今週のテーマ「海外旅行」と「介護保険」です。海外旅行はつい3ヶ月前に取り上げたばかりなので、もっと先にのばそうと49号は別のテーマで書き上げたのですが、都合により今月に掲載させていただきます。遊んでばかりいるようでちょっと気が引けます。今週のテーマ「海外旅行」と「介護保険」です。海外旅行はつい3ヶ月前に取り上げたばかりなので、もっと先にのばそうと49号は別のテーマで書き上げたのですが、都合により今月に掲載させていただきます。遊んでばかりいるようでちょっと気が引けます。
 「介護保険」はこの1月で65歳になったため、第2号被保険者から第1号被保険者に変わりました。切り替えにちょっと分かりにくいことがあったのでご紹介しましょう。

自然の豊かさを満喫したニュージーランド

 1月28日から2月4日までニュージーランドに行ってきました。阪急交通社のTRAPICSのパッケージツアー「まるごとニュージランド8日間」で、旅行代金19万9800円、参加人員は全体で82名、3台のバスに分乗、私達のグループは21名(夫婦8組、男性2人組み、女性2人組み、男性1人)でした。
 この時期、南半球のニュージーランドは日本の夏に該当し旅行にはベストシーズンです。お天気も連日快晴に恵まれ本当に快適な旅でした。毎日の行動もアジア旅行で何度か経験した深夜到着とか早暁出発という無理で無駄なスケジュールではなく、比較的ゆったりしたスケジュールが組まれていました。旅の仲間はいつもの牛久のうなぎ屋のご主人佐藤さんでした。
 一番嬉しかったのはツアー最初の日の夕食時に思いがけず誕生祝をしてもらったことです。ツアーディレクターの遠藤さんから、「皆様の中に今日誕生日を迎えられた人がいます」との紹介がありましたが、「幸運な人がいるものだな」と思って自分のことだとは気がつきませんでした。思わず他の人と一緒に拍手をしてしまいました。ところが自分の名前が呼ばれたので、驚くとともにまごついたあげく、まったくインパクトのないつまらない挨拶をしてしまいました。誕生日のプレゼントにニュージーランドの国鳥キーウィー・バードの置き物をいただきました。65歳の誕生日を忘れるとはボケの始まりかも知れません。

1.ニュージーランドと日本の類似点と相違点
 ニュージーランドはとても日本に似ているところと全く似ていないところがあります。
 似ているところは南半球と北半球との違いはありますがその地理的状況です。ニュージーランドの国の広さは日本の約72%、同じ島国で北島と南島からなっています。その南端は南緯約47度で北海道の宗谷岬の少し北といった感じ、北端は南緯約34度で日本の紀伊半島から四国を通り本州の西の端の関門海峡を結ぶあたりになります。一番人口の多いオークランドはほぼ東京と同じ緯度にあります。ツアーで一緒になった人がニュージーランドの地図を見ながら、「北島は樺太が北海道にぶつかってくっつき、北海道がちょっとひしゃげたみたいですね。南島は本州を静岡と糸魚川を結ぶ構造線断層帯でちょん切った北半分みたいですな。」と言っていましたが、よく見るとその通りです。津軽半島や下北半島にあたる場所も見られ、宮城県の牡鹿半島のようなところもあります。
 日本と同様、山岳地帯が島の多くを占めており、富士山よりわずか22メートル低いだけのマウントクックが最高峰としてそびえています。日本アルプスの代りにサザン・アルプスもあります。火山や温泉もあります。別府と姉妹都市を結んでいるロトルアでは間欠泉があって地獄廻りのような観光が出来ました。また水着をつけてですが混浴の露天風呂を楽しめました。
 川や湖や滝も多く、日本同様、水に恵まれているという感じを受けました。
 一方似ていないというか逆のところは、人間の数の違いと多分それが原因と考えられる国民の自然や環境に対する取組姿勢の違いです。日本の約72%の面積の国土に388万人が住んでいます。日本は約1億2600万人で、人口密度にすると日本はニュージーランドの約23倍ということになります。人口密度がこれだけ多いと、消費する食料や生活用品、出すゴミや排泄物、道路や鉄道、電気や燃料や水などの供給のために必要なインフラ、学校や職場や工場や病院などの施設、国や市町村や警察などの行政サービス、葬儀場やお墓や刑務所など全てに負荷がかかってきます。
 ニュージーランドでは市内や観光地にゴミはほとんど落ちていません。ビンや缶やペットボトルが落ちている日本とは大違いです。自然はほぼそのまま残っています。ニュージーランドでは1日中バスで走っても、ひつじや牛や鹿はよく見かけましたが農作業をしている人を全く見かけない日がありました。ちなみにニュージーランド政府のホームページで調べてみたら、1999年の統計で、ひつじは4570万頭、牛は乳牛と食用牛を合わせて890万頭、鹿は170万頭と出ていました。
 日本も100年後の22世紀の始めには、外国人を入れないときは人口が半分以下になると予想されています。23世紀始めには今の5分の1くらいになるのではないでしょうか。その時、環境がきれいになるか、あるいはゴーストタウンや空家や廃屋ばかりになるかは私達の子孫の取組姿勢にかかっています。

