テキスト ボックス: 高齢者の豊かな生活のために   1999年8月20日発行      新田ライフプランニング
手 賀 沼 通 信 (第17号)     〒270-1147 千葉県我孫子市若松151-3
  (TEL&FAX:0471-83-2898) (E-mail:y-nitta@mvc.biglobe.ne.jp)             新田良昭

  今月もすばらしい「定年後」の人生をおくっておられる方をご紹介いたします。第2の人生をボランティア活動に打ち込んでおられる森さんです。
  森さんとは、我孫子市の「健康生きがいづくりアドバイザー協議会」の月例会で知り合いました。その時森さんのボランティア活動のお話をうかがい、ぜひにとお願いしてこの原稿をいただきました。


特別寄稿
自分に適した生きがいづくり                    森正男

 平成7年3月20日新聞関係の企業を60才で定年退職しました。定年を期に更にもう少し働くべきか迷いましたが、自分は余り身体も丈夫な方ではないし、家庭の事情で15才から苦学をし乍働いたので勤労時間からすれば十分と判断しました。
 さて、いよいよ自由の身になった訳です。話はさかのぼりますが定年の3年程前から将来定年後に何を生きがいにしたらよいか模索していましたが、なかなか見つからず悩んでいた時期がありました。平成4年11月18日の朝日新聞に「定年後の生きがいを地域で発見しょう」という見出しが目に止まりました。地域貢献、趣味、ボランティアなどの取り組みの中から本当の生きがいを見付けようとありました。第1回目の会合が12月5日に開かれ、「自分にとって一番大切なものに取り組む事が生きがいであり、人の役に立っていることが現役と言うことです」と講師の話を聞き目からうろこが落ちた思いでした。少し将来の方向が見えて来た様に思いました。
  ◎健康、経済、心、のバランスの大切さ
  ◎ボランティア、趣味、地域活動
をバランス良く行うことが生きがいに通じること等を学びました。前置きが長くなりましたが定年後の4年間を記してみます。

ボランティア活動

・身体障害者授産施設いずみ園
  妻の方が私より2年程前から行く様になりました。18才以上の重度障害者施設です。作業の手伝い、縫製、紙粘土(牛乳パックを粘土にしてブローチなどを作る)、革細工(小銭入れ、印鑑入れ)園芸、食事の介助
  重度の障害者が一生懸命に生きる姿を目の当たりにして自分は少なくとも五体満足いろんな意味で勇気と生きることの大切さを学びました。

・特別養護老人ホーム輝陽園
 定年後間もなくホームヘルパーの資格を取りましたので学んだ事を生かしたいのでリネン交換に月に1回行く様にしています。

・特別養護老人ホーム初石苑
 地域の仲間で「ぐるーぷ あい」と言うボランティアグループを結成、毎週水曜日午後にリネン交換、洗濯物のたたみ、男性2名、女性7名のグループでお互いに人間関係が出来て作業も楽しくしています。

・特別養護老人ホーム八幡苑
  生涯現役ときわ会の「樅の会」毎月第1、第3土曜日午後にマッサージの練習をしています。その成果を生かして毎週木曜日午後にお年寄りの肩もみと対話、自分の親と思って心を込めてしています、話の内容は何時も同じでも常に新鮮な気持ちで接しています。

・マジックの会TOMAC
 平成5年5月に結成しました。毎月第1、第3土曜日の午前中に練習と発表会その成果を特養老人ホーム、ディーサービス、障害者施設、学校の親子会、幼稚園、敬老会、病院の老人病棟等等を訪問して慰問活動を行っています。年間10ケ所位行い、とても喜ばれています。自分のボランティア活動の中で大きなウエートを占めています。人の前で演じる事はプレッシャーがありますが終わった後の達成感は格別です。

・地区社協
 今年から地域の行事にも出来るだけ参加する様にしています。取り敢えず評議員になって、地域活動や仲間つくりを心掛けています。

・すずらんの会
 南流山地区の人達が集まって慰問団を結成しました。私がマジック、他に三味線、踊り、フラダンス、歌等多彩な芸人?が集まって特養老人ホーム、ケアハウス、ディサービス等毎月1回慰問に回ります。

