ってきたのはそのおかげでした。
 妻や同行の仲間も、添乗員さんによるバスの中での即席講座で習ったイタリア語を楽しそうに使っていました。

(6)お金
 お金はユーロの現金と円の現金とクレジットカードを持って行きました。
 説明会では、1日1人3000円×日数分を日本でユーロに変えたほうが言いと勧められたので、柏のワールドカレンシーショップで、5、10、20のユーロ札に替えました。高額のお札は使いにくいといわれました。両替の率は東京三菱UFJ銀行でも確かめましたが同じでした。アジアのほとんどの国ではおみやげ屋などで円が使えますが、イタリアでは免税店以外はほとんど円は使えません。またイタリアでの両替はその時間がとれるかどうか分からなかったため、多少余裕を考え多めにしました。
 大きな買い物はクレジットカードを使うつもりでした。また万一現金が盗難にあったときのことを考え、イタリアのATMで使えるキャッシュカードを持って行きました。

(7)その他
 私は元の会社のコーポレートゴールドカードに海外旅行保険がついているので、新たに加入はしませんでしたが、妻は海外旅行保険に入りました。そして事故にあったときのことを考えてその保険の説明書を長女に渡しておきました。妻は旅行の申込と一緒に申し込んだので、保険の説明書は空港で受け取ることになりました。万一のとき証拠が残らないので申込書を長女に渡しておきました。
 慣れている方は必要ありませんが、その地を初めて訪れるような場合は旅行会社の説明会に出ると参考になります。また事前に案内書に目を通しておくと旅行がいっそう楽しくなります。

2.旅行中に気づいたこと
(1)体調の管理
 旅行を楽しむには、場所やお天気や食べ物や乗り物や仲間などいろいろな条件がありますが、なんと言っても健康が一番大切です。台湾旅行中排尿がストップし、死ぬ思いで帰国した経験をしています。今回も健康には気を使いました。食事と休養です。
 世界遺産観光はほとんど歩きです。それも石畳や遺跡の道です。世界遺産を回った9日間は、万歩計によると1日平均14500歩になりました。夜ベッドで何度も足がつりました。
 ホテルに11泊した中で2晩だけ自分たちで食事をするときがありました。フィレンツェとローマに連泊したときです。希望者は添乗員さんが現地のレストランに連れて行ってくれましたが、そのためには観光後夕食まで2時間あまりも時間をつぶさなければならず、食事も中華やイタリア料理でした。毎日昼と夜に量が多く味の濃いイタリア料理が続いていたのと、昼食と夕食ごとにビールやワインを飲むのでに胃に負担がかかりっぱなしでした。
 私たちは足と胃を休めるために自由時間は観光をとりやめて、早々とホテルに戻りのんびりすごしました。夕食は日本からもっていった乾燥おにぎりや乾燥ご飯、昆布の佃煮や梅干、インスタントのうどんなどで胃を休めました。ここでも電気ポットが役に立ちました。そして寝る前には毎晩胃腸薬を忘れず飲みました。
 事前の説明会でも、きついときは食事を抜くこと、カプリ島の青の洞窟に行くときはトイレがないので生ジュースは避けたほうがよいなどとアドバイスがありました。

(2)同行者と旅の仲間と添乗員
 旅はみちづれといいます。今回は妻との10年ぶりの海外旅行でした。美味しいものを食べたり、美しい景色や美術品などを見てその感動を分かち合い、夫婦共に元気で存分にイタリア旅行を楽しむことができました。
 今回の参加者は、60歳台から70歳台の夫婦が7組、新婚夫婦が2組、70歳台の女性が1名の合計19名でした。申し込みは20名でしたが、女性のお仲間が直前に体調を崩してキャンセルしました。
 新婚旅行組を除いては、皆さん海外旅行の経験が豊富で、心から旅を楽しんでいました。多くの方が朝を除いて食事時はビールかワインをいただきました。アルコールが入ると固さがほぐれます。日にちを重ねるごとに親密さがましました。旅の雰囲気を壊す個性の強い人もいなくて、皆さん温かい、穏やかな方ばかりでした。帰国後何組かの方に手賀沼通信の読者になっていただきました。
 また今回の旅は素晴らしい添乗員さんに同行していただき心から13日間の旅を楽しむことができました。
 添乗員はツアー・コンダクターという文字通り旅の指揮者です。添乗員の良し悪しで、旅が楽しいものになったり味気ないものになったりします。
 今回の添乗員は、知識、情報、英語やイタリア語の会話力、交渉力などが豊富で、旅行をスムーズに進行するためのリーダーシップ、心配り、笑顔などに加えて、適切な状況判断や機転なども申し分ありませんでした。同行の仲間からも賞賛の声があがっていました。