2.豊かな自然と環境保護への取組み
 ニュージーランドの魅力は何と言ってもその素晴らしい自然です。人々はこの素晴らしい環境を守るためにさまざまな工夫と努力をしています。短い滞在期間に感じたことをまとめてみましょう。
 まず驚くのが入国の際の食品の持ちこみルールの厳しさです。入国カードで口に入るものはたとえ薬であっても申告する必要があります。今まで、アジアに行く時はお酒のつまみや日本酒をバッグに入れて持ちこんでいました。ところが今回は添乗員から前もって食べ物はダメ、日本酒も税関の担当者次第で没収されるかもしれないと言われたため持ちこみはあきらめました。もし持ちこみ禁止のものを申告せず見つかった場合は200ドル(約1万2千円)の罰金を取られます。
 人の入国についてこれだけ神経を尖らせているのを見ると、おそらく物の輸入についてはもっと厳しい検査が待っているのではないでしょうか。家畜や農産物や土壌などに影響のあるものはまず入口で制するという考えが徹底している感じです。ニュージーランドは狂牛病や口蹄疫は発生していませんとガイドが言っていましたが、ニュージーランドの牛が牛骨粉など食べさせないで草しか食べないという理由だけでなく、病気の侵入にもきちんとしたガードがなされているためではないかと思います。また、ワナカ湖でモーターボートに乗ったとき、船長がこの湖にはブラックバスのような資源を荒らす魚はいないと言っていましたが、ブラックバスを持ちこむのは至難のことだとうなずけました。もっともブラックバスなど持ちこまなくてももっと豪快な釣りが楽しめそうです。
 釣りについて言えば、フィヨルドランド国立公園をバスで走行中ガイドさんから聞いた話は以下の通りです。ライセンス(入漁料)なしの釣りは禁止。えさ釣りは禁止でルアーかフライフィッシンしかできない。35センチ以下の魚は必ずリリースする。違反者は最高5000ドル(30万円)の罰金とのことでした。これが国立公園内だけの話かニュージーランド全体の話かは聞き漏らしましたが、日本の釣り人のマナーの悪さと比べると自然を守りながらスポーツを楽しむ配慮がうかがえます。
 今回のニュージーランド観光ではマウントクックとミルフォードサウンドという2つの世界遺産を観光しました。マウントクックではオプショナルツアーで14人乗りの小型飛行機に乗り、空から壮大かつ広大なマウントクックやミューラー氷河を眺め、ミルフォードサウンドでは遊覧船からフィヨルドの絶景を眺めながらクルージングを楽しみました。そこには人間の営みからもたらされる風景と無縁な自然そのままの光景がありました。ミルフォードサウンドへ行く途中、フィヨルドランド国立公園の中のトイレに立ち寄りましたが、入口に募金箱がおいてあり1ドル(約60円)を入れるようになっていました。排泄物をヘリコプターで運んで処理する費用に当てるためだそうです。日本の尾瀬ヶ原でも予約のない宿泊は出来ないとか、毎日はお風呂を沸かさないとかの規制はしているようですが、排泄物を運んで処理するという話はありません。ニュージーランドの自然保護はまさに「ほんまもん」でした。
 クライストチャーチは庭園都市と言われていますが、電線を地下に埋めて電柱はありません。牧場や丘陵には西部劇に出てくるような小さな電柱が立っていましたが、都市部は出来るだけ電柱をなくすようにしているようです。
 環境保護というにははばかられますが、各地でニュージーランドの原住民のマオリ族とマオリ文化の保護に力を入れていました。ロトルアではマオリ族のショーを見ながら夕食をとりましたが、これはオーストラリアのアボリジナルに該当する原住民で、独特の生活習慣や文化を持っています。オールブラックスが試合開始の前に踊るダンスもマオリの戦いの雄叫びをとり入れているようです。

