テキスト ボックス: 高齢者の豊かな生活のために                       1999年6月20日発行
手 賀 沼 通 信 (第15号)    〒270-1147 千葉県我孫子市若松151-3
  (TEL&FAX:0471-83-2898) (E-mail:y-nitta@mvc.biglobe.ne.jp)             新田良昭

  今月は学習がテーマです。
  私の名刺には「生涯学習」と「生き生きネットワーク」というモットーを入れています。以前、資生堂会長の福原義春さんの講演に感動し、「手賀沼通信」を添えてお手紙を差しあげたところ、福原さんの「生きることは学ぶこと」という著書をいただきました。「人の一生は学ぶことにあり」ということを氏のいろいろな体験をまじえて書かれたもので、日頃私の考えているとおりの内容に大変うれしく思ったものです。
  学習する高齢者が増えています。若い人が勉強しなくなった分、代わりに中高年の勉強姿勢が目立つようになったのかもしれません。各種の学校も大はやりです。自分に投資することは大切ですが、今日は勉強する時間はあるがあまりお金をかけたくないという方に、私のささやかな例をご紹介しましょう。


無料のセミナーを探す

  その気になって探すと、無料のセミナーや講演会はいっぱいあります。次ページの表は、今年になって私が申し込んだセミナーと講演会です。25講座のうち20の講座に参加しました。申込は先着順か抽選で受け付けられます。あとの5つは選に外れたため断られました。原則無料ですが、コースによっては資料代として1000円あるいは500円徴収される場合もあります。
  これらの講座は日経新聞、読売新聞、我孫子市広報、講読している雑誌などで見つけたものです。中には前に一度参加したため、ダイレクトメールで知らせてきたものもあります。私が目にしたものだけでこんなにあります。義父がとってる朝日新聞にも目を通せばもっと見つかったかもしれません。
  さらにもう少し見方を変えるとると無料の勉強の機会は大きく広がります。
  最近増えたのが幕張メッセや東京ビッグサイトで開催されるハイテク関連のフェアやフォーラムです。アイビーエムやヒューレットパッカードやオラクルなどのフォーラムなどがその例ですが、その案内はパソコン雑誌や新聞の広告欄に出ています。また無料で毎日送られてくる日経ビズテックの電子メールにもこのような案内がのります。入場券はインターネットやFAXで申し込めば手に入るようになっています。フェアやフォーラムには展示会とともに講演会がセットされていることが多く、興味深い話を聞くことができます。
  国や都道府県やその外郭団体主催のコースもよく目に付きますが、特に熱心なのは東京都です。今後は厳しい財政事情で減るかもしれませんが、各種のセミナーを実施しています。私も今までに東京都中高年勤労者福祉推進員養成講座やサラリーマンバックアップセミナーなどに出席し、無料で多くのことを学びました。
  先日、武道館から東京駅まで歩いているとき、国立公文書館で「公文書に見る歴史上の人物展」の看板があったので入ってみました。維新の元勲にまつわる公文書が歴史上の出来事にあわせて整理されて展示されており、見ごたえのある展示会でした。思わぬ拾い物をした感じになりました。
  業界団体や企業主催の証券投資、資産運用などお金に関する講座も増えています。ただ、金などの商品取引会社主催の経済セミナーなどに出席するとあとから営業マンの攻勢を覚悟する必要があります。
  これらの勉強の機会は、地方都市に比べて、やはり首都圏の住民のほうが多いと思います。過密都市に住むデメリットもいろいろありますが、情報が集中することやそれを利用する機会が多いことは大都市のメリットの1つでしょう。

セミナー・フォーラム・シンポジュームなど

日時

名前

テーマ

場所

主催者

講師・パネリストほか

1/30

東京都中高年勤労者福祉推進員情報交換研究会

中高年齢者の再雇用と能力開発

労働スクエア

東京都労働経済局

森下一乗・石井潔・岡本良夫・中川順子

1/31

手賀沼の野鳥講座(2回目)

鳥の子育てについて

我孫子中央公民館

我孫子中央公民館

斉藤安行(我孫子鳥の博物館)

2/2

ダイワの新春特別経済講演会

加速する企業の経営革新と株式市場

東京国際フォーラム

大和證券

東英治(大和総研・企業調査本部長)

