今月は第78号の「年金制度はどう変わるか」に対し読者からいただいたメッセージをお送りいたします。
 お名前は省かせていただき、いただいた順番に、ノーカットでそのまま載せさせていただきました。半角数字は全角に変えさせていただきました。

 小泉内閣は郵政公社の民営化にはなりふり構わず取組んでいますが、年金についてはその後進展はありません。改革が一応決着したという考えなのでしょう。
 ただ、今回の改革は給付と負担のバランスをとったということで制度の抜本的改革には手をつけていません。内閣も与党も野党も年金の一元化については、その必要性は認めながらも互いの面子なのか、政治の駆け引きなのか議論の場さえ設けていません。
 社会保険庁はその後も年金資金の無駄遣いや汚職や支給ミスなどが続々と表沙汰になり、民間出身の長官もお手上げといった感じです。改革は掛け声ばかりでこれからどうなるか先が見えていません。
 今までほとんど報じられなかった厚生年金に比べて優遇されている共済年金の給付の現状も明らかになってきました。ここにも税金の無駄遣いがあります。
 そして10月から厚生年金保険料の引上げが始まりました。また日銀の発表によると来年の消費者物価は8年ぶりに上昇の見込みです。原油の高騰や中国経済の発展などを考えると長期的にも物価上昇の傾向が見えてきています。いよいよ物価は上がっても年金は上がらないという高齢者にとっては厳しい時代になりつつあります。
 老齢者控除の廃止や年金控除の引き下げも間近かです。
 今後とも年金についてはみんなで声をあげる必要があると思います。

 挿入した写真は手賀沼で撮った花の写真です。


「年金制度はどう変わるか」に対し読者からいただいたメッセージ 

以前一緒に仕事をしていた男性のご意見です。
 夢のまた夢でしょうが、税方式で1本にまとめられた制度になり、拠出額に比例した給付が実現できれば良いと思っています。
 過日郷里の老母(83歳)に年金制度の不満を漏らしたところ、「公的年金をあてにするような浅ましい子供に育てた覚えはない」と一喝されました。敗戦による国家破綻で国債や郵便貯金を一気に失い、田畑を小作に明渡した世代は肝が据わっています。いまだに自分で車を運転して現役でビジネスに励んでいます。共同経営者である私の妹(59歳)の方が、もう引退したいとねをあげています。

柏であけぼの会を主宰しておられる76歳の男性のご意見です。2度にわたってメールをいただきました。
 年金問題は5年毎に見直す事になって居ながら、肝心の所には触れずに来て了いました。多額の積立金があって、以前はこれの使い道に関心があったのでしょう。無駄遣いもあり、積立金に手をつける今になって慌てて居るのは政治の怠慢です。でも、批判・非難して居る丈では解決しません。問題点が浮かび上がった丈でも良かったと思います。
 民主党は三党合意破棄云々と言いますが、公党として公約違反は明らかだし、第一、参院選では自民党の失点で、漁夫の利を占めた丈に、積極的に協議を進めて行く立場でしょう。国民も今は冷静に見て居ますから、納得できる年金制度を確立して呉れる政党を支持します。納得すれば我慢の出来る国民です。自民・公明のみならず、民主も正念場に居る事を考えるべきです。岡田代表も2年後、10年後と言わずに直ぐやれる事を提案しては如何ですか。それが政権への近道です。将来の事は当たるも八卦ですから、誰でも、私でも言えますよ。
 年金問題は制度が複雑で理解し難いのは確かです。それは制度が多年に亘り継ぎ足し継ぎ足しでやって来たから、こんがらがって居るのでしょう。一遍に解決するのは全く無理ですから、一つひとつ解決して行く事です。大事な事はこの制度を壊してはいけない、何としても継続すると言う事です。
 給付と負担をどうするかですが、時の経済状態を見ながら、詰めたり伸ばしたりするのは致し方ない事で、給付を減らし、負担を増やすメドは必要、それが今回の改革法案で、それなりに意義があったと思います。少子化対策など、必要な事はどんどんすべきですね。
 政府の説明不足、国民の、特に若い人の理解不足と、それはそうですが、幾ら説明しても聞く耳を持たぬ者が居る事も確かなので、不払者には厳罰で臨むべきです。年金は損得でなく相互扶助ですから、しかも税金を30%、50%投入するので、損は全くありません。現役世代に比しての給付パーセンテージの低下は分母が増えて居るので余り心配しても意味はありません。消費税、目的税投入は必至ですが、小泉首相の言う任期中に上げないのは、それ以前に改善する事があるだろう、安易に増税に頼るなと言う事でしょう。
 社会保険庁は腐って居ます、元の地方自治体の保険料徴収にすべきでしょうね。民間からの長官の出現で段々に改革して行くでしょうが、積立金も取り崩して来ましたので、もう無駄遣いはなくなるでしょうし、厳にウオッチすべきでしょう。五輪競泳800決勝で勝った柴田選手の「焦らず、慌てず、諦めず」の精神で邁進しましょう。私もいつもこの精神を心掛けて居るつもりです。

