あけましておめでとうございます
 昨年は手賀沼通信をお読みいただきありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。
 今年は数え年で70歳になります。古希を迎えます。自分ではそんな歳ではないと思っているのですが、足が痛んだり、目がかすんだりと、年齢には勝てそうにありません。
 身体の条件を受け入れながら、気持ちでカバーしていきたいと考えています。
 今日のテーマは昨年10月に体験した「マラソンのボランティア」と元の会社の同僚で手賀沼通信をお読みいただいている岩崎さんからお寄せいただいた「ハーモニカの魅力」です。
 岩崎さんはハーモニカの達人、資格を取られていろいろな場所で活躍されています。
 
手賀沼エコマラソン・ボランティア体験記

 10月30日(日)に第11回手賀沼エコマラソンが行われました。
手賀沼エコマラソンは「よみがえる手賀沼、さわやかに走ろう」をキャッチフレーズに
 ・ 手賀沼浄化の推進
 ・ 自然と調和し共存する手賀沼を広くアピール
 ・ 健康増進の昂揚
 ・ 地域社会の活性化とスポーツ文化の振興
を目指している大会です。毎年10月の最終日曜日に実施されますが、今年から沼南町が柏市と合併したため、我孫子市と柏市の共同のマラソン実行委員会が開催しました。
 手賀沼エコマラソンの特徴は
 ・ 1〜7回大会は手賀沼を半周するハーフマラソン。3年前からは手賀大橋を2度も渡る周回コースとなっています。
 ・ 都心に近く交通の便も良いので、毎年6〜8千人のランナーが訪れます。
 ・ コースは自然がいっぱいで、8割が平坦なので安心して走れます。しかも制限時間がゆるく(1km9分のペースで完走可能)、初心者の参加が目立ちます。
 ・ 自然に触れ合え、手賀沼周辺を眺めながら「環境問題」に目を向けるチャンスが得られます。
 全国では毎年2000程度の市民マラソンが開催されています。ランナーズ社では、毎年人気ランニング大会100撰を直接ランナーの投票により集計、発表しています。手賀沼エコマラソンは、月刊ランナーズ読者が選ぶ「2004全国ランニング大会100撰」で総合9位を獲得。「ブースが多くて会場が賑やか」「ゴール写真付きの記録証がうれしい」「距離表示が1kmごとにあるのでペースがつかみやすい」などなどたくさんの嬉しい声をいただきました。
 今年は手賀沼を巡る遊歩道の整備が完成、いっそう走りやすいコースとなりました。

 10月30日は曇りでしたが、心配していた雨も降らず、風もなく絶好のマラソン日和となりました。登録数は過去最多の8801人、北海道から沖縄までの34都道府県とアメリカからの参加です。翌日の読売新聞には約7400人が走ったと出ていました。
 招待選手は松田千枝さん(資生堂ランニングクラブ−85年東京国際マラソン4位)、寺内多恵子さん(99年ロンドンマラソン6位)、積水化学女子陸上部(以前高橋尚子さんが所属していたクラブ)、中央学院大学(今年の箱根駅伝出場)で、最初にゴールインしたのは中央学院大学の選手でした。

 大会を運営するスタッフの数は1140人、ほとんどがボランティアです。
スタッフの役割は以下のようになっていました。
専門分野では
総務、運営、交通案内、駐車、車両・通信、医務、接待、荷物管理
競技分野では
総務、技術総務、審判長、本部記録、フィニッシュ、場内指令、場内監察、場外監察、体育館監察、保健・勤労監察、ランナー受付、出発誘導、スターター補助、用器具、計時、関門
走路分野では(1kmごとに)
スタート〜1km、1km〜2km、2km〜3km、‥‥‥、19km〜20km、20km〜ゴール
給水分野では
第1給水、第2給水、‥‥‥、第5給水、本部給水
 集合時間は役割によって違いましたが、早朝5時30分から8時30分でした。競技のスタートは10時でしたので、それまでに万全の準備をしておくためでした。
 応援団体としては、手賀東小、白山中、湖北台中、市立柏高校、我孫子高校、二松学舎沼南、柏レイソル、サンバドゥソル、こだま太鼓、富士見太鼓、北総太鼓、竜翔太鼓、カッパ太鼓、などが出演、メイン会場や途中の要所で応援をくりひろげました。

 ボランティアの募集は「広報あびこ」6月16日号で知りました。手賀沼通信のネタにしようと早速申し込みました。9月になって忘れていた頃に手賀沼エコマラソン実行委員会委員長から「ランナー受付」を担当していただくという手紙を受け取りました。
 ボランティアの打ち合わせ会は、10月2日(日)に柏中央体育館で行われました。我が家からは歩いて45分、自転車で15分の距離です。天気がいいのでウォーキングをかねて歩いていきました。
 ランナー受付は合計94名、交通案内の140名に次ぐ大部隊です。ほとんどが市民のスポーツクラブや趣味のグループが団体で応募しており、私のように個人で申し込んだのは少数派です。しかも毎年応募しているベテランが多く、私のように初めての人間はごく一部でした。(あとでわかったことですが、何度も応募しているベテランでもランナー受付は始めてという人が半分くらいいました)
 大会本部の挨拶のあと、60ページの立派な「大会運営マニュアル」を渡され、役割ごとに分かれて、当日の仕事内容の説明がありました。8801名のランナーの受付けです。当日は6時30分に集合するように指示がありました。