3.スポーツとアドベンチャーの国
 ニュージーランドはバンジージャンプ発祥の地です。バンジージャンプは足にゴム製のロープを巻いて橋の上から飛びこむスリル万点のスポーツです。バスの中でツアーディレクターの遠藤さんから「飛ぶ希望者はいませんか」と声がかかりましたが誰も手を挙げません。遠藤さんは2回飛んだ経験があり、「結構怖いですよ」などというコメントがあったのでよけいみんなしりごみです。見るだけみてみようとカラワウ川にかかるバンジーポイントでバスを止めました。橋から川の水面までは43メートルあり、見下ろすと高所恐怖症の私にとっては恐ろしい眺めです。
 ちょうど中国人らしき団体客の2人が飛ぶところでした。一人目のジャンパーは怖いのか橋の上でもぞもぞしています。係の人に押し出されるように足から先に飛びおりました。それでも観客からは大拍手が送られました。2人目の人は大きく手を広げて格好よく飛びました。後で聞いたところでは私達の3台のバスの添乗員の一人が飛んだそうです。やはり1度は経験しておかないと真に迫った説明は出来ないのでしょう。大変な仕事です。
 ニュージーランドはスポーツとアドベンチャーの国です。ホテル備え付けのパンフレットはバンジーの外にも、スカイダイビング、パラグライダー、ラフティング(激流川下り)、ジェットボート、グランドトラバース(小型機での遊覧飛行)、トランピング(トレッキング)、フィッシングなどの案内がほとんどでした。
 ご存知のラグビーのオールブラックスは国民の誇りです。どこのお土産店でもオールブラックスのグッズがど真ん中を占めています。ここ数年お隣りのオーストラリアに世界一の座を譲っているのが残念でならないようでした。
 アドベンチャー・スピリットはバスの運転にも現れていました。ニュージーランドには日本のような高速道路はありません。その必要がないのです。一般道路の制限速度が100キロです。人口が少ないため渋滞はほとんどありません。ツアー期間中にバスで580キロを走った日が2日、540キロを走った日が1日ありましたが、いずれも予定時間より早く目的地に到着しました。60歳をはるかに超えている感じのバスのドライバーはとにかく飛ばしました。クイーンズタウンのワカティブ湖をはるかに見下ろす湖畔の道路は満足なガードレールもないような山岳道路で、悪魔の階段というニックネームがついていますが、そこを100キロ近いスピードで飛ばすのです。ハンドル操作を誤れば湖底に真っ逆様に転落します。ローラーコースターに乗っているようなスリルあるバスでした。
 私がアコムで教育部の顧問をしていたころ、ニュージーランド産まれの研修に参加したことがあります。ニュージーランドのグリーンベレーのような特殊任務の部隊に所属していた軍人が除隊して始めた研修で、日本の商社マンがたまたまそれに出席し、内容の素晴らしさに感動して退社し、日本版に焼きなおして始めた研修でした。私が出たのはデモ用の短縮版でしたが、屋外での行動をベースに、団体行動から何かを掴み取る内容でした。本番の研修はロープを使ってのロッククライミングや河渡りなどが組みこまれ、戦略とかリーダーシップとか意思決定などを養成するコースになっていました。ニュージーランドに来てアドベンチャーが日常茶飯事なのを発見してそのルーツに触れ、なるほどと感じ入った次第です。

