今月は小さなデジタルカメラで記録映画を作った体験と、私の住んでいる街が変わっていくのを記事にしました。

デジタルカメラで記録映画を作る

 3月初旬に沖縄旅行をしました。その際私と家内がそれぞれデジカメを持っていきました。いつものように家内が普通の写真を撮って、私は買ったばかりのデジカメで初めて動画を撮りました。
 今年になって、長く使っていた古くて重いデジカメを買い換えました。今までは旅行に出かけるときの写真撮影は家内にお任せでした。今回はせっかく買ったのだからと旅行にもって行く気になりましたが、2人で同じような写真をとっても面白くありません。最近のデジカメは動画も取れます。そこで静止画と動画に役割分担をしました。

海洋博公園
 私は恥ずかしながら、8ミリ映画もビデオ撮影もしたことはありません。今では孫の運動会などに出かけると、お父さんやお母さんのビデオカメラの放列が見られますが、私たちの世代が小学生の子供たちの親だった頃は、せいぜいマニアの人が8ミリカメラを構えていたくらいで、ほとんどの親はバカチョンカメラでした。
 未経験者が取った動画が見るに耐えるものになるかどうかまったく自信がありませんでした。その動画を編集して記録映画にしたお話です。
 読者の皆さんの中にはビデオ撮影の得意な方が大勢おられると思います。お粗末な経験ですが、ご笑覧をお願いいたします。(なお挿入した写真は家内が撮った静止画です)
 

1.デジタルカメラ「ソニー Cyber−shot DSC−T50」で撮影
 今年1月に購入したカメラはソニー製のCyber−shot DSC−T50です。ヤマダ電機で約33,000円、15%のポイントを引くと約28,000円で買えました。ごく普通のデジカメで、売り物は大画面の液晶と操作がタッチパネルになっているということくらいです。
 ただそれまで使っていたデジカメが9年前に買ったオリンパスのカメディアで、130万画素、約360グラム、12.5×6.5×4.5センチ、でしたが、サイバーショットは、720万画素、165グラム、9.5×5.5×2.5センチと性能が向上、小型化軽量化されて持ち運びに便利になりました。動画が撮れるようになり、使用するメモリーの容量も10倍以上になっていました。
 旅行などで途中でメモリーがなくなることも考え、1ギガバイトのメモリースティックを2個、電池も予備を1個購入しました。


美ら海水族館
 動画の撮影は簡単です。スイッチを動画撮影に切り替え、ふたを開いてシャッターを押すだけです。止めるときは再度シャッターを押します。電池の消耗を抑えるため普段はふたを閉じておきます。撮影中は片手で十分待てますが、ブレを防ぐには両手を使ったほうがいいようです。なお手ぶれ補正機能はついています。
 サイバーショットの構造上、レンズに指が重なるおそれがあります。レンズがフレームから飛び出していなくて、しかもカメラの左上にあるためです。心配していた通り何ショットか指が写っていました。
 沖縄旅行では6日間で合計1時間25分くらい撮影しました。1ギガで約44分の撮影ができます。2個のメモリースティックでちょうど間に合いました。画面には残りのメモリー容量と残りの電池使用時間が出ます。1個の電池で約1時間の撮影ができました。電池を2個持参したため充電は不要でした。
 動画撮影にはフラッシュは使えません。部屋の中がちゃんと写っているか不安でしたが、結果はまずまずでした。ホテルの暗い明かりでもそれなりに撮れていました。

 動画は初めてでしたので撮影の要領が全く分からなかったのですが、編集してみて次のようなことに気づきました。

辺戸岬
@撮影するときには編集のことも考えながら撮る。できれば筋書きを考えながら撮る。
Aカメラはあまり動かさないほうがよい。景色など撮るため動かす時はゆっくり動かす。早くバンすると見づらくなる。
B1ショットの時間はあまり長くないほうがよい。あとで繋いだとき、1ショットの時間が長いとスピード感がなくなる。ただ、動いているものでそれをじっくり見たい時は別。
C風が強い時は風の音が大きく入る。
Dガイドの説明があるときは近くに寄って説明を入れながらある程度長く撮る。
E撮影者は撮影時に不用意な声を出さないほうがよい。声が大きく入る。

