今年最後のテーマは「クレームを認めてもらう」です。
 20数年間取引のある大和証券がちょっとしたミスをして損害を受けました。今の株安で生じている含み損に比べるとささやかな金額でしたが、筋が通らない話だったためにクレームをつけました。そして約半年間粘ったすえ、何とかこちらの言い分を通すことができました。かかった労力を考えると元が取れたとは思いませんが、気持ちの上ではすっきりしました。
 大和証券は最初はクレームに対する処理に真剣さが足りませんでしたが、私が社長宛に手紙を出してからは誠意を持って取り組んでくれました。大和証券としても些細な問題に多大な労力を投入したことになります。最後はうまくいってお互いシャンシャンと手打ちをして終わったという感じです。
 長くなりますが両方で交わした文書を中心に事件の顛末をまとめました。文書は住所等の重複部分だけ省略してそのまま載せています。そのためいつのも4ページが6ページになってしまいました。申し訳ありません。最後までお付き合いくださいますようお願いいたします。

1.トラブルが発生し大和証券へ手紙を出す

 何が起こったのか、まずは私が大和証券に出した手紙をご覧下さい。
 トラブルの内容もお読みいただければご理解いただけると思います。


平成14年1月15日
(株)大和証券グループ本社
  社長 原良也 様
千葉県我孫子市若松151−3
新田良昭
 拝啓 御社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 私は日頃大和証券柏支店でお取引いただいており、またわずかな株数ですが大和證券グループの株主として御社の発展をお祈りしているものです。
 御社とのかかわりは、私が以前勤めていた日本アイ・ビー・エムで、昭和49年頃システム課長として御社の第2次オンラインシステムの構築を担当させていただいた時からで、たしかその頃、米国アイ・ビー・エムの株が御社が幹事会社になって日本の株式市場に上場されたと記憶しております。私も社内持株会を通して御社とのお取引を開始いたしました。以来約28年のお付き合いとなっております。
 今回お手紙を差し上げましたのは、最近御社との取引上で大変不愉快かつ不可解な取扱を受けたことです。その経緯をご理解いただき、ぜひご検討いただきたいと考えたからです。この問題は、単に1営業店の1営業担当者の問題ではなく、大和証券として顧客サービスの根本にかかわる問題であり、セールスマン教育や管理システムの改善にもつながる問題であると考えます。
 以下に事件の経緯と質問を述べますので、ぜひ社長にお目を通していただき、今後の改善を図っていただくとともに、質問に対して文書でご解答くださるようお願い申し上げます。なお過去の年度等は、書類が残っておらず記憶に頼っているため多少のずれがあるかもしてませんが、取引そのものは間違いありません。
(経緯)
 昨年11月の月次報告書をチェックしていた時、身に覚えのない取引が記載されているのに気がつきました。中国ファンドから10万円が差し引かれて、青山商事の株を累積投資で購入したことになっていたのです。
 最初気がついた時はなにかの間違いではないかということでした。そんな注文をした覚えは全くないからです。早速担当のセールスに電話して間違いと思うので調べて連絡して欲しいと依頼しました。
 返事は中国ファンドから毎月10万円を累積投資で青山商事を購入することになっており、中国ファンドに入金されたので、自動的にその取引が実行されたためということでした。それを聞いたとき、暗闇でいきなり闇討ちに遭った感じでした。
 書類は全部処分してしまったためはっきりした日にちはわかりませんが、たしか平成5年のころ、大和証券柏支店の窓口の女性に勧められて累積投資というのを始めました。当時青山商事が流通業界で注目を浴びており、たしか株も1株当たり6千円を大きく上回っていました。累積投資という新しいやり方なら少額で青山商事の株が買えるというのです。中国ファンドから毎月10万円を投資することにしました。何か月か続けているうちに株が下がり始め、中国ファンドの残高もなくなったためそこで累積投資は自然ストップという状態になりました。そのとき窓口の女性からは累積投資を止めるかどうかの話はありませんでした。株のほうも売るタイミングを失してそのまま塩付けになっていました。
 そして平成10年、退職を機会にやはり窓口の女性と相談してそれまで持っていた幾つかの株をいったん売って、新しい株の買いなおしをすることにしました。結局青山商事の株は下がったまま損を覚悟で処分をしました。そのときも累積投資を解約する話は何もありませんでした。私は解約しないと将来累投が復活するなどとは夢にも思わず、期待外れの青山商事とはこれでさっぱりと縁が切れたとさばさばしたものです。最初累投を開始したとき、解約しなければ契約が残るなどという話は全く聞かされていなかったのです。
 そして昨年、柏支店の営業担当者から公社債投信のアタックスリーが利回りが極端に悪くなったので、中国ファンドに変えたらという申し出があったとき、アタックスリーの満期を待って中国ファンドに変えました。マイカルやエンロンの事件があって元本割れの公社債投信の話を聞くたび、良い申し出だったと思っていました。
 ところが冒頭にお話した青山商事の累投が復活したのです。アタックスリーを中国ファンドに替えるとき、担当者からは累投が復活するという話はいっさいありませんでした。担当者も気がつかなかったと言っています。顧客ファイルの画面に累投の契約が出てこないのかと聞いたところ、通常の画面には出ないという返事が帰ってきました。
 私のところには毎月の月次報告と3ヶ月に1回資産管理報告書というかなり詳しい資料が送られてきます。ところがそのどちらにも青山商事累積投資の契約が残っているということは出ていないのです。何のための資産管理報告かわかりません。