4.日本人好みのニュージーランド観光
 ニュージーランドの観光客は日本人がトップを占めているそうですが、もともと人口が多く、しかも海外旅行が好きな日本人が、観光客のトップを占める国はニュージーランドだけではないでしょう。過去の数字から見るとニュージーランドはあまり脚光を浴びていませんでした。
 平成13年の観光白書によると、観光、業務、学術研究・留学などを含んだ平成12年の日本人の海外渡航先は下記のようになっています。
順番渡航先人数(万人) 
アメリカ507.4 
韓国238.7 
中国146.8 
タイ88.6 
台湾84.5 
香港81.1 
オーストラリア70.0 
シンガポール58.5 
イタリア45.2 
10インドネシア44.4 
11イギリス40.2 
12フランス38.9 
13カナダ37.4 
14フィリピン35.3 
15北マリアナ35.1 
16ドイツ33.6 
17マレーシア26.8 
18スペイン16.2 
19スイス14.8 
20ニュージーランド14.3 
以下省略 
合計1781.9 
観光81.8% ┐ 
業務15.0% │ 
学術研究・留学1.7% ┘ 
各国別の割合は不明
なお対前年成長率はニュージーランド
は上記20カ国中17番目でした。
 しかし、少なくとも同時多発テロなどの影響もあり平成13年および14年は、ニュージーランドへの観光客の国別のシェアは大幅に増えることになるのではないでしょうか。それだけでなく私の直感ではニュージーランド観光はここ2年といわず、これから着実に増えるのではないかと感じています。
 なぜかというと日本人好み、それも中高年好みだからです。私の独断と偏見で増加する理由を考えて見ました。
@日本人好みの豊かな自然と美しい風景がある。
A若者むきのビーチはないが、山や湖があって中高年にブームのウォーキングやハイキングと共通するところがある。
Bアジアと違って猥雑さがなく日本人の好きな清潔さがある。
Cアメリカやヨーロッパに比べると時差が夏でも4時間と比較的少なく楽である。
Dアジアやヨーロッパやアメリカに比べて比較的安全である。所持品に神経を使うことが少なく、夜道も一人で歩ける感じ。
E土産物の品質が良い。また値段の交渉に神経を使わなくてよい。
F南半球で季節が逆のため日本の冬にベストシーズンとなる。他の観光地との競合が少ない。
G他の観光地を廻り尽くした中高年が増えてきている。次はニュージーランドにでもという人が増えるのではないか。
Hニュージーランド観光を悪く言う人はいない。口コミで良さが伝わる。
I旅行業者もニュージーランド観光に力を入れてきている。
 この予想が当たるか当たらぬか来年以降の観光白書が楽しみです。


わかりにくい介護保険

 一昨年4月に介護保険制度が導入されてから約2年たちました。日本の社会保障制度の一つとして定着しつつありますが、一方ではいろいろ問題点も出てきています。その一つが介護保険はわかりにくいということです。
 65歳になると全員介護保険の第1号被保険者になります。私にも誕生日の数か月前に我孫子市役所からピンクの「介護保険被保険者証」が送られてきました。「とうとう来たか」という感じでした。今までの第2号被保険者はただ保険料を負担するだけの被保険者でしたが、これからは要介護や要支援になると介護サービスを受けられるのです。
 介護保険証の裏には13項目に渡る「注意事項」が書かれています。それを読むとこの保険証は実際に介護サービスを受けるときに使うもののようです。しかしサービスの受け方は保険証の注意事項を読んだだけではさっぱりわかりません。そのときは市役所の介護支援課に連絡して教えを乞う必要があるようです。保険証はしばらくは使わないのでしまいこんでおくことにしましたが、いざ使うときにどこにしまったか覚えておく必要があると感じました。
 誕生日がすぎた直後、今度は介護保険料の納入通知書が送られてきました。40歳から64歳までは健康保険料と一緒に払いますが、65歳からは年金から引かれることになるのです。ところが納入通知書で金融機関から振り込めというのです。わかりにくい同封の書類を読むとどうやら10月までは振りこまなくてはならないようです。
 ところが保険料が計算と合わないのです。私の計算では一月3991円なのですが、2月に6000円、3月に5900円払えというのです。納得がいかないので市役所の介護支援課に行って説明を求めました。そこでやっとわかったことは、本来なら3ヶ月に分けて請求するところを、請求が間に合わなかったので2か月で払うように請求したとのことでした。同封の資料にはどこにもそんなことは書いてありませんでした。
ただでさえわかりにくい介護保険を、行政当局が一層わかりにくくしているのではないかと感じました。
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