いつも手賀沼通信にコメントを送ってくださる男性のご意見です。
 おっしゃるとおり、年金については法技術的な可能性よりも、年金の環境なり前提が大事だと思えました。何ゆえ厚生労働省が少子高齢化の趨勢をもっと早くから認識してこなかったか、それが奇異に思われます。多分、己の省益しか念頭になく自分が、国民のためにその存在根拠がある、ということを忘却していたのだろうと思います。
 彼らとて国民の一員として、親であり夫でありまた祖父であるはずですが、こと組織の一員として仕事をするときには、きれいにそのような属性はすっかり、すっぱり忘れ果てているのでしょう。
倒産や破産もなくまた競争相手もない特殊な世界で、彼らは何を思って仕事をしているのでしょうか。あのような世界で三十数年過ごして何を身につけ、何が感じられるというのでしょうか。平凡なごく普通の人間が国家権力を身につけるということの怖さを彼らは多分知らないのではないかと思います。
 年金改正というテーマはもうすでに遅きに失するという状態なのではないかと私には思えます。受給者の一人として、「入るを図って出るを制す」の格言に従い、出るを制すの局面で健康に注意し医療費の支出を極力抑制するしか方法がないのではないかと思っています。

あけぼの会で大変お世話になっている男性の先輩からのご意見です。
 私は国民年金受給してから約20年になり十分元は取れた筈ですが、最近物価指数が下がったとかで月額五万円を少し切るようになりました。最低限五万円で抑えて以下にはしないで欲しかったのですが、制度上止むを得ないものと諦めています。
 最近若い人たちが制度を理由に滞納しているようですが、国でやる事ですから人口問題もあると思いますが其の時になれば最善の方法を考えて対策を立てると思います。私たちも国民年金制度が始めて出来た時には、何かと理由をつけて加入を拒んでいましたが,今に成ってみれば加入していて良かったな、と思っています。

社会保険労務士で年金の専門家、年金に関する数多くの著書もある男性からのご意見です。私からの質問に対してお答えいただいた回答を一緒にまとめております。
 今回の改正内容は、兎角改正となれば「改悪」に通じますが、従来からもそうですが、必ず「改善」もあります。紙面の都合もあることとて割愛されたと思いますが、むしろ改善部分を活字にして欲しかったと思います。
改善された部分では
@30歳未満の第1号被保険者に係る「納付特例制度の創設」
 従来は低所得者であっても、所得のある親と同居している場合は、保険料の申請免除の対象から外されていましたが、今回親と同居の場合でも申請免除の対象になります。
A障害基礎年金と老齢厚生年金との併給
 障害を有しながら就労したことを年金制度上評価する仕組みで、新年金制度では同一の人が二つ以上の年金権がある場合、〔1人1年金〕の原則から、基本的には同一事由の年金を選択することになっています。特例的に老齢基礎年金と遺族厚生年金との併給が認められていますが、障害については全く認められていません。つまり、障害基礎年金の受給権者は老齢厚生年金との併給ができませんが、現実的な問題として障害基礎年金の受給者が、例えば〔人工透析〕を受けながら勤務している場合、当然厚生年金保険の被保険者として保険料は給与から天引きされておりながらそれが年金に反映されず、〔保険料の掛け捨て〕の感があり、公平さを欠く嫌いがあり、今回障害者の就労を評価し地域での自立した生活を可能にする観点からも、併給ができる仕組みとしたものです。
 障害厚生年金の額を計算する場合の被保険者期間は資格取得時から障害認定日まで、老齢厚生年金の額を計算する場合は資格取得時から資格喪失日となっているところに、ポイントがあります。障害認定日以後の被保険者期間は障害厚生年金の額には反映しません。しかし、老齢厚生年金の計算の場合は資格喪失日までのため、期間の点では長く計算上障害厚生年金よりも老齢厚生年金の方が多くなる場合があります。
B定額部分の被保険者期間の上限改定
 現行の定額部分の計算では、被保険者期間が37年(444月)の頭打ちがあります。仮に被保険者期間が40年(480月)の人でも、37年で計算されています。しかし、40年加入のモデル年金が発表されていますが、37年の頭打ちがあり整合性が問われる結果となるため、上限の改正となり、すでに受給している者の中で今回の改正により、思わぬ年金額増額の喜び組みも出るものと思います。

