手賀沼通信は来月で100号を迎えます。そこで今月号からしばらくの間100号にこだわりたいと思います。私事でまことに申し訳ありません。お許しくださるようお願い申しあげます。
 手賀沼通信の創刊は平成10年(1998年)年4月です。月日のたつのは早いもの、もう8年2ヶ月がすぎました。そこで8年間の出来事を振り返るとともに、今まで手賀沼通信で取り上げたことを総括してみたいと思います。

手賀沼通信創刊の年からの8年間の出来事

 平成10年から平成17年までの出来事をインターネットや雑誌の記事で調べてみました。インターネットでは各年の10大ニュースを検索しました。平成10年は出てきませんでしたが、あとは主として共同通信社のニュースを参考にしました。雑誌は20世紀末に講談社から出版された「日録20世紀」です。
 ページ数の関係で各年とも国内と海外についてトピックスを2〜3項目選んでいます。何を選ぶかは例によって私の主観や好みです。

(1)平成10年(1998年) 日本国内
@毒入りカレー事件発生と容疑者逮捕

7月25日に和歌山市で自治会の夏祭り会場で出されたカレーを食べた人たちのうち4人が死亡、63人が治療を受けました。犯人として林真須美容疑者が逮捕され死刑の判決を受けています。逮捕されるまでは、まるで芸能人のようにテレビに出ていました。
A大手金融機関の破綻
2月には東邦生命がGEグループに営業網を移管すると発表、3月には山一証券が全店閉鎖、10月には日本長期信用銀行が破綻しました。いずれも経営陣の経営のまずさが破綻の原因でした。
B長野オリンピック開催
2月に冬季オリンピックが長野で開催され、日本は金メダル5個を含む10個のメダルを獲得しました。

海外
@北朝鮮「テポドン1号」を発射

8月に北朝鮮東部海岸から日本海に向けて弾道ミサイル1発が発射されました。今も再度発射される恐れがあります。
AアメリカのMLBでホームラン新記録
アメリカ大リーグ野球で、マグワイアとソーサがホームラン王を争い、マグワイアが年間70本の新記録で競争に勝ちました。この記録は2001年、73本を打ったボンズによって破られました。しかしその後3人ともステロイドを常用していたことが判明、この記録に疑問がもたれています。

(2)平成11年(1999年)
日本国内
@東海村で国内初の臨界事故

9月30日に東海村で発生した臨界事故は2名が死亡、667名が被爆、住民が避難しました。
Aコンピュータ2000年問題への対応に躍起
2000年1月1日にコンピュータが誤作動を起こすという懸念があり公共機関や企業がその対応に追われました。対策が功を奏したのか大きな事故はほとんどありませんでした。

海外
@コソボ紛争でNATOがユーゴを空爆

3月和平交渉が行き詰まりNATO軍がセルビア全土を空爆、ユーゴ連邦政府のミロシェビッチ大統領(今年3月死亡)が和平案を受け入れる6月まで続きました。
A欧州統一通貨ユーロが誕生
1月EU15カ国のうち12カ国が参加して欧州統一通貨のユーロが誕生しました。お金の流通が始まったのは2002年からでした。

(3)平成12年(2000年)
日本国内
@小渕恵三首相緊急入院、死去

4月2日小渕恵三首相が脳梗塞で緊急入院、5月14日死去しました。後任には森喜朗が首相になりましたが失言を繰り返し、翌年4月就任わずか1年で辞任しました。
Aシドニーオリンピックで女子選手が大活躍
日本のメダル18個のうち女子が13個のメダルを獲得しました。マラソンでは高橋尚子が柔道では田村亮子が優勝しました。その後も女性の強さは引き継がれているようです。

海外
@米大統領選挙、フロリダ州接戦で異例の決着

共和党のブッシュ候補と民主党のゴア候補の得票が僅差、フロリダ州の投票で決まることになりその集計方法で混乱しましたが、フロリダ州と米連邦の最高裁でブッシュの勝利が決まりました。
Aコンコルドがパリ郊外で墜落
7月エールフランスのコンコルド機がパリ郊外で墜落、114人が死亡する惨事が発生しました。運行停止後、翌年再開されましたが、客足が伸びず2003年超音速機は姿を消しました。

(4)平成13年(2001年)
日本国内
@小泉内閣発足

4月、失言続きで支持率が5.7%まで落ちた森首相に代って小泉内閣が発足しました。
A国内初の狂牛病の牛が見つかる
9月、千葉県で日本で始めて狂牛病の牛が確認されました。それ以後5年経っていますが、アメリカでの対応のまずさなどが続き、狂牛病騒動は治まっていません。
B大阪池田小学校での児童殺傷事件発生
6月大阪府の池田小学校に男が侵入、児童8人を殺害、15名に傷害を負わせました。犯人の宅間守は平成16年9月死刑を執行されました。