2.動画編集ソフト「ソースネクスト Power Director」で編集
 撮影した動画は「Windows Media Player」で見ることが出来ます。しかしそれは1ショット単位です。連続して見たり、ショットの順番を変えたり、不要な部分をカットしたり、テロップを入れたりするには動画編集ソフトが必要になります。
 インターネットで検索すると無料の動画編集プログラムが幾つか見つかりましたが、なんとなく不安だったので、柏のビッグカメラでソースネクストの「Power Director」を見つけ購入しました。2,970円でした。ソースネクストは以前「いきなりPDF」を買ったことがあります。安いもののサービスはよくないというのがソースネクストの特徴です。

 インストールで早速苦労しました。ソースネクストの商品には丁寧な説明や分かりやすい解説はついていません。「Power Director」はおそらくアメリカのソフトを日本語に直したものなのでしょう。手探りでインストールを始めましたが、途中指示が英語に変わり、しかも指示通りやっても先に進みません。何度かやり直した後やっとインストールができました。
 ユーザーマニュアルは付いていないので、ヘルプを印刷しました。そのヘルプのマニュアルも機能やボタンやアイコンの説明だけで、使用方法や使用例などの説明はありませんでした。まことにそっけない商品です。

首里城
 まず練習として、1歳の孫の動画を編集してみました。10分ほどのものですがパワーディレクターを使ってトライ&エラーを繰り返しながらなんとかCD−Rに入れることができました。

 沖縄旅行で撮ったのは合計で360ショットにもなっていました。編集はまず不要なショットを消すことから始まりました。
 そのあとはパワーディレクターを利用しての根気のいる作業です。旅行記なのでストーリーは簡単、撮った順番につなげていきます。ただ建物や遺跡の入口の看板や標識などを最初に撮り忘れて、帰りがけに撮った場合などは順番を入れ替えます。要らない部分やくどいところはまるまるカットしたりトリミングしたりして縮めました。
 テロップは時間を追って編集しながら入れていきました。最初のタイトル、日ごとのタイトル、場所ごとの説明の3つに分けて文字の大きさを変えました。文字は写真と重ねたので色は白にしましたが、背景の写真によっては見にくくなるので、赤や黄色も交えました

 途中大失敗をしました。半分くらい終わったとき、一時中断するため上書き保存したのですが、疲れていたせいか何もない最初の画面を上書きしたためそれまでの成果が消えてしまいました。まる12時間の苦労が水の泡となってしまいました。パソコンを使い始めた頃、ソフトやハードが安定せず固まったり、オペレーションミスでやり直ししたことはありますが、最近では単純ミスはめったにありませんでした。泣きたい心境でした。
 それからは慎重にバックアップを取りながらやり直しました。何とかまとめてCD−Rに入れようとしましたが、今度は1枚のCD−Rに納まりません。ファイルの容量が大きすぎるのです。映写時間は約1時間になりました。
 3月17日に我孫子霊園でお彼岸の法要があり、そのあと我が家に子供や孫や親戚の10人が集まることになっていました。それまでに編集を仕上げてみんなに見せるつもりでした。そのためには30分以内に短縮しないと孫たちが飽きてしまいます。そこで大急ぎで短縮版を作ることにしました。
 短縮版は全体を縮めるのではなく、訪れた場所をいくつかピックアップすることにしました。今回の旅の目玉は沖縄の世界遺産9ヶ所を全部回るということでしたが、世界遺産は訪れた人でなければあまり面白くありません。城壁や古い建物が主です。そこで世界遺産を削り、東南植物楽園、海洋博公園、美ら海水族館、首里城、ゆいレール(モノレール)など、興味を引きそうなところを選んでまとめました。約27分のCD−Rが出来上がりました。
 試写会が終わったあと、全体を通した53分のオリジナル版を再度作り直し、CD−R1枚におさめました。