台湾と中国の会社を相手にコンサルタントをやっておられる北柏在住の男性からのご意見です。
 アビスタでの講演会に行きたく、準備していましたが、急な仕事で参加出来ず残念でした。相変わらず、細かいところは、何回聴いても分からないところがあります。
2点だけ:
1)年金の財源はどうやっても不足でしょう。欧米諸国のように(全部がそうか?は調べていません)、消費税をある程度増やし、税金を財源にすべきでしょう。そして、皆が安心できる年金制度にすべきではないでしょうか。
2)社会保険庁の改革は断固、早急に行うべきです。解体しかないでしょう。解体すれば、郵政民営化にも良い影響を与えるでしょう。

千葉県生涯大学の同窓生の男性からのご意見です。
 先般の講演のときは所用があってじっくり拝聴できなかったのですが、今回の資料改めてゆっくり読ませていただきました。小生の実感ですが(同世代は殆どそうだと思います)、年金受給者である我々の関心事はやはり受給額がどの程度減らされるのか、の点に尽きるのではないかと思います。その点、資料の詳細な説明で良く理解でき、その結果、実に暗澹たる気持ちになりました。曲者は、
@スライド調整率(0.9%)の存在
A持ち越し物価下落率(1.7%)の処理の仕方です。
 @については明かに年寄りに我慢してもらおう,の意志がみえみえ、Aについては過去の下落率の調整をなぜ今持ち出すのか(これまで次回改正時には調整しますとはっきりいっていたか)、要するに給付総額を押さえる為に小手先のいじめをやっている、としか思えないのである。とりとめのない感想ですがお許し下さい。

タウン誌に自分史を連載されておられる男性からのご意見です。
 正直、現行の受給者である私たちに及ぶ影響が少ないものと、ついつい思いがちで、私の勉強不足を今更嘆いています。
 私は民主党案(消費税を新設し目的税とする)を支持する方向ですが、加算分のスエーデン方式、所得比例方式が漠然として良く分かりません。
 年金改革に関する提案ですが、私としては全体的にバランスの取れた私の意見は無理のようです。一部分に捉われての意見は、全体を見誤る危険性があります。私からのせめてもの提案ですが、今一度、新田さんの知識をお借りして、読者にQ/Aのアンケート方式で、読者の見解を集約してみて、後日発行の通信に、その結果を発表してはいかがでしょうか?

高知県で「土佐一人新聞」を発行しておられる男性からのご意見です。
 実は私の長兄から下記のようなメールを貰いました。人口構成上の不合理をどう解決つけるのか、この点が手賀沼通信には有りませんが、どうすれば良いのでしょうかね。
 年金問題。基本は世代間不公平なんです。掛け金を払っていない年寄りに年金を払いすぎて財布がからっぽ、若い人たちはいわれたとうりに掛け金を払っても今説明されている年金は将来もらえるはずがない(人口構造の急変が不公平を増幅する)。払えなくなったときに大増税しても(納税者は激減している。)ときすでに遅しです。兄の言う国が成り立たないということなんです。
 大雑把なはなしとして「年よりは掛け金より多く年金をもらい、中年者はかけたぐらいもらい、若者は掛けただけもらえない」という構造なのです。少ない人から大増税して払うわけですから、掛けた人も、掛けない人も、損なのです。そのころはもらいすぎた老人は死んでいて税金は取れません。気の毒です。

中国蘇州大学で日本語教師として活躍しておられる57歳の男性からのご意見です。
 年金制度への感想ですが、分りやすくまとめていただいたので、
・年金改革の特徴
・年金改革の概要
・問題点
はよく分りました。ただ、年金をとりまくいろいろな点がまた不勉強なため、年金全体の理解が曖昧です。

