今月は定期的に私のところにお送りいただいている読者の皆様の情報発信についてご紹介しましょう。
読者からいただく情報発信
10年前に61歳でサラリ−マンをやめたとき、何か定年後の生活のよりどころになるものはないか、暇つぶしとボケ防止になるものはないかと作り始めたのが手賀沼通信です。
そして勝手に作った手賀沼通信を70人ほどの方に勝手に送り始めました。手賀沼通信の読者が増えるにつれ、読者の方からも一人新聞やエッセイや自分史などが届くようになりました。
いただくものは、内容、体裁、発行形式、発行頻度などそれぞれ違います。でも発行される目的とか取組み姿勢とかは同じでないかと感じています。おそらく「自己実現」、「生きがい」、「生活のよりどころ」などがキーワードになっているのではないでしょうか。そこには情報発信の素晴らしさがあります。
ここでご紹介する情報発信はほとんどは無料、電子メールへの添付や郵送の形で送られてくるものですが、それ以外にもアドレスをお知らせいただいているホームページやブログもあります。ホームページやブログについてはまたの機会にお知らせしましょう。
ご紹介する順番は順不同です。なお読みやすくするため文章中ではあえて敬語を省略させていただきました。申し訳ありません。お詫びいたします。
「土佐一人新聞」(三好朝男さん)
「土佐一人新聞」は手賀沼通信の発行の際にお手本にした一人新聞です。
三好朝男さんは高知県須崎市で奥様と二人で大変ユニークな生活を送っています。もとは中国で手袋を製造しているスワニー社の役員だったのですが、そこを退社して脱サラし、須崎市に移住して、奥様と二人で、コメ作り、みかん作り、養蜂、家作り、家具製作などの生活を楽しんでいます。また、純米大吟醸酒「土佐一」の会員制酒造トラストの発起人となって、一升瓶にトラスト参加者の名前を載せたラベルを貼るというアイデアを出しました。自分の名前入りのお酒で、飲んでいて楽しい気分になります。
三好さんのユニークな生活は何度もマスコミに取り上げられ、新聞やテレビでも紹介されました。
土佐一人新聞はサラリーマンにはとても想像できないような生活の体験と政治や社会に対する辛口の論評を載せた月刊新聞です。最初はA3表裏のワープロ版でしたが、現在はブログに記入したものの中から選んでパソコンで作成しています。A4版、ページ数は不定です。メールに添付して送られてきます。8月号で181号になります。
今までには、政治や世相批判の他に、あいがもを水田に放してのコメ作りや、作物を荒らす猪に罠を仕掛けて捕獲し解体する話や、養蜂のノウハウをマスターして蜂蜜を収穫する話や、できる限り費用を節約して何年もかけて自宅を自分の手で作り上げる話など、いつもわくわくするような記事が満載されていました。今は、自分の手でログハウスを作る苦心談が連載されています。
「はないかだ」(綱島ユキ子さん)
「はないかだ」は手書きで、写真や絵を取り入れた、A3版の月間「ひとりしんぶん」です。心が洗われるような新聞です。8月号で185号になります。
内容は季節の草花のことが主ですが、自分の身の回りのことや同居している親戚の幼稚園児や小学生の子供たちのことが、子供たちの描いた絵とともに綴られています。
千葉県八千代市在住の綱島ユキ子さんはもう何十年も車椅子の生活です。昭和38年に自動車事故で瀕死の重症、さいわい命は取り留めましたが下半身麻痺となりました。
「はないかだ」第1号は昭和65年3月に生まれています。綱島ユキ子さんは次のように書いています。
「活字に飢えた子供時代でしたので、今でも読むことと書くことが好きです。とはいっても、才能のない私が書いて楽しめるのは手紙位なのですが、そんな私に、あるグループの目上の方が、月1回「ひとりしんぶん」を作ることをおしえてくれたのです。そして、交換してくれる方も何人か紹介してくれましたが、みなさん健常者です。共通の話題に乏しい私は、「障害者」という視点で作ってみようと始めたのでした。」
「キラキラ通信」(川田一之さん)
「キラキラ通信」はインドネシアに特化したA4版4ページの月刊新聞で郵送で送られてきます。9月号で192号になります。
川田一之さんは茨城県阿見町に住んでいます。現役時代、インドネシアに赴任しました。ここから先は私の想像ですが、おそらくその地でインドネシアに魅せられたのではないでしょうか。そして帰国後、インドネシアのために少しでもお役に立てようと、インドネシア情報誌の発行を思いついたのではないかと思います。
「キラキラ通信」の構成は次のようになっています。
・ホットライン(インドネシア支局発)
・日本の中のインドネシア
・インドネシア学入門
・出会い
いつもインドネシアを温かい目で見つめた記事が載せられています。
「グリーンロード」(多田奨さん)