海外
@同時多発テロがニューヨークで勃発

9月11日ニューヨークで起こった同時多発テロはテレビで実況中継され、全世界を恐怖に陥れました。今でもニューヨークの貿易センタービルに航空機が突っ込み、ビルが崩壊するまでの映像ははっきりと覚えています。
Aアフガニスタンのタリバン政権が崩壊
アメリカによる同時多発テロの報復攻撃でアフガニスタンのタリバン政権が崩壊しました。

(5)平成14年(2002年)
日本国内
@北朝鮮より拉致被害者5人が帰国

10月、北朝鮮の拉致被害者、蓮池さん夫妻、地村さん夫妻、曾我ひとみさんの5人が24年ぶりに帰国しました。ただ家族は北朝鮮に残されたままでした。
Aサッカーワールドカップ日韓共同開催
5月〜6月、サッカーワールドカップが日本と韓国共同で開催されました。

海外
@世界同時株安、世界的IT不況

世界の株安は日本にも及び、日経平均が8400円を割り込む株安になりました。翌年4月には7800円を割っています。
Aアメリカが北朝鮮、イラク、イランを「悪の枢軸」と非難
イラクの大量破壊兵器疑惑が発生、パレスチナで反イスラエルが長期化、世界は混沌としてきました。

(6)平成15年(2003年)
日本国内
@イラクで邦人外交官2人が殺害

11月、イラクで日本の外交官(奥参事官、井上書記官)が殺害されました。イラク戦争以後日本人の犠牲者は初めてでした。
A阪神タイガースが18年ぶりに優勝
プロ野球セントラルリーグで星野監督率いる阪神タイガースが18年ぶりに優勝、社会現象といわれました。

海外
@イラク戦争勃発、フセイン大統領を拘束

3月、米英軍はイラク戦争を開始、5月にイラクを制圧しました。12月にはフセイン元大統領を拘束しました。
A新型肺炎(SARS)が世界的大流行
2月ごろから香港やベトナムなどで新型肺炎(SARS)の患者が発生、夏に終息するまで世界30カ国以上に拡大、世界全体で感染者は8000人以上、死者は700人以上に達しました。

(7)平成16年(2004年)
日本国内
@震度7の新潟県中越地震が発生

10月、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6・8の地震が発生、川口町では震度7を観測、40人が死亡し負傷者は約3000人でした。
A北朝鮮の拉致被害者の家族が帰国
5月、拉致被害者の蓮池さん、地村さん夫妻の子ども5人が帰国。曽我ひとみさんは、娘2人と夫のジェンキンスさんと7月に再会し帰国しました。
B台風上陸が過去最多、集中豪雨でも被害
10月にかけ台風が相次いで日本列島に上陸、集中豪雨も加わって各地で多数の死者・行方不明者が出て、被害総額は1兆2千億円にもなりました。

海外
@スマトラ沖地震津波

12月26日、インドネシア・スマトラ島沖で発生したマグニチュード(M)9・0の史上最大級の地震は、インド洋に大津波を引き起こしました。スリランカ、インド、タイ、マレーシアなどで死者・行方不明者22万以上の惨事となりました。
A中国でトップ交代、江沢民から胡錦濤へ
9月、中国共産党中央委総会で江沢民党中央軍事委主席の退任と胡錦濤党総書記の同主席就任が承認され、胡氏が党、政府、軍の三権を掌握して権力が引き継がれました。
B米大リーグでイチロー、松井秀喜らが活躍
マリナーズのイチローは262安打で大リーグの1シーズン最多安打記録を84年ぶりに更新、松井秀喜もヤンキースの主軸として大活躍、リーグ優勝に貢献しました。

(8)平成17年(2005年)
日本国内
@衆院選で小泉自民党が296議席の歴史的大勝

参院で郵政民営化法案否決により衆院解散。9月の衆院選で自民が296議席で歴史的大勝。公明党と合わせ与党は全議席の3分の2超を獲得しました。
A尼崎のJR西日本の脱線事故、107人が死亡
4月、尼崎市のJR福知山線で快速電車が脱線、1、2両目が線路脇のマンションに激突し、乗客ら107人が死亡、約550人が重軽傷を負うJR史上最悪の惨事となりました。
B日本人の人口、初の減少
日本人の人口が初めて減少に転じました。統計を取り始めた1899年以来初の自然減です。人口増を続けてきた日本の歴史的転換点となりました。