 担当者からの返事を聞いて、早速これは大和証券のミスだから取引はなかったことにして欲しいとクレームをつけました。「解約をしないと、中国ファンドを購入したときは、はるか昔の契約が動き出す」などということは知るよしもありません。大和証券の担当者すら気づかないことを、素人の顧客が分かるはずがありません。エイズの事件のとき、厚生省のお役人の「不作為の罪」が糾弾されました。やるべきことをしなかったのが罪に問われたのです。今回は明らかに不作為の罪が大和証券側にあると感じました。
 しかも、今までの取引を振り返ると、大和証券から私に説明すべきタイミングが3回ありました。最初の中国ファンドの残高がなくなり累投がストップしたとき、青山商事の株を処分したとき、昨年11月に中国ファンドを購入したときの3回です。そのいずれでも説明はありませんでした。不動産取引には重要事項説明という罰則つきの義務があります。訪問販売には契約を解除できるクーリングオフという制度があります。なぜ証券会社の窓口でやるべきことをやらなかったことにはお咎めがないのでしょうか。

 私のクレームに対し柏支店の投資相談課の次長と営業担当者が自宅に来られました。お詫びではなく事実関係の確認という名目でした。今までの経過をこまごまと聞かれました。中国ファンドを再開するときに、累投が残っているという説明をしなかったのは申し訳ないが、今となっては法律でどうすることも出来ないというのがそのときの説明でした。暗に法律で決まっているのだからあきらめて欲しいというのが大和証券の言い分でした。
 総会屋の小池事件(法律と事件とどちらが先かは知りませんが)やそれ以前の損失補填が問題となって法律が改正されたのは知っています。しかし法律の主旨は悪意ある顧客に対して特別の利益供与をしてはいけないということであって、善意の顧客に対して、証券会社がミスをしても法律を盾に何もしてはいけない、放っておくしかないということではないはずです。
 今回の取引の損害は1月11日現在、株価下落によって10万円が約3分の2になっています。金額からすれば大した損害ではありませんが、私が問題にしているのは損害額ではなく、その問題に対する大和証券の理不尽な態度なのです。
 こんな態度をとっている以上、証券業界の古い体質は少しも変わっていません。顧客サービスとはどうあるべきかを理解していないのです。営業マンは新しい取引をするとき、目論見書を送るからそれまで待って欲しいといいます。分かっているから目論見書はいらないと言っても、規則だからといいます。本当に顧客が知りたいことを知らせず、法律で決まっているからといって形式だけで決められたものを送るのはサービスでも何でもないのです。自分たちの責任逃れでしかすぎません。
 以前日本アイ・ビー・エムで大和証券担当のシステム課長をしていたとき、当時のIBMのハードやソフトの不備でいろいろご迷惑をおかけしました。当時の大和証券の部長さんから何度もお叱りを受けました。当時はIBMのビジネスのやり方もお客様よりも社内のほうを向いているところもありました。私達は社内のルールを守りながらも、何とか問題を解決しようと、営業、SE、CEが一丸となって色々な提案をしたり、代りに徹夜をしたり、精一杯誠意を示して問題を解決するよう努力しました。
 営業にとって顧客からのクレームはまたとないチャンスです。そこですばらしい対応をすればかえって相手からの信頼が増します。私は退職後も社員教育の仕事を続けていますが、いつもこのことを生徒に声を大にして訴えています。
 今回失望したのは、ミスを認めていながら大和証券側から何ら具体的な提案がなかったことです。別に法律違反をしろと言っているのではありません。専門家として良い方法を考えて教えて欲しいと言ったのですが、何もありませんでした。
 柏支店の支店長が見えたとき、こちらのほうから「市場で起こった問題は市場で解決するしかないでしょう。株価が損しない額に戻ったとき売却するから、常に値段をウォッチして元がとれるようになったら知らせて欲しい。」と逆提案をしました。こちらがそこまで折れてくると思わなかったので提案が出来なかったのかもしれませんが、お粗末です。  こんなことをしていて、本当に株式市場にお客が戻ってくるのかと、よけいな心配をしながらこの手紙を書いています。