 今回作ったCD−Rはパソコンでしか見られません。42インチの大型テレビで見たいと思い、2つの方法を試みましたがうまくいきませんでした。
 まずテレビに接続しているDVDで読ませてみたのですが、DVDはMPEG2しか受けつけません。デジカメの動画はMPEG1です。MPEG1をMPEG2に変換する方法を探しています。
 もう一つの方法は編集した動画をメモリースティックに入れ戻し、デジカメを通して直接テレビに接続する方法です。撮影した原画はテレビで見られます。その逆も可能と思ったのですが、「ファイルエラー」になりました。テレビに映す方法をご存知の方はぜひお教えください。
 次のチャレンジはパワーディレクターの機能を使って音楽やナレーションを入れることです。そのためにはパソコンにマイクをつける必要がありますが、編集そのものはそんなに難しくはないのではないかと感じています。

街が老いる

 私が住んでいる街が老いています。
 私が住んでいるのは我孫子市若松という地区です。今から40年位前に手賀沼を埋め立て住宅地として分譲されました。1区画60坪以上、道路は碁盤の目のように整備されています。私の家は駅からは歩くと18分くらいかかりますが、バスが頻繁に通っており、バス停はすぐ近くです。近所にスーパーや商店があり市役所や図書館や生涯学習センターなども歩いていける距離です。
 水のきれいになった手賀沼に近く、公園や遊歩道などもあって環境は抜群です。我孫子市の住宅地の中では標準以上の場所と言えるでしょう。
 その若松地区が我孫子市の中で2番目に高齢化した地区になってしまいました。今では「若松」ではなく、「老松」とか「枯松」などと自嘲気味に言う人もいます。若松の分譲地を購入し住宅を建設して住み始めた住民は、70歳代、80歳代になりました。私のように途中から住んだ住民も60歳代以上が多くなっています。子どもたちは大きくなって巣立っていき、両親は亡くなって、高齢者夫婦や高齢者の一人暮らしの家が大半を占めています。
 若松地区の真ん中を占めているNTTの社宅は3分の1の棟を取り壊しました。後地はそのままです。残った棟も70〜80%くらいが空き家になっています。また、近くにあった郵政公社の社宅は全棟取り壊し、そのまま空き地になっています。
 若松に隣接する道路は広く、年々整備されて国道へのアクセスが便利になったため、車の通行量が激増しました。昔からある国道365号線に取って代わって我孫子市の中心の道路になりました。ただ、歩行者は減っています。歩く人が減ることは商店のお客が減ることにつながります。そのため近くにあったセブンイレブンが店を閉め、モスフードがマンション建設で人口が増えた駅の北側に引っ越してしまいました。時々利用していた中華料理店やフランス料理店もなくなりました。
 人が老いるのと同じように街も老いるのです。自分の老いを自覚するようになったこのごろ、街も老いるのだということを思い知らされています。
 思い過ごしかもしれませんが、その老いは駅の南側全体にまで広がろうとしているような気がします。駅の南側にあったイトーヨーカドーは1階と2階で営業していましたが、2階の営業を取りやめ、その代わりいくつかの専門店が入りました。
 我孫子で元気なのは、いくつもの大型マンションが立ち並ぶ駅の北側です。人口が急増しています。新しいマンションには若い世代が入居します。かつて若松がそうであったように、子どもが生まれ、大きくなり、街は賑やかになります。今から街の北側にある大型スーパーのエスパはいつも混雑しています。

 住宅公団が建てた公団住宅は昔は憧れの的でした。その全国の公団住宅も老いています。我孫子の近辺を例に挙げれば、柏市の豊四季団地や松戸市の常盤平団地などは建物と住民がともに老いて独居老人が増え、孤独死なども発生していると聞きました。
 東京都の多摩団地では建物が古くなったので一部建て替えると報道されました。建て替えや住人の若返りが進むところは街が活性化されますが、空き家や空き地が増えるところは過疎化するしかないのでしょうか。

 現在、全国的に見ると人口が増え活性化しているところと、過疎化して衰退しているところの2極化がはっきりしてきました。これから少子高齢化が進むとさらに2極化が大きくなるかもしれません。これは日本全体が老いていくことにつながるように思います。
 その対策は私には分かりませんが、これからは経済大国などという看板を降ろして、ヨーロッパのいくつかの国のように、文化の香り豊かな、静かで住みやすい国づくりを目指すというのも選択肢の1つではないかと思っています。

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