千葉県野田市の多田さんの言葉によると、「グリーンロード」(江戸川グリーンロード通信)は手賀沼通信に触発されて発行するようになったとのことです。お世辞かもしれませんがうれしい言葉です。
内容は多田さんの体験されたことを中心にまとめられています。ボランティア活動、小旅行、見学、学習、身の回りの出来事、家族の動向などが美しい写真をふんだんに取り入れて、パソコンで作成されています。プライベートな記述も多く、家族へのメッセージも兼ねて作っているのではないでしょうか。
月2回の発行なので、月刊の手賀沼通信の号数をはるかに追い越しました。メールに添付されて届きます。A4版でページ数は決まっていません。9月15日号で145号になります。
多田さんは大腸がんの手術の経験がありますが、入院中も休まず発行を続けました。今は長期の旅行は厳しいようですが、それにも負けず明るい紙面づくりに頑張っています。
「かわら版参上」(三上健治さん)
「かわら版参上」はべらんめえ調のいわば八さん熊さんの辛口の時局放談といった感じの月刊新聞です。A4版4ページ、パソコンで作成、メール添付で届きます。9月号で152号になります。福田首相が辞任を表明した時には「かわら版参上」の号外が出ました。
三上さんは埼玉県さいたま市に住んでいます。大変多才な人です。博覧強記、人を楽しませる文章と言葉が次々に飛び出します。絵が得意で、プロ顔負けの似顔絵が紙面を飾ります。新聞の紙面は横書きあり、縦書きあり、枠内と枠外に文字があふれています。普通の新聞の1.5倍くらいの内容がぎっしり詰め込まれています。
三上さんが怒りに任せて政治や社会をぶった切りする内容で、読んでいて痛快です。
「ほほえみ」(大塚雅昭さん)
千葉県銚子市より届く「ほほえみ」はA4版32ページの、新聞と言うより雑誌です。以前は月刊でしたが、今は隔月誌です。これだけ内容のある情報誌を商売をしながら毎月出すのは大変なことだったと思います。健康に配慮して隔月となりました。7月・8月号で140号になります。
大塚さんは銚子市で燃料販売店の社長業のかたわら「ほほえみ」を発行しています。内容は年金や政治のように固い話から、パチンコやグルメや旅行の話まで、硬軟取り揃えて編集しています。人生論やマンガや俳句や暮らしの知恵のコーナーまであります。毎号15人前後の人が原稿を書いています。
社長を務めながらこれだけの情報誌を原稿集め、編集、印刷、発送まで手がけるのは私のようにパソコンで作ってクリックして発送するだけの人間には想像がつきません。
「風雪八十年」、「英語学習豆知識」(田中通義さん)
田中通義さんは千葉県野田市の人で81歳です。
自分史「風雪八十年」は今までは「風雪七十七年」というタイトルでした。おそらく77歳の時に書き始めたのでしょう。今後の長生きにつれてタイトルはまた変更になるかもしれません。
毎月パソコンで作成し、8月で65回目となりました。まだまだ続きそうです。私のところには田中さんからメールに添付されて届きますが、朝日新聞野田北部店から3500世帯に配られるタブロイド誌「読者の広場」に連載されています。
それにしても田中さんの記憶力のよさには驚きです。昔の出来事がこまごまと記されています。途中からいただいているので、何歳から書き始めたのかは分かりませんが、何十年も前のことがまるで昨日のことのように書かれていました。
「英語学習豆知識」は若い頃から英語の達人で、外資系の会社などに勤務し、現在英語の講師をしている田中さんの知識の集大成ともいうべき、英語学習のテキストです。
「武漢近況」(大川豊さん)
大川さんは私と同じ外資系コンピュータ会社の元同僚で、数年前その会社を早期退職し、最初は中国の蘇州大学で、その後南京に移って南京工業大学で日本語講師を務めました。今年の9月からは武漢の中南民族大学で教鞭をとることになりました。
蘇州大学に奉職した当初から、「蘇州近況」というタイトルで中国での生活、日本語教室の様子、生徒の学習態度など、ホットな情報を毎月メールに添付して送ってくれました。これは前任者の木澤さんの情報発信を引き継いだものでした。
そして南京に移ってから「南京近況」になり、途中からは「南京情況」になりました。9月23日武漢近況第1報が届きました。
今年の7月、蘇州近況や南京情況を「中国で日本語を教える 蘇州・南京編」というタイトルの本にまとめ、自費出版しました。新たに写真が挿入され、大変面白い本になっています。
また大川さんは「武漢近況」というホームページを持っています。このホームぺージは「南京近況」を引き継いだものです。大川さんの南京や武漢の様子や生活がうかがわれます。またここで「蘇州近況」「南京近況」「武漢近況」を読むこともできます。
アドレスは次の通りです。
http://home.h00.itscom.net/yohkawa/
「KANCHANより」(関田歡一さん)