(質問)
 以上長々と事の顛末を書いてきましたが、下記の質問に文書でお答えくださるようお願いいたします。質問は被害者としての立場と株主としての立場からしております。
1.今回の累積投資の取引発生について、大和証券としてミスを認めますか。
2.ミスと認めるなら、今回の取引をなかった事にしてもらえますか。
  ミスを認めないなら、過去3回のチャンスに説明をしなかったのはなぜですか。説明は不要と考えているのですか。
3.「月次報告書」や「資産管理報告書」に累投の契約が残っている事を記載しないのはなぜですか。記載するよう改善するつもりはありますか。
4.窓口の端末表示画面を操作しやすいものに替え、担当者に対し警告や注意喚起を出すよう改善するつもりはありませんか。
5.顧客サービスについてセールスマン教育は行っていますか。行っているとしたら、どんな内容をどんなタイミングで行っていますか。
6.大和証券として顧客サービスはどんな点を重視して提供していますか。
 以上長文の手紙になってしまいました。大和証券にとってはとるに足らぬ些細なことかもしれませんが、小さな問題だからといって放って置くと大きな問題に発展する可能性があります。特に顧客サービスをどう考えるかは会社にとって根本の問題です。ぜひ質問に対してご解答くださるようお願い申し上げますとともに御社のご発展を心からお祈り申し上げます。
 なお最後に、3年前御社の株主総会に出席したときの記録を送らせていただきました。過去4年間に7社の株主総会に出席しましたが御社の株主に対する姿勢は2番目に評価できるものでした。ぜひ顧客サービスに結び付けていただきたいと思います。
敬具
添付:手賀沼通信第17号
写し:柏支店支店長 菅野政仁 様
   IR室長 大西敏彦様

 写しを柏支店の支店長とIR室長(株主に対していろいろサービスをおこなう部門)に出したところ、早速支店長とCS推進部長から電話がきました。顧客サービスに関する問題なのでIR室でなく、CS(カストマーサービス)推進部が対処しているとのことでした。
 文書で回答しますとの返事がありました。

 実はこの問題が発生してから手紙を出すまでに、私と大和証券柏支店の担当営業および支店次長とはいろいろやり取りがあり、累積投資の2回目の取引はぎりぎりのタイミングで中止し、累積投資の契約は解除しました。したがって青山商事の株を買ったのは1回10万円だけでしたが、株価の急落でわずか1ヶ月の間に3分の2の値段になっていました。

 なお累積投資(累投)という言葉は聞きなれない方が多いと思いますので、念のため解説を入れておきます。
 『累積投資とは毎月決まった金額(1万円以上千円単位)を指定した口座から差し引いて、指定した株式の銘柄に投資する方法です。高額の株を少ない資金で購入できるように作られたシステムと言えます。またリスクも分散されます。』
 バブルで株価が高騰していた頃に少ない資金で高額の株が買えるよう証券会社が考えた出した方法です。
 ちなみに私が証券会社の窓口ですすめられて青山商事の累投を始めた頃は1株6千円を越えていました。通常の取引を行うには6百万円以上の資金が必要でした。

2.大和証券から回答が来る

 10日ほどたってから大和証券から下記のような回答が届きました。


平成14年1月25日
新田良昭様
大和証券株式会社
CS推進部長 谷口英幸
拝啓 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 今回の件につきまして、新田様には大変ご迷惑をお掛けしたことを深くお詫びすると同時に、貴重なご指摘をいただき感謝申し上げます。対応部署として私が回答させていただきます。
 私どもCS推進室は、このような時代にあって、まさしく新田様のご指摘の通り、顧客満足度の向上を目指し、お客様からのご意見やご指摘を経営に活かしていくための部署でございます。お手紙の中でも本質的なサービスのあり方、クレームに対する考え方や対応について触れておられましたが、これらのことは私どもが目指すものであり、そのために鋭意努力を続けているところでございます。
 さて、お手紙をいただいた後、ご指摘に関する項目について関係部署と協議致しましたが、ご質問に対する回答の中で結論まで至っていない部分があることをお許し下さい。