 10月30日(日)は天気予報では「曇り、朝のうちはところにより小雨」でした。雨だと自転車で行くのは苦労します。5時すぎに起きてまず空を眺めましたが、さいわいなことに真っ暗な空から雨粒は落ちていませんでした。カッパを用意していたのですが使わなくてすみました。
 6時15分に会場に到着、ボランティア用の帽子とウィンドヤッケを受け取り、ランナー受付場所まで移動しました。帽子とヤッケは3年前のゴルフ全日本シニア選手権でもらったものより立派でした。少しずつ改良されたのだそうです。
 ランナー受付は、ベテランと初心者2人のペアで、200人のランナー(参加者)を受け付けます。エコマラソンへの参加者は3500円を払って申し込みます。申込後「ナンバーカード引換券」と「メディカルアンケート」が送られてきます。ランナー受付は「ナンバーカード引換券」の誓約書欄に記載されている署名捺印をチェックし、それと引き換えにナンバーカードセット(ゼッケン・トルソータグ・安全ピン)と参加袋(プログラム・チラシなど)を渡します。また「メディカルアンケート」を受け取ります。署名捺印のないランナーにはその場で署名捺印をお願いします。受付時間は7時30分から10時まで、単純な仕事ですが、ピーク時間にランナーが集中するので手早く処理する必要があります。また間違って他人のナンバーカードセットを渡すと、別人が走ったことになってしまうため気を使います。隣の窓口では間違って渡したため、ちょっとしたトラブルになりました。
 私は一番前で責任者の説明を聞いていたため、1番から200番までのゼッケンナンバーの受付をすることになりました。相棒は何度もボランティアをやっているベテランです。その人の指示でナンバーカードセット10人ごとに区切りを入れるとか、ランナーの名前を声に出して確認するとかの要領を教わりました。ランナーが集中して忙しかったのは一時で、ミスなく役目を終わることができました。
 ただ、着替えの場所やトイレや荷物預かりの場所を聞かれたり、配布した安全ピンが壊れているというクレームやナンバーカード引き換え券を忘れたのでどうすればいいかなどという質問がかなりありました。トラブルやクレームは「トラブル受付」に行ってもらうことになっていたため、こちらで苦労する必要はありませんでした。

 10時に先頭がスタートし、約7400人がすべてスタートし終えるには約10分からいかかりました。テレビで市民マラソンを見るたび、後ろのほうに回された人はその分記録上損をするのではないかと、いつも心配していました。今回ボランティアに参加して記録上損することはないということを知らされました。ゼッケンの裏に一人一人を識別するトルソータグというのがついていて、スタート時とゴール時にそのタグを感知して記録を計算するようになっているとのことでした。これもコンピュータのおかげでしょう。
 最初のランナーが帰ってきたのは、11時7分頃でした。トップは招待選手の中央学院の学生でした。一般参加の選手の1位は唐木洋平(明治大学)選手で記録は1時間7分31秒でした。

特別寄稿
ハーモニカの魅力   
岩崎任男     

 定年間近になって、退職した後の時間をどのようにして楽しく過ごそうか考えたとき、社交ダンスは習っていたものの、他に趣味もなく、特にできるスポーツもなく、考えた結論は健康を保つために水泳を習い、何か楽器を弾けるようになりたいと探した結果は手軽で簡単と思われたハーモニカであった。
 いつの間にか、もう10年にもなるが、水泳は毎日のように1,500mくらい泳ぐのが日課になり、医者のお世話になることもなく、体力もつき体調はいたってよい。

 一方、ハーモニカは一人でも、グループの皆とでも楽しめ、この2つが今の生活の大きな支えとなっている。
 近年、テレビやラジオでハーモニカの演奏を聞く機会が多く、より身近に感じるようになっている、ハーモニカの持つ魅力を探ってみましょう。

私とハーモニカとの出会い
 幼い頃、兄が吹いていたのを見よう見まねで始め、知っている曲を楽しんでいた。音楽は人種や言葉に関係なく心の共感を呼び、人の輪を広げるよい手段だと感じていた。何時かは趣味として、何か簡単にできる楽器を習い演奏をしてみたいと思っていた。年をとってからでも簡単に習得でき、他の楽器ほど難しくなく、高価でないハーモニカは、子供の頃吹いた自分には最適と思った。
 近所で会員募集の広告を見て、早速入会して習い始めた。初心者ではなかったので、興味が湧き奥の深さを知りさらに魅力が加わった。