2/2

日米シンポジウム・株式電子取引の新潮流

日本における電子化システムへの取り組みと今後の課題

日経ホール

日本経済新聞社

ベッカー・ケッチャム・グリーバー・ルピエン・関要・寺田徳・淵田康之・内田茂男

2/3

株式投資一日講座

最近の株式市場から

東京証券会館

証券広報センター

中野充弘

2/13

手賀沼流域フォーラム

手賀沼を楽しむ−環境学習を中心に

我孫子市民会館

我孫子市・柏市・沼南町・山階鳥類研

江戸家小猫・斉藤哲瑯ほか

2/20

生きがい探検講座パートV

豊かな人生を考えるための秘訣

エスパ

我孫子市生きがい作りアドバイザー協議会

杉山邦夫・栗原忠聖ほか

2/21

介護保険

介護保険21世紀への展望

中野サンプラザ

東京都地域福祉財団

樋口恵子・村田幸子・井上千津子・大橋謙策・岡本祐三・竹永睦男

2/22

経済情報フォーラム

21世紀・日本経済復活の条件

日経ホール

日経ホーム出版社

斉藤精一郎・行天豊雄

2/26

日仏国際フォーラム

企業経営とグローバリズム・異文化への感受性と受容性

日経ホール

日本経済新聞社

トロットマン・ペイユ・福原義春・ロレンゾー・篠沢英夫・深井晃子・玉村豊男

2/27

中高年者サークル東京交流集会’99

踏みだそう 続けよう 広げよう

東京いきいきライフ推進センター

東京いきいきライフ推進センター

吉田桂子・平賀圭子・奈良環

2/28

手賀沼の野鳥講座(3回目)

手賀沼のコブハクチョウについて

我孫子中央公民館

我孫子中央公民館

斉藤安行(我孫子鳥の博物館)

3/2

医療最前線

漢方医学の役割

読売ホール

読売新聞社

寺澤捷年・丁宗鐵・アグネスチャン・白杉悦雄・九鬼伸夫・大谷克弥

3/12

世界情報通信サミット

新しいネットワーク経済の創造

日経ホール

日本経済新聞社

ビルゲイツ・西室泰三・シュレーダー・スクラボス・立川啓治・吹野博志

3/17

中小企業金融対策シンポジウム

これからの資金調達を考える

東京国際フォーラム

東京都

竹中平蔵・中沢孝夫・志太勤・熊野英昭・山本俊一・斉藤修一

3/23

ドコモプレステージトーク’99

DoCoMo1000万突破記念講演

ホテルオークラ

NTT DoCoMo

ローレンスクライン・渡辺淳一

3/31

読売国際会議開幕フォーラム

ユーロの衝撃−ドルと円の行方

パレスホテル

読売新聞社

ヴィットリオヴォルピ・田中直毅・リチャードクー・榊原英資・大場智満

4/12

中央学院大学オープンカレッジ

仇討ちの法理−現代から見た元禄忠臣蔵

中央学院大学

中央学院大学-アクティブセンター

重松一義

4/14

21世紀のふるさとづくり’99

地域の自立と共生を目指して

九段会館大ホール

全国55新聞社

中坊公平・立松和平・堀田力・栗山富夫・伊藤滋・野中ともよ

4/15

中央学院大学オープンカレッジ

誰が相続人になるのか

中央学院大学

中央学院大学-アクティブセンター

宇都宮充夫

4/19

「不動産鑑定評価の日」第3回記念講演会

日本経済の行方

日経ホール

日本不動産鑑定協会

竹中平蔵

5/3

第20回憲法を考える市民の集い

時代を読む-21世紀のくらしと社会は

我孫子市民会館

憲法を考える市民の集い実行委員会

田原総一朗

5/11

中央学院大学オープンカレッジ

消費者から見た製造物責任法

中央学院大学

中央学院大学-アクティブセンター

石川美明

5/12-13

国際情報シンポジウム’99

デジタル社会の実情を探る

全日空ホテル

読売新聞社/NHK

石井威望・カレンスミス・武藤佳恭・ロイニール他

5/18

2000年プロジェクト

20世紀から21世紀へ

帝国ホテル

日本経済新聞社

樋口廣太郎・伊藤正男


英語の勉強をやり直す

  いま、英語の勉強をやり直しています。といってもとくに英語を使う必要が出てきたわけではありません。動機はテレビの英語のニュースやドラマを吹き替えなしでわかるようになりたいと感じたことと散歩の時間を有効に利用したいといった軽い気持ちからです。
  外資系の日本IBMに長くいたのでよく人からは英語ができると誤解されます。ところが恥ずかしながら、この歳になってもアメリカ本土には行ったことがありません。仕事で海外出張したのは、コンベンションという年に1度の海外でのお祭り騒ぎに何度か招待されたのを除くと、韓国とオーストラリアに行っただけです。その度に自分の言いたいことが相手に十分伝わらないもどかしさを感じていました。
  仕事がら英語で書かれたマニュアルを読む機会はいやになるほどありました。また、15年くらい前から当時はあまり普及していなかった電子メールを使って海外のIBMとやり取りをしていました。そのため読むことと書くことは人並みではないかと思いますが、聞くこと、話すことがだめなのです。