 それでは、6つのご質問について、順を追ってお答えいたします。
 1のご質問について
 柏支店と連絡を取り、あらためてヒアリングを行いました。新田様ご指摘の3回の説明の機会に、当時の担当者は説明を行ったのか、と言う事実確認を行うためです。現担当者は累積投資の契約が存在しているという事実を知らず、当然説明はしていないということでしたが、平成5年と10年当時の二人の担当者は覚えていないということでした。従いまして、説明を行ったという確認は取れませんでしたが、証券営業に携わる者として少なくとも現担当者は説明すべきであったと認識しております。
 2のご質問について
 新田様からのお申し出に対しまして、昨年、柏支店を通じて回答させていただきましたが、今回、再検討しております。現状回復を行うためには、現在の証券取引法では、行政当局との兼ね合いもあり弊社の一存でというわけにはいかないところがあり、今しばらく検討のためのお時間をいただき、結論が出ましたらご返事申し上げます。
 3のご質問について
 月次報告書は今月から取引残高報告書に切り替わっておりますが、契約されている各種の項目を取引残高報告書又は資産管理報告書に記載することについて、改善の結論までには至っておりません。
 4のご質問について
 こちらにつきましても、上記3同様、改善の結論には至っておりません。
 5のご質問について
 弊社はコーポレート・ブランドの構築を目指しておりますが、これはとりも直さずCS向上への取組でもあります。このための集合研修は役員から新入社員に至るまで継続的に実施しており、さらに社員の商品・業務知識の向上のための研修も実施しております。又、お客様の声をおうかがいするための相談窓口を本社に設置しており、その声を営業に活かす体制を敷いております。
 6のご質問について
 それぞれのお客様のニーズや状況にあったアドバイスを行うこと、また変動商品を扱っていることから、購入していただいた後のアフターサービスのための情報提供をしっかり行うことを意識しております。いずれに致しましても、お客様の立場に立って行動することが、特に大切だと考えております。

 以上の回答につきましては、新田様に十分満足していただけるものではないかもしれません。しかしながら、個人投資家が安心して参加できる証券市場を築くため、その担い手である私どもの責任は非常に大きいと考えますし、そのための顧客サービスの改善を絶えず続けていく所存でございます。
 最後に、新田様におかれましては寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
敬具
 届いた回答は、肝心の質問2の青山商事の株を購入したことをなかったことにして欲しいという現状回復の要求については、もう少し待って欲しいということでした。損失補填は過去大口客や総会屋に対して行っていたのですが、その事実が発覚してから、法律で厳しく禁じられました。待つしかないと腹をくくりました。
 なお自社のコンピュータシステムの変更はその気になればやれる筈ですが、今回はタイミングが悪かったのでしょう。次の機会に改善されることを期待するしかありません。

3.損失を確定する

 最初の手紙を受け取ってから約1ヶ月後にペンディングになっていた現状回復についての手紙が届きました。その間も柏支店の管野支店長からは、時々経過報告の電話がかかってきていました。大和証券にとってこの問題は前例がない初めてのクレームとあって、CS推進本部と支店とで真剣に取り組んでおり、一つのモデルケースになっていたようです。全店に情報を流し研修にも取り上げているということでした。
 以前なら支店で数万円出せばすむゴミのようなクレームだったのでしょうが、損失補填禁止の法律が出来てからは些細な金額でも、顧客の損失を補填するわけにはいかないのです。
 以下が2度目に届いた手紙の内容です。


平成14年2月28日
新田良昭様
大和証券株式会社
CS推進室長 谷口英幸
拝啓 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。  先日、手紙にて回答いたしました2のご質問につき、あらためてお応えさせていただきます。
 現状、証券取引法で禁じられている「損失補填」を合法的に実施し、現状回復するためには、証券事故として行政当局に対する「確認申請」を行い認可を得なければなりません。
 この申請を行うには、まず、現在保有されている青山商事の株式を売却し、損失を確定させる必要があります。その上で、新田様から弊社が「確認申請」を行う旨の確認書を差し入れていただき、行政当局に対して手続きを行うわけです。この場合、行政当局からの回答が出るまで通常3ヶ月〜6ヶ月程度を要し、必ずしも「確認申請」が認められるとは限りません。
 万が一、「確認申請」の認可が下りない場合には、解決の手段として司法による裁判(裁判、調停、斡旋等)に委ねるしかありません。
 何卒、現在の枠組みの中で解決を図るためには、こうした裁判を利用するしかないことをどうかご理解戴きますよう、お願い申し上げます。
敬具

