テキスト ボックス: 高齢者の豊かな生活のために                         1999年1月20日発行
手 賀 沼 通 信 (第10号)     〒270-1147 千葉県我孫子市若松151-3
  (TEL&FAX:0471-83-2898) (E-mail:y-nitta@mvc.biglobe.ne.jp)             新田良昭

あけましておめでとうございます。今年こそ明るい年にしたいものですね。

  今年は「国際高齢者年」です。そこで手賀沼通信第10号は年金問題を取り上げます。
  いま、公的年金がゆれています。少子高齢化、低金利、不況などが年金を直撃しています。昨年の後半、年金問題は減税とともに政治の大きな論点となり、自自連立の取引材料の1つとなりました。年金についての論争はまだ続いており容易に決着はつきそうにありません。そして今年は5年に一度の年金の財政再計算の年、年金改革がどういう方向に向かうか、私たちもしっかり見守っていく必要があります。
  昨年11月「日本中高年生きがいづくり協会」でお話した草稿をもとに、訂正と追加とその後の動きを含めてまとめてみました。2回に分け、今月号では年金の現状について、また来月号では年金を取り巻く諸問題点について記述してみたいと思います。年金問題理解の一助になれば幸いです。


年金問題を考える(その1)

1.公的年金の現状

  年金は難しいといわれます。これは公的年金の歴史を見るといくつかの異なった制度がそれぞれ違った発展の仕方をしており、またそのときどきの社会情勢や経済状況や政治論争などに合わせてあるいは引っ張られていろいろな改正や経過措置などを重ねてきたためです。

(1)公的年金制度の基本的な考え方

  我が国の公的年金制度は以下のような考え方がその基本にあります。

・国民皆年金
  昭和36年に国民年金法が施行され、自営業者や専業主婦などの無業者を含め、国民すべてが年金制度の対象となる国民皆年金となっています。無業の人についてはアメリカでは適用されませんし、イギリス、ドイツ、フランスなどでは任意加入ですので、この点では日本の制度はすばらしいといえます。

・社会保険料方式
  公的年金制度の加入者は、それぞれ保険料を支払い、一定の条件を満たせば年金を支給されます。保険料の免除制度はありますが、基本的には保険料を収めなければ年金はもらえません。ただ、基礎年金(国民年金)の給付額の3分の1は税金で負担しています。ここが今政治の場で論議の対象になっています。

・世代間扶養の段階保険料方式
  公的年金は基本的には現役世代の保険料負担で高齢者世代を支えるという世代間扶養の考え方で運用されています。ただ、毎年年金給付に必要な費用をその年の被保険者からの保険料で全額まかなうという賦課方式ではなく、賦課方式の考え方と将来の年金給付に必要な原資を保険料で積み立てて行く積立方式の考え方を取りいれた段階保険料方式を取っています。少子高齢化によるこの保険料の段階的引き上げが現役世代を圧迫するといわれています。

・確定給付型年金
  公的年金は、給付額があらかじめ決まっている確定給付型年金です。老後の生活の見通しが立て易い反面、納めた保険料と積立金の運用で給付財源に不足が生じる場合は、事後に追加負担が必要になります。今の低金利が、保険料の積立金の運用によって事後的に給付額を決める確定拠出型年金導入の動きを加速しています。

・世帯中心、妻の立場(女性の立場でなく)重視
  被用者年金(厚生年金や共済年金)に言えることですが、今の年金制度は男性が一家の稼ぎの中心で女性は主婦に専念するという昔の生活様式にのっとっています。これは年金制度の成り立ちや歴史から見れば当たり前のことだったわけですが、今の時代の生活感覚からするとずれが目立ってきました。そのため女性の立場からいろいろな不満が出てきています。

・物価スライド、5年毎の財政再計算
  年金額の目減りを防ぐため、平成元年から物価に応じて年金額を完全にスライドさせる制度が導入されました。また従来から5年毎に給付と負担を見直す財政再計算の制度を取入れています。今年はその財政再計算の年、どんな改正なることか不安です。

(2)公的年金制度の体系

  公的年金は2階建てまたは3階建ての制度といわれています。下の図のように、全国民(20歳以上60歳未満)が加入し、基礎的給付を行う国民年金と、それに上乗せして報酬比例の年金を支給する民間対象の厚生年金と公務員等を対象とする共済年金の被用者年金からなっています。自営業者に対する基礎年金の上乗せ年金としては国民年金基金制度があり、厚生年金の上乗せ年金としては厚生年金基金制度があります。
  共済年金は、国家公務員等共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済組合、農林漁業団体共済組合の4つの団体からなっています。



3)国民年金

  国民年金についてのポイントは次の点です。
1号被保険者 自営業者、学生、無職の人など(20歳以上60歳未満)

  2号被保険者 サラリーマンやOLや公務員など被用者保険に入っている人

  3号被保険者 家庭の主婦など第2号被保険者の被扶養配偶者(20歳以上60歳未満)

・第1号被保険者の月額保険料(平成10年度) 13,300円(毎年500円ずつ引き上げ予定)
  第2号被保険者は厚生年金の保険料に国民年金の保険料が含まれており、第3号被保険者については配偶者の厚生年金保険料でカバーされていることになっています。
・老齢基礎年金は25以上の加入が条件。ただし、生年月日により期間短縮の特例があります。
・給付の内容(給付額は前年の物価上昇率に応じてスライドされます)
  老齢基礎年金 65歳から支給され、原則40年の加入期間にまるまる加入している人の老齢基礎年金の平成10年度の年額は 799,500円(月額66,625円)です。保険料を納付した期間が短いとその期間に応じた額となります。
   ただ、国民年金発足時の昭和3641日にすでに20歳以上だった人(昭和1641日以前生まれの人)は40加入できないため加入可能年数を満たしていれば満額の年金がもらえます。  なお、希望すれば60歳からももらえますが、支給開始年齢に応じて減額された額が一生の間変わらないため、特別の事情のない限りやめたほうがいいでしょう。