  アコムに入社してから海外での研修に同行するインストラクターと一緒にNOVAで英会話を勉強する機会がありました。NOVAはレベルによってクラス分けをし、最大3人のクラスで、自分の希望する時間を予約します。先生も生徒も若い女性が多く楽しい授業でしたが、話題が身の回りのことに限られており、ビジネスマンには物足りない感じでした。また、アコムでは社員の資格取得の推進役をかねていたので、率先垂範で英検準1級に挑戦し4度目でなんとか合格しました。しかし資格をとっただけではなんの意味もありません。洋画を見ても英語はなかなか頭に入ってきません。

  英会話の基本はリスニングにあるといわれています。TOEICは読むことと聞くことで英語力を評価しますが、リスニングと会話力の相関関係は学問的にも説明できるそうです。
  そこでリスニング力を付けようと思い立ち、今年の2月からNHKの英会話講座を利用することにしました。英会話学校はかなりお金がかかりますが、ラジオなら無料です。NHKのラジオ講座は基礎英語T、基礎英語U、基礎英語V、英会話入門、英会話、やさしいビジネス英語の6コースがあり、この順で難しくなります。やさしいビジネス英語は決してやさしくはありません。朝6時から7時までが最初の4コースで、あとの2コースは夜11時20分から11時まで、NHK第2放送です。
  朝の4コースはパスして、夜の2コースをカセットに録音し、歩きながら聞いています。都内を歩くときは危険なので止めますが、田舎道は集中できます。テレビよりもラジオ番組の方が効率的です。
  リスニングは毎日少しずつ上達するのではなく、ある日突然理解できる時がくるといわれています。4ヵ月がたちますが、まだその兆候はありません。もう少し続けてみようと考えています。
  読むほうはフレデリック・フォーサイスの「The Fist of God」やケン・フォレットの「The Pillars of the Earth」など小説の大作を読みました。いま読んでいるパトリシア・コーンウェルが終わったら、シドニー・シェルダンの新作「Tell me Your Dreams」が待っています。


石原都知事就任祝賀会出席

  5月12日に如水会館で行われた「石原慎太郎君の都知事就任を祝う会」に出席してきました。この会は石原都知事の母校の一橋大学昭和31年度卒業生と如水会(一橋OBの会)の有志が主催したもので、いわば同窓会の延長、ちょっと珍しいことがあったからみんなで集まり、お祝いしたり励ましたりしてやろうといった主旨でした。
  私は石原氏が卒業した年に入学したためとくに面識はありません。また東京都民でもないため、選挙で投票したわけでもありませんが、会費が5000円とこのような立食パーティにしては安かったのと、いつもの野次馬精神で参加してみました。
  石原都知事は6時30分頃に到着、薄いグレーのダブルの背広に紺のハンカチ、紺系のネクタイ、薄い紺色のワイシャツに長身の身をつつみ、カッコ良さは67歳になっても変わりません。目をぱちくりする癖はご愛敬ですが、自信に満ち溢れた態度でいかにも今日の集まりを楽しんでいるといった様子です。会場は長老から若い人まで約700名が集まって、押し合い圧し合いの状態、如水会館始まって以来の記録だそうです。一橋は以前は女性の極端に少ない学校でしたが、最近は大分増えたようで、年配者の中にちらほら若い女性の姿が混じっているのが大変新鮮に感じられました。
  会は和気あいあいの雰囲気で始まりました。司会者が「石原君は新聞記事によるとなかなかしたたかのようだが」と切り出すと、「この年になると誰でもしたたかになれるよ」と切り返し最初から爆笑の渦です。ただ都政については「今日は報道関係者も入っているので、お付きの人が発言を控えるようにと言っていますから…」との司会者の言葉もあってか、抑えたトーンでした。
  ゲストスピーチには石一橋大学長のほか伊藤助成日本生命会長や奥田碩トヨタ会長など財界を代表するお歴歴が交代で登場しました。おそらくゲストスピーチの顔ぶれを絞るのにかなり苦労したのではないかと思います。なかには壇上のゲストの話そっちのけで、久しぶりの旧交を温めているグループもいました。
  石原都知事と同期で、現在プロ野球セ・リーグ会長の高原須美子さんをお見かけしましたので、最下位に低迷し私が今一番心を痛めている読売ジャイアンツについて、「ジャイアンツはどうしたら勝てますか」とお聞きしたところ、即座に「それは監督に聞いてください」とかわされました。
  あまりの混雑にゆっくり料理を楽しんでいる暇はなく、あっという間の2時間でしたが、最後はお決まりの「一橋会歌」を斉唱してお開きとなりました。石原氏も壇上で旗を振りながら蛮声()を張り上げていました。
  石原新都知事がこれから財政再建にゆれる東京都をどう変えていくか楽しみです。

inserted by FC2 system