今月は5月に受けた白内障手術の体験記と地元若松の水害対策についての報告です。

白内障手術体験記

 平成21年5月21日に柏市の柏眼科クリニックで白内障の手術を受けました。その体験記です。
参考資料:
・参天製薬提供「白内障の症状と治療」筑波大学臨床医学系眼科 大鹿哲郎教授 監修
・眼窩手術開業医の会 ホームページ 「白内障と眼内レンズ手術」

1.白内障とは
 白内障とはどんな病気でしょうか。
 正常な水晶体は透明で、光りをよく通します。さまざまな原因で水晶体の中味のたんぱく質が変性して濁ってくることがあります。これが白内障です。
 水晶体が濁ると、光りがうまく通過できなくなったり、光りが乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。
  白内障はさまざまな原因で起こりますが、もっとも多いのは加齢によるもので、「加齢性白内障」と呼ばれています。個人差はありますが、老化現象の一種で、高齢になればなるほど多く発症しす。
 その他アトビー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として発症したり、母親の胎内で風疹に感染することによる生まれつきの白内障や目のけがや薬剤の副作用による白内障などがあります。
 白内障の症状は水晶体の濁り方が一人一人違うためさまざまです。
・視力が低下する
・目がかすむ
・まぶしくなる。明るいところが見えにくい
・どんなに調整しても眼鏡が合わない
・ものが二重、三重に見える
 なお白内障だけでは痛みや充血はありません。

2.白内障の手術の仕組み

(画像のクリックで拡大表示)
 白内障の手術は主に、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出し(超音波水晶体入荷吸引術)、人工のレンズ(眼内レンズ)をいれるという方法で行われています。
 眼内レンズは直径6ミリ程度で、後嚢に固定するためにループがついています。眼内レンズを一旦挿入すれば、取り替える必要はありません。
 手術は局所麻酔で行われます。手術時間は通常の場合は10分〜15分くらいです。

3.手術までのいきさつ
 10年位前から左目の視力が落ち、左目で見る映像が縦長にゆがんで見えていました。両目の焦点が合わせづらく、ぼんやりものを見ている時は二重にダブって見えます。右目と左目の映像が違うため、大きさの違うものがダブります。昨年1月に車の運転免許を取るときは、両目で視力0.7、やっと合格でした。最近になってさらに視力が落ちていました。
 一度眼科医にみてもらおうと行きつけの眼鏡店でお勧めの眼科医を紹介してもらっていたのですが、生来の無精者、そのうち行こうと1日延ばしにしていました。
 ところが4月初めにお花見に行くため玄関を出たとき、急に左目の中に黒い油のようなものが動いているのが見えました。しばらくするとその油のようがものが細かい無数の黒点になり、眼の中を泳ぎました。よく驚いた時に「目の前が真っ暗になった」という表現を使いますが、そのときの気持ちはそれに近く、正確には「目の中が薄黒く」なりました。
 幸いなことにその症状は1日で消えましたが、何かの病気ではないかとさっそく紹介された「柏眼科クリニック」に行きました。
 いろいろな検査を受けた結果、白内障と黄班前膜と診断されました。ものがゆがんで見えるのは白内障でなく黄班前膜が原因です。黄班前膜は網膜の前に硝子体の一部が破れて張り付き前膜を形成する病気です。視力が落ちる原因は、白内障だけでなく、黄班前膜にもあります。
 クリニックの関根先生からまず白内障の手術を勧められました。白内障の手術で視力はある程度回復する、手術は簡単と言われさっそく予約し、5月21日に手術することになりました。
 黄班前膜の手術は結果をみて考えることにしました。