ハーモニカの良さと特徴
1.習得しやすい
慣れてくると知っている曲は直ぐにメロディーを吹けるのがハーモニカの大きな特徴でうれしい限りである。他の楽器では一人でメロディーを演奏できるようになるには、かなりの基礎ができていないと、とても難しくて時間がかかることは必至である。
2.楽器が安価
楽器の価額が比較的安く購入しやすい。
3.音を出すのが簡単
音を出すのが難しい尺八や管楽器、また演奏の前に音程の調整が必要な弦楽器に較べ、直ぐに音が出せて演奏できる。
4.小さくて軽い
小さい割に、3オクターブの音域の音が出せるので、ほとんどの曲を演奏できる。ハイキングや旅行にも場所をとらず携帯に便利で、どこにでも持ち歩きできるのがうれしい。
5.独奏にも向いている
簡単な和音やベースを入れてリズムもとれ、前奏、間奏、後演を加えれば、十分独奏が楽しめる。
6.合 奏
演奏を各パートに分けて、さらに低音のベース・ハーモニカや和音とメロディーを一度に出せるコード・ハーモニカを一緒に使って、リズムを刻み多くの人で合奏も楽しめる。
7.音符は数字
5線譜の音符が苦手でも、ハーモニカではド、レ、ミを1、2、3の数字で表記するので、慣れると音符より簡単である。

ハーモニカの種類
 簡単なハーモニカにも多くの種類がある。
@ テンホールズ・ハーモニカ
 単音で10穴のハーモニカで、ブルースハープとも言われ、ジャズやブルース系の曲の演奏に使われる。吹き方のよって半音も出せる。
A クロマチック・ハーモニカ
 単音ではあるが、他のハーモニカとの違いは、レバーの操作で簡単に半音が出せるのが特徴である。そのためメロディーを吹くには便利である。しかし、ベースや和音が入らないために、独奏には他の楽器と一緒に演奏するのが普通である。
B 複音ハーモニカ
 私たちが幼い頃から親しんだハーモニカはこの種類である。少し振動数の違う音を上下二列に並べて配置されており、一つの音を出すとトレモロ(ビブラート)がかかり、これにより複音ハーモニカ独特の柔らかな心地よい音色になる。半音が出ないので、上下2本を持って演奏する。演奏のテクニックとしてベースを入れたり、オクターブ奏法、ヴァイオリン奏法、マンドリン奏法、分散和音奏法といった手法を用いて曲に変化をつけて、幅広い演奏ができる魅力がある。この複音ハーモニカは主として日本、韓国、台湾、中国などのアジアで用いられており、日本を中心に演奏技法も発展してきた歴史がある。
C その他のハーモニカ
 オクターブの違う音を同時に出すことができるオクターブ・ハーモニカ、低音の音域を出し主に合奏用に用いるバス・ハーモニカ、一度に和音が出せるので合奏に用いられる60cmもある長いコード・ハーモニカ、単調なホルンのような音色が出るホルン・ハーモニカなどがある。

初心者の注意点
 ハーモニカは吹けば音は簡単に出せるが、楽器自体の持っているきれいな音を出すことを心がけたい。特にメロディーを吹く時に常に単音で演奏すること。二つの音(例えばミの音を出すところをミとド)を同時に出すときれいなメロディーに聞こえなくなる。
 次にハーモニカを動かして演奏すること。楽器を動かして演奏するのはハーモニカだけである。もしハーモニカを両手でしっかり持って固定して頭を動かして演奏すると、音が取りにくいだけでなく、速い曲の演奏ができなくなる。
 以上の二つが初心者の最も陥りやすい点である。この悪い癖をつけて先に進むと、致命的ことになり、速い曲や高度な演奏ができなくなるので、要注意である。

演奏活動
 習い始めて6年目で指導者資格試験に合格し、今では普及活動を兼ねて、グループや個人に指導したり、クラス会、地域の市民文化祭やサークルの集まりなどで演奏することが多い。また、どこにも外出できず、音楽の演奏を聴く機会が少ない方々のいる病院、高齢者の養老院などは、こちらから出向いての演奏会は直接身近に演奏が聴けるので喜ばれる。特に養老院では、童謡、唱歌、歌謡曲などが昔を懐かしく思い出されためか大変歓迎される。時には涙を出して聴いておられ、こちらもまた来てあげたいと思うようになる。
 今、ロングステイ・クラブに所属しており、時々海外に出かけた時は、在留日本人には日本の歌は郷愁を呼び起こすことになり、とても喜ばれることが多い。また外国人にはその国の曲を演奏すれば、親しさが生まれ音楽を通して簡単に心を通じ合え、容易に友情を深める手段になる。

おわりに
 ハーモニカについて思いつくまま記したが、ハーモニカは吹き吸いをする度に大きく腹式呼吸をするので、健康にもよいと言われている。私がこれまでハーモニカを演奏してきて、最も良かったと思うのは、自分でも歌や音楽を楽しみながら、多くの方々と親しく交流でき、よき友人ができるようになったことである。

 この郷愁を呼ぶ音色の手軽なハーモニカを皆さんも吹いて楽しみませんか。
                 
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