  以上が主なものですが、他に時々呼び出されては出掛けていきます。

趣 味

・社交ダンス
 妻と共通の趣味です。毎週日曜日午前9時〜11時までレッスンに行きます。なかなか上達しなくて困りますが、身体を動かして汗をかくことは健康に良いです。

・家庭菜園
 仲間が大勢出来たお陰で方々に声を掛けたところ80坪程借りる事が出来ました。毎朝早く起きて朝食前に畑に行き土いじりをしてきます。色々と研究していますので収穫が沢山で野菜は殆ど買わずに済みます。近所や仲間に配って喜ばれていますが、何より健康にいいと思います。

・詩吟 
  お腹の底から声を出す、詩の背景、漢詩の勉強、一字一句詩の意味を理解して感情を表現する、奥深いものです。毎週土曜日夜6時半から稽古に行ってます。今年4月におまけで5段になり、祥盛 名を戴きました。

・マジック
 趣味をボランティアに生かしています。

・パソコン
 文章、表計算、インターネット、範囲が広く楽しいものです。只今ホームページの作成を勉強中です。

・歩こう会
 毎月1回第1月曜日に地域の仲間と近郊の名所を歩きます。

  以上が定年後の日常生活ですが決して自慢の出来るものでは有りませんが、人それぞれの生き方が有るのは当然ですが、各自が自分に合ったものを勇気を持って実行すれば、生きがいは自ずと見つかります。最後に私が色々なボランティアを経験して得たことは、人の話を聞くのも必要ですが、一番大切なことは、自ら入り込んで体験しなければ本当の事は分からないと言う事です。障害者や、痴呆老人との対応の仕方など講演会でよく聞きますが、対応の仕方は千差万別で、各自の体験の中から覚えて行くものと思います。ボランティアは無理なく、自然体でと言われますが、私の場合は、少し頑張ろう精神が必要です。自分は人より怠け者だから、無理せず、自然体だと楽な方向に行ってしまうと思います。更にボランティア活動で一番好きなところはお互いに相手を思いやる心が旺盛で、全て平等であることです。


変わり始めた株主総会

  今年もまた株主総会のレポートをお届けいたします。次のパソコンの話と一緒に編集の都合で1ヵ月遅れの掲載となりました。
  昨年は、大幅赤字や不祥事でいろいろと問題があった日産自動車と日興証券についてまとめましたが、今年は4月に事業再編を行ったばかりの「大和證券グループ本社」と事業再編を目前にひかえた「NTT」の総会に行ってきました。昨年の株主総会の後、それまで持っていた数種類の株をすべて売り払い、何種類かの株を買い直しました。そのうち面白そうな2つの会社を選んでみました。できれば他の会社にも出席してみたかったのですが、今年も大和証券グループの6月25日に109社、NTTの6月29日に2227社が集中し、相変わらず株主の便宜よりも総会屋対策優先の日程となりました。
  ただ昨年比べると、ひな壇の役員が頭を下げっぱなしの総会ではなく、株価がもち直してきたタイミングもあってか、株主の意見に耳を傾け、質問にも正面から答えようという気運が多少なりとも見られ、また社員株主を使ってのガードもかなり控え目となっていました。面白かったのは、NTTの社員株主の拍手があまりに見事にコントロールされていて決まった時間でぴったり終わるため、質問者の1人から拍手は録音テープを流しているのではないかとの質問があったことです。きっとリハーサルに十分時間をかけた結果なのでしょう。
  新聞にも「株主総会にも変革の兆し」「目立った長時間開催」「株主次々と積極発言」などの見出しが見られ、今年の株主総会の特徴を示しているようでした。

