今月はこの8月、9月に参加した「ポケモン・スタンプラリー」「愛・地球博」「つくばエクスプレス」の3つの体験記をご紹介いたします。

ポケモン・スタンプラリーに参加した

 今年の夏休みに赤いノートブックを持った小さい子供とお母さん、小さい子供とおじいちゃんおばあちゃんを電車の中や駅のホームで見かけた方は多いと思います。JR東日本が数年前から企画している「ポケモン・スタンプラリー」に参加していたのです。
 私も昨年から孫と参加しました。JRの収益向上に協力するばかばかしさを感じながら孫の喜ぶ顔に負けて2日間汗を流しました。

 ポケモン・スタンプラリーは駅の外に設置されているポケモン・キャラクターのスタンプを「ラリー記念スタンプ帳」に押してその数が増えるのを楽しむラリーです。ポケモン・キャラクターは駅ごとに違います。ポケモンという言葉は知っていましたが、これだけ多くのキャラクターがあるのは知りませんでした。
 スタンプは駅の外にあるため改札を通る必要があります。そこがJRのねらいです。開催期間は7月30日から8月21日まで、時間はラッシュアワーを避けるため朝9時30分から夕方4時までです。朝は時間厳守ですが夕方は駅によって多少遅くまでスタンプ台が出ていました。
 ラリーのルールはまずスタンプ設置駅においてある用紙に7駅分のスタンプを押して、ゴール駅に設置されているゴールカウンターに持って行きます。そこで「ラリー記念スタンプ帳」と景品のレジャーシートがもらえます。そのスタンプ帳をもらってからが本格的な駅めぐりとなります。用紙は1人1枚しか利用できません。1人で何人分ものスタンプを押すのはルール違反です。
 スタンプ台の設置されているのは首都圏JR97駅、スタンプの数は100です。駅とスタンプの数が合わないのは山の手線3駅については奇数日と偶数日とでスタンプのキャラクターが違うのです。「山の手線は1回まわっただけではすまないぞ」というJRの戦略が見え見えです。ゴール駅は、東京、上野、池袋、新宿、品川、松戸の6つの駅でここにはポケモンのスタンプ台はありません。
 103の駅はすべてホリデーフリーパスの中にあり、そのうち66駅は都区内フリーパス(1日大人730円、子供360円、ただし都区内以外の駅からはこれ以上の金額になる)のエリアになっています。ラリー参加者はほとんどの人がどちらかのフリーパスを購入することになります。全駅まわったわけではありませんが、全駅をまわるとおそらく最低まる4日はかかるでしょう。
 ラリ−の参加者はほとんど幼稚園から小学校低学年の子供です。子供たちのお供はママが一番多く、おばあちゃん、おじいちゃん、パパの順番のようです。
 100種類のスタンプを集めると「100種類制覇認定証」と「ポケモン・スタンプラリー2005・オリジナルオレンジカード」がもらえ、抽選で家族旅行やポケモングッズが当たります。

 8月1日、小学校3年と幼稚園年長組の孫2人の男の子とママと私の4人でラリーに参加しました。我孫子から大人1300円、子供650円の都区内フリーパスを購入、日暮里に9時30分に着くよう常磐線に乗りました。鶯谷から大塚までの7駅でスタンプを押し、ゴール駅の池袋でスタンプ帳とレジャーシートを4人分受け取りました。
 ゴール駅で「ラリー記念スタンプ帳」を受け取ってからが本格的なスタンプラリーです。4人で目白の駅から続きを開始しました。代々木駅で昼食を取り一休みしました。幼稚園年長組の孫は飽きてきたため浜松町でママとラリーを中止、それ以後は3年生の孫と私の2人でまわることとなりました。
 4時までになるべく多くの駅を回るよう、鶯谷から始めたので、山の手線一周が当面の目標です。山の手線のあとは総武線または中央線で都区内最西端の西荻窪まで行くことにしました。当日まわった各駅はいわば都区内の中心部分で、山の手線、京浜東北線、総武線、中央線、東西線などが平行して利用できる上、電車の運転間隔が短いため面白いようにたくさんスタンプを押すことができました。
 すばやくスタンプ台に駆けつけるポイントは、各駅のどの改札の外にスタンプ台があるかということをつかむことです。ホームの中央に改札口への階段がある場合はいいのですが、ホームの両端に改札口への階段がある場合、反対側の車両に乗っていた場合は大変です。車両10両分を歩かなければなりません。電車がホームに滑り込む際には、2人して電車の中から「スタンプ台はこっちだよ!!」という緑の矢印ポスターを探しました。そしてドアが開くと同時にポスターを目印にスタンプ台のある階段に早足で急ぎました。孫は走って行きたいのですが、高齢者の私は転んで怪我でもしたら骨折につながります。孫はママから「走っちゃだめよ」ときつく注意されていました。その言葉を私のために守ってくれました。
 この日は結局山の手線の全駅と御茶ノ水から西荻窪までの全駅のスタンプを押して終わりました。