4.手術当日
 5月21日午後2時20分頃クリニックに着き、事前の点眼をしたあと手術を受けました。その日手術を受ける人は3人、私は2番目でした。
 看護婦さんから、手術についての注意点と術後守るべきことの説明を受けたあと、手術室に入りました。
 手術は鎖骨の粉砕骨折の回復手術、前立腺肥大手術、心臓冠動脈カテーテル手術についで4回目です。目の手術は初めてなので緊張しました。
 床屋の椅子のような手術台に乗って仰向けになりました。目を動かさないように言われました。目に強い光りが当てられました。手術そのものは見えませんでしたが、針やメスが目をつついているのが感じられました。痛みは全くありませんでした。
 15分くらいで手術は終了しました。左目は厚い眼帯で覆われたため、いつものメガネはかけられません。右目にはコンタクトレンズを入れてくれました。クリニックを出たのは3時40分でした。
 妻が付き添ってくれたのと、メガネよりよく見えるコンタクトレンズのため、片目でも安心して帰宅できました。
 翌日9時前にクリニックに行き眼帯をはずしてもらいました。眼帯をはずしたとたん、左目で見る世界はぱっと明るくなりました。左目は蛍光灯で見る世界、右目は電球で見る世界です。外の様子は白とやや黄色の2つの色調が交じり合っていました。
 左目の視力は少し上がっていました。

5.手術後のケアと結果
 眼帯をとった後、1日2種類6回と1種類3回の点眼が始まりました。1日3回の点眼薬は冷蔵庫保管です。6回は午前6時、9時、正午、午後3時、6時、9時に決めました。1日3回の点眼は食事時と決めました。3種類の点眼薬は連続しては入れられず、少なくとも3分以上はあける必要があります。物忘れの激しい私が忘れないように点眼するのは大変でした。
 眼帯をとった日からお風呂には入れますが、手術後1週間は顔と頭は洗えません。手術をする日の午前中、お風呂を沸かして入念に顔と頭を洗いました。子供の頃や山登りに夢中だった若い時は、おそらく何日も頭を洗わなかったでしょうが、毎日お風呂に入る習慣がついてからは、2日に1回は洗っています。
 お風呂では首から下を洗って、左目に触れないよう顔と頭をぬれタオルでごしごしこすりました。風呂から上がったあと、髪にはヘアートニックをつけてかゆみを防ぐようにしました(その後床屋で聞いた話では薬用アルコールを使うほうがいいそうです)。朝もクリニックで勧められた「クリーンコットンアイ」や大型の濡れティッシュで顔と頭を拭きました。でもさっぱりした気分にはなれませんでした。
 手術後5日間は可能止めのため抗生物質の薬をのむ必要がありました。そのためアルコールも5日間控えました。普段は晩酌が最大の楽しみなので、5日間もアルコールをやめたのは、心臓カテーテル手術で入院した時以来でした。
 手術の2日後、左目の近眼が少し改善したため、クリニックと付属のメガネ店で検眼し、「眼鏡処方箋」をいただきました。さっそく我孫子のなじみのメガネ店で新しいレンズを注文しました。
 それまで使っていた眼鏡は合いません。新しいレンズが出来上がるまでの5日間は、パソコン用の度の弱い眼鏡で過ごさざるを得ませんでした。遠くが見えないと気分もはれません。頭に汗をかかないよう、家の中でじっと我慢の日々でした。
 5日後新しい眼鏡が届いたとき、やっと手術の結果を手に入れることができました。
 ただ、まだ完全とは言えません。左目の視界は明るくなり、裸眼では右目より左目のほうが視力がよくなりました。ところが眼鏡で矯正したときは左目の視力は0.4くらいです。黄班前膜のためそれ以上よくならないようです。相変わらずものはゆがんで見えます。
 黄班前膜の手術をどうするか、もう少し様子を見ようと思っています。

 かかった費用をまとめてみました。(3割負担の場合です)
 ・目の検査(10種類以上)と診察  8300円
 ・手術前の点眼薬(5ML2種類) 550円
       ・手術            42530円
 ・手術後の点眼薬(10ML3種類)      1300円
 ・手術翌日の検査と診察     1150円
 ・手術後2日目の検査と診察(メガネの処方箋を含む)    1360円
 ・手術後1週間目の検査と診察  1140円
    ・手術後3週間目の検査と診察  1210円
 ・点眼薬(10ML1種類)    390円
             合計 57930円

 医療保険からは通常手術保険金が給付されます。また、入院した場合は入院保険金が支給されます。
給付金額は保険会社と保険の種類によって異なります。

若松地区の水害対策の現状(その1)