海外
@原油価格が高騰、一時1バレル70ドル突破

ハリケーンによる米南部の石油精製施設被害を引き金にニューヨークの原油先物相場が急騰、8月には米国産標準油種が1バレル=70ドルを突破しました。日本でのガソリン、灯油などは史上最高値を更新しました。
A鳥インフルエンザ感染拡大、新型インフルエンザに懸念
アジアに限られていた鳥インフルエンザ感染がロシア、ルーマニアなど欧州に拡大、人間の新型インフルエンザの流行につながるとの懸念が高まりました。中国、タイ、インドネシアなどでは鳥インフルエンザで死者が出ました。

98号までの手賀沼通信の記事

 平成10年3月末で2度目に勤めた消費者金融会社を退職し、サラリーマン生活から身を引きました。そして4月から手賀沼通信の発行を始めました。のちに「手賀沼通信発行のいきさつ」としてホームページに載せた文章の一部には次のように書きました。
 「新聞を出してみようと思い立ったのは、平成10年3月末に退職してサラリーマン生活とおさらばすることになったとき、第二の人生の方向づけとなり、気ままな生活が気ままに流されないようにするための防波堤のようなものはないかと考えたからです。それと暇つぶしとボケ防止には情報発信が一番と聞いたこともありました。『手賀沼通信』は『高齢者の豊かな生活のために』というおおげさなテーマで、定年前後や退職後の生活、老後の楽しみ,健康問題、老人介護や高齢者福祉、政府の高齢者対策,少子化問題など高齢者についてあらゆる角度から身近な問題を取り上げていくことを狙いとしています。編集方針は、新聞や本からの一般論でなく、自分の体験や取材をベースにしています。また読者の方にも呼びかけて体験談を中心に投稿していただいています」
 その目的に合った「手賀沼通信」になっているかどうか、読者の方の判断にお任せしたいと存じますが、今まで書いたり、投稿いただいた文章のタイトルは別表のようになっております。

 項目別に見ると、全体では海外旅行の記事がトップです。たくさんの海外旅行記をご寄稿いただきました。海外旅行は非日常的な体験で、一番書きやすく、なにより書いていて楽しいため多くなったのでしょう。その次に多いのが闘病記や健康についてです。これも非日常的なテーマの上、他の方の参考になるということから多くなっています。3番目は地域社会や日常生活などについての記事です。退職後身の回りに目が行くようになったことを示しています。
 私が一番楽しんで書いたのはスポーツの回想記事です。書いているうちその当時のことが次々頭に浮かんできて、いつもページが足りない感じがしました。年金については以前から常に関心を持っていたためと、この期間中、常に大きな問題を提供してくれたため力が入りました。
 記事の内容は自分で体験したことを中心に、自分で見たこと、聞いたこと、考えたことなどをまとめるようにしていますが、毎月となるとだんだんネタがなくなってきます。同じことや2番せんじを取り上げても面白くありません。体力の衰えとともに体験する機会も減っています。そのため最近ではちょっと枠を広げてペンネームでミニ小 説も書かせていただいています。
 新聞やマスコミで取り上げられている政治や経済や社会問題を論ずることも考えましたが、情報源そのものがマスコミからでしかなく、しかもどうがんばっても専門家には勝てないと自覚しているためほとんど立ち入っていません。取り上げるとしたら、国民や市民の一人の意見として書くしかないのではないかと考えています。
 これからの手賀沼通信がどの方向に行くか分かりませんが、何とか200号を目指してがんばりたいと思っています。

 読者の方からの投稿は、今までに32名の方から55編を寄稿いただきました。212のタイトルの約26%になります。何人かの方は、お一人で何度も書いてくださいました。海外や国内の珍しい旅行、大変な手術の体験、考えさせられる生き方、多彩な趣味、すばらしい俳句や和歌その他、いずれも貴重な体験談ばかり、マンネリになりがちな手賀沼通信に大きな活力を与えていただきました。とても私には手の届かない内容でした。ありがとうございました。心からお礼申し上げます。これからもよろしくお願い申し上げます。

1号〜98号のまとめ
項目本文寄稿者合計
海外旅行91423
闘病記・健康11617
地域社会・生活・工事 9413
学校・学習・資格取得9211
政治・社会・役所8311
ウォーキング10010
年金10010
書評・本の紹介10010
趣味459
生き方27 9
国内旅行729
スポーツ909
コンピュータ628
退職後の生活808
環境・自然426
株主総会606
高齢者問題・葬儀606
クレーム606
見学・訪問・傍聴505
ボランティア314
俳句・和歌044
仕事404
手賀沼通信404
ミニ小説303
酒・料理112
戦争体験022
その他303
    
合計/td>15755212
寄稿者数:32名

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