 この問題の処理を行うためには、文面にもあるようにまず損失を確定することが必要でした。株を持っているままでは将来株価が上がるかも知れず事故にならないのです。損失を確定したらその事実とことの経過を大和証券より関東財務局に説明し、財務局のお墨付きをもらって、事故扱いとして差損金を私に支払うことが出来るのです。なお財務局の承認を得るには数か月かかる、また必ずしも承認が得られるとは限らないという話がありました。ただ承認が得られないときは、私のほうで当局に訴え出る方法もあるとのことでした。
 いずれにせよ株を売却して損を確定しなければなりません。
 電話で売却の話があったので、「文書でやりとりしながらすすめましょう。ついてはこちらはよく分からないので、私が出す文章を作って欲しい。」と依頼しました。
 その結果届いたのが下記の確認書でした。文章は途中までの経過説明と結論部分の結びつかない、歯切れの悪い文面でしたが、そのまま署名捺印して返送しました。

平成14年3月8日
大和証券株式会社
取締役社長 原良也殿
新田良昭
確認書
 平成13年11月8日約定で、中期国際ファンド10万円が定期引出されて、同年11月13日約定で買付けられた株式累投(買付銘柄青山商事)は、株式累投を全部売却した後も、株式累投契約・定期引出契約が継続されているところへ、中期国際ファンドの残高が発生した為定期引出がおこなわれ自動的に買付けられたとのことでありますが、承認できません。
 株式累投(買付銘柄青山商事)は平成10年7月に全部売却しましたが、その際、株式累投契約及び中期国債ファンドの定期引出契約は、当然解約されるものと認識しておりましたし、貴社の担当者からも株式累投契約及び中期国債ファンドの定期引出契約の継続・解約の意思確認はありませんでした。若し、意思確認があれば迷うことなく双方とも契約の解約を申し出ております。
 従いまして、株式累投を反対売買しその結果生じた差損金、ならびに定期引出される必要のなかった中期国債ファンドの分配金等を、貴社が処理されることについて異議のないことを確認いたします。平成13年11月8日約定で、中期国際ファンド10万円が定期引出されて、同年11月13日約定で買付けられた株式累投(買付銘柄青山商事)は、株式累投を全部売却した後も、株式累投契約・定期引出契約が継続されているところへ、中期国際ファンドの残高が発生した為定期引出がおこなわれ自動的に買付けられたとのことでありますが、承認できません。
以上

 早速10万円で買った株の売却が行われました。端株で1株以下の端数も出ていたはずですが、累投の保管料も含めて、22,686円の損が確定しました。
 あとは待つだけです。

4.クレームが認められる

 最初の話では関東財務局から承認の有無の決定が出るには3〜6ヶ月かかるとのことでしたが、思いがけず早く結論が出ました。私が大和証券に確認書を提出してから、2か月あまりで承認が下りたのです。証券事故が認められたのです。
 最後の儀式として大和証券と私との間で以下の確認書を交わしました。


確認書
 新田良昭(以下「甲」という)と大和証券株式会社(以下「乙」という)とは、甲乙間の有価証券取引により生じた差損金に関し、事故確認書を提出し、関東財務局長の認可を得ましたので次の通り確認した。
1.乙は甲に対し、平成14年5月15日限り、有価証券取引により生じた差損金として、金22,686円を支払う。
2.甲は、前項の金額を受領することを条件に平成14年5月15日迄のすべての取引に関し,今後一切異議申し立てをしないことを確約した。
平成14年5月15日
甲 氏名 新田良昭
乙 氏名 大和証券株式会社柏支店
     支店長 菅野政仁

 昨年11月に事件が発生してから約半年かかりましたが、やっとこちらのクレームが希望通りに処理されました。
 途中大和証券の対応に腹の立つこともありました。また、わずかな金額のため何をばかなことをしているのだろうと迷うこともありましたが、終わったときはすっきりした気分になりました。大和証券の取組姿勢にも大変満足しており、感謝しております。
 皆様には私ごとに最後までお付き合いいただき申し訳ありません。

 今もう1つ楽しみに待っていることがあります。NHKのラジオ第二放送の放送時間の変更にクレームを出しています。
 今年の4月、英会話の放送時間が短くなり、夜10時55分終了のビジネス英会話と11時開始の英語ニュースの間に5分間の「残したいふるさとの言葉」という日本語番組が割り込んできました。私のクレームはその5分間の番組を他の時間に持っていって英語番組を連続させて欲しいということです。メールと電話で番組相談室にお願いしています。来年4月にはその5分間がどうなっているかが楽しみです。
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