 昨年4月から若松地区水害対策委員会のメンバーになっています。今月と来月の2回にわたって若松地区の水害対策の現状と解決すべき点をまとめてみたいと思います。

1.若松地区の水害
 私の住んでいる我孫子市若松は手賀沼を埋め立てて作られた手賀沼に面した住宅地です。
 過去手賀沼はたびたび氾濫し、周辺の地域に大きな災害をもたらしました。最も新しいのは1950年の水害です。利根川と手賀沼があふれ2700ヘクタールが水に浸かりました。
 その後治水工事が進み、現在までは手賀沼があふれたことはありません。ところがその後も水害は何度も発生しています。
 その水害は大雨のとき道路や排水溝の水の排水が間に合わず、水があふれる水害です。内水による道路の冠水、家屋への浸水、あるいは駐車場の車が水に浸かるといった被害です。若松の水害もそれでした。
 若松に降った雨は通常は排水管を通って、地面と湖面との高低差を利用して手賀沼に自然に排水(自然流下)されます。そして大雨で手賀沼の水位が一定の高さを越えると、排水ポンプによる排水となります。
 ところが現行のポンプの排水能力は自然流下の約半分しかなく、1時間30ミリ程度の降雨までしか対応できません。それ以上になると内水による水害が発生するのです。

2.水害対策委員会の活動
 若松には自治会が2つあります。私が所属しているのは若松第2自治会ですが、水害対策委員会は水害が多く発生している若松第1自治会の水害被害者が中心になって、平成16年7月に発足しました。
 平成17年6月、水害対策委員会より第2自治会に「地域全体としての活動参加」の呼びかけに応じて、第2自治会が合流することとなりました。現在は第1から12人、第2から7人の構成になっています。
 発足以来、委員長(第1自治会)と副委員長(第2自治会)の熱意と強力なリーダーシップと献身的な活動のもとに着々と成果を挙げつつあります。
 委員会は原則として月2回、日曜日の夜開催されます。我孫子市や千葉県への働きかけや要望書の提出や交渉などは、委員長と副委員長を中心として、両自治会の役員から選ばれた水害対策委員が行っています。
 我孫子市と千葉県に働きかけて実現した現在までの成果は要約すると以下のとおりです。
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側溝の排水溝の改修(画像のクリックで拡大表示)
@一部地区の汚水管敷設替工事
A雨水管補修工事
B道路側溝の改修
C若松地区の雨水排水施設整備案の作成
Dポンプ場改修計画案の作成
E湖岸堤整備案の作成
F手賀沼の水位管理の徹底と大雨時の事前放流の推進
G住民への市および県からの説明会の実施

3.手賀沼の水位管理
 手賀沼の水位はYPという指標で表されます。YPとは江戸川堀江水位観測所の水量漂を0とした水位の基準です。利根川水系ではこの指標が使われています。標高とは違います。
 YP+2mとは、江戸川堀江水位観測所の基準水位面より2メートル高いという意味です。
 手賀沼の水位は年間2つのレベルで管理されています。
 農家が水田に水を引く4月から8月まではYP+2.2です。田んぼに十分水が回るよう高くなっているのです。利水面からの水位です。
 9月から3月まではかんがい用の水は不要ですので、水害を防ぐためYP+1.8と水位が低くなります。治水面からの水位です。

潅漑期の手賀沼の水位(画像のクリックで拡大表示)

非潅漑期の手賀沼の水位(画像のクリックで拡大表示)
 若松は手賀沼から一番遠い北側のふれあい道路から、手賀沼に一番近い南側の住宅地まで約2.5メートルの高低差で傾斜しています。北側は最高YP+5.3、南側の一番低いところはYP+2.4となっています。
 手賀沼のがんがい期の水位がYP+2.2ですから、一番低い土地にある住宅とはわずか20センチの差しかありません。手賀沼の水位が高くなると、自然流下の量が少なくなり、場合によっては流下ができなくなります。

北千葉揚排水機場(画像のクリックで拡大表示)
 手賀沼の水位管理は手賀沼の下流手賀川と利根川に面した場所にある国土交通省管轄の北千葉揚排水機場で行っています。ここでは毎秒最大80トンの水を手賀川から利根川に排水することができます。
 大雨予測時には手賀沼の水位を下げるため予備排水を行っており、平成19年には年間28回稼動させました。
 近くには農林水産省管轄の手賀排水機場もあり、ここでは最大毎秒40トンの排水が可能です。
 両方をあわせると毎秒120トンの排水が可能ですが、手賀沼の水位を下げるまでにはかなりの時間がかかるため、予備排水が重要となっています。

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