 スタンプラリー第2ラウンドは8月8日でした。この日の目的は山の手線、中央線を除く、京浜東北線、宇都宮線、高崎線、埼京線、横須賀線、総武線、京葉線の都区内フリーパスでいける駅のスタンプを押すことです。常磐線は普段利用している線なので、時間があれば下車してスタンプを押すということにしました。
 方角から分けると大宮に向かう都心の北側、横浜に向かう都心の南側、千葉に向かう都心の東側の3方面です。なお八王子に向かう都心の西側は前回終了しています。3方面以外に山の手線3駅の偶数日のスタンプを押す必要があります。この日のルート決定には頭を使いました。どの方面から始めてどの線を通ってできるだけ早く各駅を回るかを決めるのは小学3年生にはちょっと荷が重く、ここで初めておじいちゃんの出番となった次第です。
 パパのアドバイスもあってまず北側の赤羽駅からスタートすることにきめ、赤羽駅に9時半に着くように我孫子駅を出発しました。この日も暑い日で水分補給のため駅のペットボトルを何本も買いました。
 一つの方面が終わって次の方面に行くにはすでにスタンプを押している都心部を通過する必要があります。最初は結構早く回れたのですが、都心部と違って電車の運転間隔が長く、待ち時間が思いのほかかかりました。目標とした最後の駅は4時を大分過ぎてから着いたのですが、幸いにもスタンプ台が残っており、無事スタンプを押すことができました。そのときの孫のうれしそうな顔を見て疲れも吹き飛んだ次第です。

 家を出てから帰り着くまで、万歩計は8月1日は2万6千歩、8日は1万8千歩を越えていました。

愛・地球博に行ってきた


ロープウェイから見た会場の一部
 愛・地球博は3月25日(金)から9月25日(日)までの185日間、愛知県の長久手会場と瀬戸会場で開催されました。期間中の入場者数は約2205万人、1日の平均入場者数は約12万人でした。大阪万博の6422万人にはおよびませんが、つくば博の2033万人を上回りました。開幕日の入場者数は約4万3千人(期間中最少)でしたが、5月に入ってから人気が出始め、1日あたりの最多入場者数は9月18日(日)には約28万1千人を越えました。いつものとおり終わりに近づくほど人出が増え9月は大ブームになりました。

 今回の愛・地球博の特徴は環境への取り組みです。「愛・地球博の公式ホームページ」から「環境への取り組み」についての記述をご紹介します。 「愛・地球博(愛知万博)では、メインテーマに『自然の叡智』を、またサブテーマの一つに『循環型社会』を掲げています。環境に配慮した会場作りから、環境負荷の少ない交通手段や新エネルギー、楽しみながら環境について学ぶ機会の提供など、ご来場のみなさまに環境に配慮したさまざまな施設や活動・展示などを会場の至るところでご紹介してまいります。」


三菱未来館前の人波
 8月29、30日、クラブツーリズムのツアーで家内と愛・地球博に行ってきました。8月からだんだん混雑が激しくなって、人気パビリオンは数時間待ちという話は聞いていたのですが、世紀の祭典、行くだけ行ってみようと思い立ったのです。
 ツアーは7時23分の新幹線で豊橋まで、そこからはバスで会場まで行き、6〜7時間見物して浜名湖ロイヤルホテルで宿泊というスケジュールです。バスに乗る時間は1日当たり2時間半、夕食は8時過ぎという強行軍でした。翌日も6〜7時間の見物時間が組み込まれていました。費用は入場料込みで41,800円、ただし昼食は各自負担です。
 人気パビリオンは1日あたり2パビリオンまでを事前予約することができますが、そのためには入場券の番号が必要です。ところがこのツアーは入場券は当日にしかもらえず事前の予約はできません。2日目は当日予約のチャンスがありましたが、まずは並んで待つというのがこのツアーでの入場手段でした。当日の入場者は29日が17万4千人、30日が15万4千人と大混雑、29日の入場者数は開幕以来当日まででは4番目の混雑でした。

 今回の万博の特徴は「環境への取り組み」となっていますが、もう一つの特徴は「待つこと」だと思いました。35年前の大阪万博や20年前のつくば科学万博と違って会場に入る前に、危険物や市販のお弁当、ペットボトル、ビン、カンなどが持ち込み禁止のため、入場者の持ちもの検査があります。人手で一人一人かばんを開けて見るため時間がかかります。市販の弁当が禁止ということは食堂に入るか、会場内で販売しているものを買わなければならず、食事をするために待つ必要があります。パビリオン待ちの間に食事をとることができずお昼抜きで見たいものを見たという人もいました。人気パビリオンの数が少ないため人出が集中します。大阪やつくばの万博に比べると企業のパビリオンがかなり少いのに気がつきました。女性トイレの混雑も目立ちました。万博グッズや万博のお菓子を売っている場所は身動きできないほど混雑しており、レジでお金を払うのにも行列また行列でした。