 以下はいくつかの雑感をつづってみました。
 小生は現在57歳でが、厚生年金の給付率が年平均0.9%減額とあります。先日、社会保険事務所に将来の年金を問い合わせまてみました。支給額にはこの減額も算定されていると思いますが、今後のスライド調整率とこの0.9%はどの程度乖離するものなのか、不安になります。
 また、今回の解説にはありませんでしたが、老齢年金の支給にしても、60歳からもらえる特別支給の厚生年金と65歳からの老齢厚生年金、老齢基礎年金との関係もよく分りません。特別支給分は必ずしも貰わなくても好いようですが、今後の減額を考えると早く貰っておいたほうがよいのではと考えます。
 細かい疑問は別にしても、日本の年金の話を聞くにつけ、不安になります。ちょうど我々の世代を頭に、それ以降10年間の世代(1945〜1960年生まれの世代)がこれまでの年金制度にそってせっせと給与から年金を支払ってきたのに、制度が変わり、もっとも損害が大きい世代ではないかという被害者意識があります。
 先の将来の年金支給額でいえば、65歳からの支給は年間200万円程度で、月平均で20万にも届きません。会社にいるときには、もっと払っていた、あるいは、現役世代の年収の50%としてもこんなものではなかったと、なんとなく割安な感じです。一度、80歳までの寿命を想定して、支払い金額はどれくらい、支給金額はいかほどと差引勘定をしてみないと、この被害者意識は払拭されないかもしれません。
 また、最近よく考えるのですが、仮に85歳まで生きるとして、その時に必要な費用はどれほどなのか、健康保険や介護保険を含めて考えないと年金の評価は難しいようです。完全に子供が独立したとすれば、60歳、70歳の生活費は夫婦でどれくらいかかるのか。その時の一番大きな問題は、おそらく医療費でしょうが、医療保険の支払いはどの程度で、どれくらいの自己負担を考えておけばよいのか。不勉強で、まだ医療保険についてもはっきりと調べていませんのでその実態が分りません。そのため、今一つ、月額20万円弱の年金といわれてもその場になってみないと、少ないのか多いのかよく分らないというのが実感です。
 現在の問題点でなんとなく腹立たしいのが国民年金の納付状況です。14年度の62.8%とありました。また被害者意識ですが、会社の給与から天引きされた我々の厚生年金が年金統合などで、どんどん食い物にされるのではないかと心配です。
 最後に、これも年金を知らないゆえの質問ですが、厚生年金の支払いが25年に満たなかった人や国民年金の未納者は高齢時に年金をもらえるのですか。それとももらえず、これらの人達の救済は「公的扶助」の社会保障の範疇に入るのですか。わざわざお答えいただく必要はありませんが、今後の年金の話題で関連があれば取り上げてください。年金制度自体への感想が述べられず、申し訳ありません。

いつも手賀沼通信に感想をお寄せいただく65歳の男性のご意見です。
今回の法改正の審議が中途半端に終わってしまったのが残念。
給付と負担のバランスをとり、財政再建を目指す姿勢は一定の評価ができますが、途中で国会議員の未納問題が発覚し、これが政争の具にされ、本質が覆いかぶされた感じが否めません。政党間の党利党略ではなく、国家100年の計ぐらいの意気込みで、長期的な骨格の議論がもっと欲しかったと思います。
制度、仕組みが非常にわかりにくい。
年金制度の個々の問題にはいろいろ議論があるにしても、本来、最も国民生活に直結した制度がこんなに複雑で分かりにくいのは問題です。それが、「国民のもの」であるべき制度を、一層「官僚のもの」にしている原因の一つと思います。年金改革の議論を通じて、官僚のための政策から国民のための政策に転換する試金石の一つにしたい。
制度に対する不信感が募るばかり。
今回の改革の眼目の一つに、「不信感の解消」を政府は掲げていたはずですが、解消どころか、益々増大しています。国民の選良たる国会議員の未納問題、官僚の不祥事、制度運用のいい加減さ、など国民の目から見れば腹の立つことばかりです。特に、若者の場合、世代間扶養の考え方は、理解できるものの自分に置き換えて心情的に納得できないと、不信感は解消できない気がします。国民年金の空洞化問題、厚生年金の未加入問題(これも空洞化の一つ)なども、早急に手を打つべきでしょう。政策当局の更なる努力と制度理解のためのPRが必要です。社会保険労務士の一層の活用なども期待できそうです。(勉強してもこれを活かすチャンスの少ない社労士も多いようです)
「国庫負担を増やせ」は安易に言うべきでない。
国民年金の国庫負担の「3分の1」から「2分の1」への引き上げは、前回の改正で決められたことでもあり、財源がないからと先延ばししているのは、どうも納得しにくい。しかしながら、「年金などの社会保険は自助努力が中心」であるべきで、ここを中途半端にして、直ぐ国庫負担に走るのは慎重にすべきではないでしょうか。
時間軸を明確に。
「年金制度は急に骨格を変更するのは困難である」と言えます。それだけに、「どのように変更」するかと共に、「いつまでに」、「いつから」という時間軸を明確にして、議論するのが大切です。そうしないと、問題が立体的に把握しにくい面があります。
全体的にスピードアップを。
「持続可能な安定した制度」をつくるのは緊急の課題です。年金制度の一元化を初め、各制度の改革などを、国民の総意を結集できるような共通の議論の場を設け、もっと、もっとスピードアップして改革して欲しいと願っています。国民の痛みが分かる政治家なら、受け止めていただけるでしょう。