(3)女性カメラマンの目
 最近の旅行ではカメラマンは妻です。帰ったあとの整理も妻が一手に引き受けています。以前はカメラマンは私、整理は妻でした。
 私のデジカメ暦は古い方です。何年前になるかは忘れましたがソニーのマビカというフロッピーディスクにそのまま写真が写せるカメラを8万円ほどで買いました。ばかでかい重いカメラで、70万画素くらいだったため映りもよくありませんでした。とても旅行には持って行けませんでした。そのあとオリンパスのカメディアに買い替えました。その時は旅行に愛用していましたが、これも今では旧式の大きい重い物になってしまいました。
 妻の買ったカメラは、世界一薄型のソニーのサイバーショットです。1枚1ギガにした場合メモリースティックに765枚写せます。それ以来カメラマンの役目は妻になってしまいました。面倒くさがり屋の私よりそのほうが適役のようです。カメラの腕もなかなかのものです。ちなみに今回の旅行のメンバー19人の中に9組の夫婦がいましたが、新婚の2組を除くと他のご夫婦は全員ご主人がカメラマンでした。
 妻は世界遺産や風景だけでなく、食事の料理や珍しいお店や商品やホテルの調度品など女性の目で細かく映していました。13日間で約730枚くらいとったようです。
 家に帰って整理する段になって困ったことが起こりました。妻は写しながらこまめにメモはとっていたのですが、観光とカメラとメモを短い時間にとらないといけません。それもスリや引ったくりに注意しながらです。メモをとり忘れて分からない建物が出てきたことです。同じような建物が多く、地図と照らし合わせたり、インターネットで調べたりと悪戦苦闘していました。でもこれも混乱した頭の整理には役立ったようです。

3.訪れたイタリアの世界遺産
 イタリアはスペインについで世界で2番目に世界遺産の多い国だそうです。現在40の世界遺産がありますが、今回の旅行では次の12ヶ所の世界遺産を訪れました。
行った順番に挙げてみます。
@サンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会とドミニコ会修道院(ミラノ)
 レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の壁画で有名
Aヴェネツィアとその潟
Bフィレンツェ歴史地区
Cピサのドゥオモ広場
 ピサの斜塔のあるところ
Dシエナ歴史地区
Eローマ歴史地区
Fヴァチカン市国
Gアマルフィ海岸
Hポンペイの遺跡
Iアルベルベッロのトゥルッリ
 石灰岩でできた白い円柱形の壁にとんがり帽子のような屋根の建物「トゥルッリ」が並ぶ
Jヴィラ・ロマーナ・デル・カサーレ(ピアッツァ・アルメリーナ)
 世界最大級のモザイク画が完全な姿で残るローマ時代の貴族の別荘
Kアグリジェント遺跡

 どこもそれぞれ世界遺産の名にふさわしく印象深い場所でしたが、いちばん素晴らしかった場所をあえて一つ選ぶとすればアマルフィ海岸です。
 切り立った崖が青い地中海に落ち込むところに、中世の風格ある建物の街と、レモンやオレンジ、オリーブの木々の緑が南国情緒たっぷりの景観を示しています。アマルフィ海岸のドライブウェイは崖の中腹を縫うように走っており、車がやっとすれ違えるくらいの狭いスリルたっぷりの道です。バスはカーブでは必ず派手にクラクションを鳴らします。泊まったホテル・ルナ・コンベントは13世紀に建てられた修道院を改造したものです。一つとして同じ部屋がなかったので、公平を期するために添乗員さんの機転で部屋割りはくじ引きと言う楽しい趣向がとられました。バルコニーのすぐ下は海、設備は近代的とは言えませんが、中世に紛れ込んだようないい気分になりました。
 アマルフィの市街もなんとも言えぬ味があり親しみやすいところでした。

 世界遺産とは違いますが、今回の旅行ではちょっと珍しい経験をしました。イタリア本土からシチリア島へはメッシーナ海峡を渡る必要がありますが、イタリア本土のヴィッラ・サン・ジョバンニからシチリア島のメッシーナまで、汽車に乗ったままフェリーで渡ったことです。フェリーの中には線路が敷かれており、列車は乗客を乗せたままフェリーに入りました。何時入ったか分からないくらい静かな移動でした。
 子供の頃、岡山県の宇野と四国の高松の間の宇高連絡船でも列車がそのまま連絡船に積み込まれていました。私もいちど乗ったかすかな記憶があります。大学生の頃にはなくなっており、帰省の際には座席確保のため船と列車の間を全速力で走ったのを覚えています。世界に冠たる列車王国の日本では50数年前になくなってしまった列車に乗ったままの海上の移動が体験できたのです。
 イタリアはどこも素晴らしいところでした。もう行く機会はないと思うとよけいその美しさが目に浮かびます。

サンタ・マリア・デレ・グラッツェ教会

ヴェネツィア

フィレンツェ

シエナのカンポ広場

ピサの斜塔

ローマのコロッセオ

ヴァチカンのサンピエトロ広場

アマルフィ海岸

ポンペイの遺跡

アルベルベッロのトウルッリ

カサーレのモザイク画

アグリジェントの遺跡
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