会場への交通手段リニモ
 私たちの作戦は待ち時間の長いパビリオンを避け、並ばないですむところだけを見ようということでした。そのため外国のパビリオンまわりに終始しました。外国のパビリオンでもドイツ館やスペイン館など待ち時間の長い所はパスしました。私たちの最長の待ち時間は10分でした。時間の割には数をこなしたという感じです。

 よかったのは愛・地球博のテーマどおり自然がほとんどそのまま残されていて、緑豊かな万博だったことです。会場までの交通機関のリニモや会場をまたぐロープウェイからは美しい会場が見渡せました。会場内のメインストリートで空中回廊の「グローバル・ループ」は自然環境に配慮した構造で、道路面は歩きやすく人に優しい木でできていました。しまってあった大阪万博とつくば万博のガイドブックを取り出して比べてみましたが、手付かずの自然を残しているのは愛・地球博だけでした。自然の環境に配慮した万博という主旨は守られていたと思います。
 2日間ややくたびれましたが一つのイベントをこなしたという達成感?がありました。

つくばエクスプレスに乗ってみた

 9月15日(木)つくばエクスプレス(通称TX)に乗ってみました。
 つくばエクスプレスは2005年8月24日に開業した東京都の秋葉原と茨城県のつくば市を結ぶ58.3kmの新しい鉄道です。
 駅の数は、東京都に7駅、埼玉県に2駅、千葉県に4駅、茨城県に6駅、合計20駅あります。最高速度は時速130km、秋葉原とつくば間の所要時間は快速電車で45分、区間快速で52分です。線路は地下と高架と切り通しで、最近の新線ではあたりまえですが、踏み切りは1つもありません。
 TXは首都圏では最後の通勤新線ではないかといわれています。都心と結ぶもうこれほどの大掛かりな新線の開発は利用できる土地や経済性から考えて困難ということなのでしょう。


流山おおたかの森駅
 TXには「流山おおたかの森駅」からつくば駅まで乗車しました。料金は700円です。我孫子から柏まで常磐線、柏からは東武野田線に乗り換え、新設された同じ名前の駅からTXに乗り換えました。待つこと数分、シルバーに赤い線の入った瀟洒な6両編成の電車が入ってきました。駅のホームには線路内への転落防止のために、車両のドアと連動して開閉する可動式ホーム柵が設置されています。
 ラッシュアワーの終わった9時42分発の下り電車のため車内は10人くらいと空いていました。社内は明るく清潔で快適でした。揺れが少なく、騒音も少なく、スピード感がありました。レールのつなぎ目の音や振動がほとんど感じられません。最後尾の車両に乗ったのですが車掌はいませんでした。ドアの開閉なども運転士が行うワンマン運転になっているのです。
 つくばまでの各駅は守谷駅周辺を除くと、まさに田舎の中に突如できた駅という感じで駅前には何もありません。でも駅周辺の人にとっては長い間待ち焦がれていた鉄道です。おそらくこれからは急ピッチで開発が進んでいくのではないでしょうか。ほとんどの駅周辺では開発の槌音が感じられました。
 終点のつくば駅には家を出てから1時間ほどで着きました。乗り換えの待ち時間もほとんどありませんでした。待ち時間を考えるとおそらく今までの半分の時間で着いたのではないかと思います。
 つくば駅は地下駅で広々としていました。バリアフリーにも十分配慮されているようでした。地上に出てみると、バスターミナルの真下に駅ができたという感じです。地上から見るとつくば駅は地下駅への入口しかなく目立ちませんが、周辺への通勤や観光には大変便利にできています。
 今回はつくばにいたのは1時間半ほどでしたので、次回はゆっくりしたいと思いました。

 帰りはつくばから秋葉原まで1150円の切符を購入しました。快速に乗りたかったのですが,時間の都合でまた区間快速になってしまいました。秋葉原駅で気がついたのですが、エスカレーターに普通の速度と高速との2種類がありました。エスカレーターに乗って歩く人が多いので高速のものができたのでしょうか。その上を歩くとさらに早くなります。

 
 秋葉原駅に出て地上を見上げると、翌日開店する「ヨドバシカメラ」のビルが目を引きました。駅の反対側には元の青果市場跡に建った高層ビルがそびえていました。TXができて秋葉原が急速に変わりつつあることを実感しました。

 私の知人が常磐新聞新社にスカウトされて「City Opera」というタウン誌発行の責任者になりました。「City Opera」はTXにあわせて創刊された新聞で、TX20駅及び沿線で第1、第3月曜日に10万部発行されています。TXや沿線に関する情報いっぱいの大変おしゃれで面白い情報誌になっています。無料で各駅においてありますのでぜひお読みいただきたいと思います。

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