  障害基礎年金 障害等級の1級と2級の障害者に対して支給されます。2級の年金額は満額の老齢基11礎年金と同額、1級の年金額はその1.25倍です。18歳未満の子供がいると加算額が加わります。

  遺族基礎年金 18歳未満の子のある妻または18歳未満の子に対して支給されます。支給額は満額の老齢基礎年金の額に18歳未満の子供の数に応じた額が加算されます。
  ここで18歳未満とは18歳に達する日以後の最初の331日までの間にある子のことで高校卒業までといってもいいでしょう。
  なお60歳以上65歳未満の妻には寡婦年金が出ます。それ以外は、死亡一時金が支給されますがとても払い込んだ保険料には見合わない感じです。

(4)厚生年金保険(共済年金もほぼ同じです)

・保険料は標準報酬月額(9万2千円から59万円までの30等級)の17.35%、ボーナスの1%で、労使で折半。
・老齢厚生年金の受給資格は老齢基礎年金の受給資格(原則25年以上)を満たし、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金は加入期間1年以上、65歳以降の老齢厚生年金は加入期間1月以上です。
・給付の内容(基礎年金と同様に給付額は前年の物価上昇率に応じてスライドされます)
  老齢厚生年金 昭和1641日以前生まれの人は60歳から特別支給の老齢厚生年金が、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給されます。呼び方は変わりますが支給総額は同額です。
平成104 月のモデル年金額は242,000円です。この金額は平均ではなく、40年間保険料を支払った夫の基礎年金、妻の基礎年金、夫の報酬比例部分を含んだ額です。なお平成94月に年金を受け始めた男子の平均額は201,000円となっています。比例報酬部分の計算は標準報酬月額に加入期間をかけて調整した額となります。

  障害厚生年金 1級と2級の障害者に加えて3級の障害者にも障害厚生年金が支給されます。障害の程度が軽く、年金の支給対象にならない場合でも障害の程度によっては障害手当金が一時金として支給されます。障害基礎年金にも言えることですが、初診日において被保険者であることが大前提です。障害厚生年金の額は標準報酬月額に加入期間(25年未満のときは300月として計算)をかけて調整した額をベースに障害等級に応じて増額されます。

  遺族厚生年金 一定の条件を満たした配偶者と子、父母、孫、祖父母のいずれかにその順で支給されます。年金額は死亡した人に支給される老齢厚生年金(比例報酬部分)の4分の3の金額ですが、被保険者の死亡事由によって2つの計算方法があり選択可能です。

・昭和16年4月2日以降生まれの男性および昭和21年4月2日以降生まれの女性は特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が生年月日に応じて順次61歳から65歳に引き上げられます。
60歳台前半の就労者は在職老齢年金を受給します。年金は一律20%カットされ、給与の額に応じて減額されます。給与がおよそ月額36万円を超えると、年金は全額支給停止となります。
・60歳から65歳未満の間に支給される特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した人が、雇用保険の失業給付を受けられる間は老齢厚生年金は支給停止になります。対象者は、昭和13年4月2日以降生まれの男性、昭和14年4月2日以降生まれの女性です。

  以上年金制度の現状についてです。次回は年金を取り巻く問題点について考えてみましょう。


南国 延岡からの便り                                                                高橋捷夫

◆日本アイビーエムを退職し宮崎県延岡市でパソコンショップを開いている昔の仲間の高橋さんに、不況にもめげず地方都市で頑張っている自営業者の奮闘記をお願いしましたら、さわやかな一文が届きました。ちょっと躱された感じですが、かえってさりげない文章の中に不況に負けない心意気が感じられます。なお、高橋さんのホームページは        http://www.sun-net.ne.jp/~c-s-t/  です◆  

  1998年、今年は何もかもおかしな一年でした。
政治も経済も、そして自然も。
  そんな今年の収穫は「むかご採り」の楽しみを覚えたことでしょうか。むかごが今年は豊作だったんでしょうね!国道沿いに車を走らせていると草や木にからみついたむかごの葉っぱがやたらと目に付きました。さすがに平日の日中から「むかご採り」はできませんが、休日にはブラリと出かけて気の済むまで「むかご採り」を楽しみました。
  一日の収穫は両手で二すくいくらいでしょうか。
それでも夫婦二人世帯では食べきれませんので近所に分けました。「連れていって!」のリクエストに応えて年より孝行もできました。
  去年は柿が豊作でしたが勝手に取るわけにもいきませんでした。しかし「むかご」なら誰の遠慮もいりませんので気楽です。来年は何が採れるのでしょうか?楽しみです。
  むかご1パック500円。 (20−30粒)
  両手二すくいで5000円?
  料理・・・むかごご飯、塩味のむかご煮など
  むかごの根っこは自然薯(じねんじょ:山芋)です。だから精力が付くかも???
  これが私の不況対策です。

 
延岡に帰ったのは1982年だったと思います。
早いものでもう17年、すっかり田舎人になりきっています。
  そうこうするうちに春が来ますね! 一年が経つのは早い。お客さんにハムスターの子供を一匹もらい飼い始めました。お客さんからよく季節の貰い物をします。田舎の商売の余禄でしょうか。
  今の仕事はパソコン屋さんです。

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