同じ我孫子市に住んでいる関田さんは、「KANCHANより」というタイトルで、ワードで作成したA4版1ページの新聞をメールに添付して送ってくれます。月に2回くらいです。
以前の「KANCHANより」はメールマガジンで毎週届いていました。内容は政治や社会についての辛口の批評でした。メールの中に意見を記述していたため特に決まった体裁はありませんでした。その後体調を崩したため一時休刊、再開してから今のような体裁になりました。
エッセイ風の一種の文明論といってもいいでしょう。豊富な知識と鋭い観察力と1枚の写真とで説得力のある内容になっています。
関田さんもホームページを持っています。次のアドレスです。
http://members.jcom.home.ne.jp/ksekita36/
「電脳村通信」(高橋捷夫さん)
宮崎県延岡市でパソコンショップを経営している高橋さんが出しているメールマガジンです。高橋さんは私と同じ会社の元同僚です。
「電脳」は中国語でコンピュータを意味し、「電脳村通信」はパソコンショップのお客さん宛に、パソコンや通信やITに関する情報を知らせる内容になっています。出すタイミングは特に決まっていないようで必要な時に出しています。
新聞には出ていないようなお得な情報が得られることもあります。パソコンユーザーにはありがたいメルマガです。
「林遊倶楽部」、「ひとりごと通信」(久保田章さん)
「林遊倶楽部」は久保田章さんと奥様が主宰する「久保田ひと工房」から隔月に発行されているB5版20ページの「みんなで創る交流誌」です。今回ご紹介する情報発信の中で唯一有料となっています。
「林遊倶楽部」は読者の投稿誌です。久保田さんから「林遊倶楽部」が送られるのと同時に次のテーマが知らされます。そのテーマについて書いて送ると次の「林遊倶楽部」に掲載されます。私も何度か投稿しました。
「ひとりごと通信」は久保田さんの一人新聞です。「林遊倶楽部」と一緒に送られてきます。B5版4ページで、内容は自らの体験や感想や評論などですが、「お笑い工房」が傑作です。世相を皮肉ったひと言がわさびのように利いています。
「あけぼの会ニュース」(家田和利さん)
家田さんが主宰する「あけぼの会」の会員宛に家田さんが毎月作成し配布している新聞です。会員でなくても会が開催するイベントへの参加者にも配られます。
「あけぼの会」は千葉県柏市周辺の高齢者の会です。私も会員です。「あけぼの会ニュース」は新聞その他から、高齢者に知らせた方がいいニュースを取り上げ、家田さんの解説つきで分かりやすくまとめています。
A5版10数ページ、月刊です。8月号で170号になりました。
「ゆー・ゆぅ・ゆぅ」(「東彩会」広報委員会)
「東彩会」は生涯青春をモットーにした高齢者の会で、埼玉県越谷市周辺の人が会員になっています。
「ゆー・ゆぅ・ゆぅ」は東彩会の会報です。以前東彩会で講演をしたことから送られてくるようになりました。
A4版4ページ、月刊です。8月号で172号になりました。
会報にふさわしい内容で、活動記録、会員の寄稿文、事務局からのお知らせ、会員の消息などが載っています。
東彩会のホームページは次の通りです。
http://tosaikai.web.infoseek.co.jp/
「天地ネットワークテーブル」(天地シニアネットワーク−津田孚人さん、小俣光夫さん、小作暁介さん)
「天地」は「シニアによるシニアのためのコミュニティ」で、「天地ネットワークテーブル」は9月13日現在で247号にもなる、高齢者向けの情報誌です。A4版、ワードで作成され1回の分量は10数ページから20数ページに及びます。月に何回かメールに添付されて送られてきます。
内容は読者からの寄稿文が主ですが、事務局からのお知らせ、講演会の案内、物品販売などいろいろ有益な情報が載せられています。
連載されている寄稿文はどれも専門的知識を持った人が本格的に取組んで書いた質の高いものばかりです。人があまり行かない場所に行った旅行記や特別の目的を持って歩いた記録なども連載されています。
天地シニアネットワークのホームページは次の通りです。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tenti/
残念なのは、発行部数10万部だった本格的なタウン誌「City Opera」が発行元の常陽新聞新社の経営不振のため8月15日発行の第73号で休刊になったことです。
つくばエクスプレス開通とともに、毎月1日と15日に発行されていました。あか抜けたとてもモダンな紙面でした。
発行責任者の筒井秀夫さんが毎月送ってくれていました。下の写真で一番大きいのが「City Opera」です。
以上ご紹介した情報発信を並べてみました。
メールに添付されているものとメールマガジンは印刷しました。
スペースが小さく不鮮明ですみません。