高校時代の同級生の女性からいただいたご意見です。
 あまりにも大きな問題です。国会でつまらないことに時間をついやさずにもっと真剣に議論してもらいたいといつも思います。すでに年金をもらっている身ですが、自分のことはさておいて将来のことが大問題ですね。以前テレビでデンマークでの年金改革を見ました。他国の例を真似してでも何とか改革してほしいです。
 腹の立つこと社会保険庁の存在です。血圧が上がるぞ!とよく主人に言われます。

先月号に寄稿いただいた男性からのご意見です。
 小生がまだ現役の企業人であった頃、厚生保険料の値上げが問題になったので、知り合いの代議士の手元にあった特別会計の予算書を見せてもらいました。驚くべきことに、厚生年金特別会計だけは、収支のバランスが取れていませんでした。数字は覚えていませんが、例えば収入の方に保険料収入10兆円、運用収益2兆円計12兆円とあれば、支出のほうも保険給付5兆円、○○2兆円、××5兆円計12兆円となっていると思ったのに(他の特別会計はなくなっていたのに)、厚生年金だけが××5兆円が抜けていたのです。
 当時は、年金福祉事業団が全国的な大規模リゾート基地開発に取組んでいた頃ですが、ドライブ旅行が趣味の小生は北陸や東北の深い山の中に忽然と現われるこうした基地を見るたびに、自分の年金がこういう基地の無料利用券で支払われる時代が来るのではないかと心配していました。
 こうした経験もあり、厚生年金の制度そのものに強い不信感を持っていました。
 昨年、都市政策を主題とする少子化阻止対策の提案をまとめるにあたって、年金改革に触れる必要が生じました。そこで、年金制度の役割は現役世代から年金世代への所得の移転であるという原点から考え直すことにしました。
 世代間の所得の移転方法で最も途中のロスの少ない方法は、親を子供が養うという直接当事者で移転が行われる場合ですが、社会保障制度は、それを社会として実施するわけですから、どうしてもそのための組織が必要となり、その組織の運営費だけロスが大きくなることは避けられません。
 社会保障制度を充実させるとそれだけ大きな政府にならざるを得ないということで、そのロスを少なくすることが常に求められることになります。
 問題は、厚生年金保険料として現役世代から集められている保険料の中に、その現役世代が年金受給世代となったときのための、積立金が含まれていることです。
 この貯金は明らかに、現役世代から年金世代へ移る所得ではなく、運用という形で現役世代から運用先の現役世代へ移る所得です。それが利益を生んで元本とともに貯金をした現役世代(が年金世代になったとき)に戻ってくればいいのですが、その運用先が特殊法人だったのですから、利益はおろか元本の返済さえ望めない現状を生んでしまいました。
 社会保障制度は、すべて一方の国民から他方の国民への所得移転としてとらえることができます。その移転の原則は、医療保険のように、給付は必要に応じて平等に、負担は負担力に応じて公正に、ということでしょう。国民皆年金が目標なのですから、公的年金制度こそその原則に基づき、(紛らわしく、かつ回収不能となる恐れの多い貯蓄部分を除いて)、作り直す必要があると想って、私達は新年金制度を提案しました。

一緒に仕事をしていた仲間からいただいたご意見です。
 以前、国民年金の未納が約40%もあるというニュースには驚きと同時に呆れてしまいましたが、今回の新田さんのレポートで【保険料を徴収してまわる日本全国推進員1900人が集めた保険料は56億円、支払った給与は36億円でした。】とあります。
 国民年金は日本国民全員に支給するとするのであれば、個人から直接徴収するのでは経費比率が高すぎて、安定運営は有り得ません。思い切って、間接税で賄うように切り替える必要があると思います。
 厚生年金などのような報酬比例の年金については比較的しっかりと徴収できていると思うし、徴収した額を支給するという前提にすれば継続出来ると思う。

高校時代の同級生の女性からいただいたご意見です
 私の預金通帳に入る金額の変化で細くなるのを見てやれやれです。今月号は別に保存版になります。省益のこと(しか考えない)お役人や選挙と利権のことしか考えない族議員、この考えは参考になります。国民ももっと運動しないと動かない、声に出して、デモをして、態度を示さないと変わらないでしょう。

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