1.大和証券グループ

  大和證券グループ本社9階会議室で開催された今年の株主総会は、旧大和証券の業績を発表する最後の総会で、持株会社としては最初の総会となりました。350人位入れる会場はところどころ空席が目立ち、昨年の日興証券のようにぴりぴりした雰囲気はありません。後で新聞を見ると、今年の出席者は256人で、昨年の396人から大幅に減っていました。日興証券も大幅に減ったようです。やはり、昨年の小池事件のようにニュースバリューのある事件がなかったからかも知れません。
  恒例にしたがって議長席には原良也社長が登壇し、挨拶の後、昨年度の業績をスクリーンを使って説明しました。昨年度は営業利益は前年度に比べて大幅に改善されたのですが、ノンバンク3社の不良債権処理と海外子会社の損失補填のため特別損失2628億円を計上した結果、1169億円の赤字を出したことを淡々と説明しました。大変な赤字なのですが、あまりに冷静に説明されると、なんとなく聞き流してしまいます。その後は、当日提案している4つの議案についての説明があり、続いて、前もって届いている質問とそれに対する答えを10数分で終えた後、会場からの質疑応答に入りました。
  最初の質問者、2人目の質問者ともありきたりの質問で「今日は早く終わるな」という感じを持っていましたが、3人目の質問者が曲者でした。自分の意見を長々と聞かせながら、鋭い質問と嫌がらせと取れる質問を繰り返し、結局11回マイクの前に立つこととなりました。総会屋なのか一般株主なのかは判断がつきかねましたが、余りしつこいため、他の一般株主から「ワンマンショーを聞きに来たのではないぞ」という野次が飛び、最後はなんとなく引き下がるという余り格好の良くないスタンドプレイとなりました。
  質問者は全部で9人、終わったのは12時40分で2時間40分の総会でした。感心したのは、いいかげんにして欲しいと感じられるような質問に対しても、原社長がいやな顔をせず、丁寧かつ冷静に答えていたことです。

2.NTT

  NTTの株主総会は新高輪プリンスホテルの国際館パミールで2028人の株主が出席して開催されました。こちらは昨年の1416人から比べると大幅な増加です。おそらくNTTを4社に分け、持株会社に移行する直前の総会だったため株主の関心を引いたのではないかと思います。この会場はプロ野球のドラフト会議などに使用される大きなホールです。正面のひな壇には瀬島龍三取締役を除く宮津社長以下約30名の役員が居並び物々しい雰囲気です。
  総会は宮津社長のワンマン体制で終始しました。言葉使いこそ丁寧でしたが、株主の質問に対して自分で答えることは一切せず傲慢ともいえる態度でした。何人かの株主から、宮津社長の肉声が聞きたいとか、宮津社長自身のお考えを聞きたいと言う質問がありましたが、議長としてすべての質問の回答を部下の役員に割り振り、自分では答えず見事と言ってよい徹底振りでした。
  独占企業としての昔からの体質なのか、日本一の会社としての自負なのか、子会社のNTTドコモを含めて最近の株高を反映した結果なのか、あるいは新聞紙上などで見られる宮津社長の強気な性格なのかは分かりませんが、最後は強引に質問を打ち切り、株主の怒号の中、約2時間10分で終了しました。
  質問者は9名、NTTの再編やリストラ、インターネットの常時接続など、株主にとって関心の高い真剣な質問がほとんどだったため、もう少し実のある回答が欲しかったように思います。


パソコン故障顛末記

  4月下旬に昨年11月に購入した日立のノートパソコン突然壊れました。電源を入れると変な音がして、HITACHIのマークが出たところで止まってしまいました。
  このパソコンは初心者の家内のために買ったもので、たまにメールを送受信したり、ゲームを楽しんでいたくらいで、ほとんど使っていない状態でした。ただ、私のパソコンのバックアップに使うため、いろいろなソフトを追加していました。そこで、多分ソフトの入れ方を間違ったのだろうと考えました。まさか買って半年足らずで故障するはずはないだろうと思ったのです。
  あれこれ思いつくことをやってみましたが先に進みません。しかたがないので「FLORA安心コールセンター」に電話しました。パソコンメーカーのコールセンターは電話がつながらないことで有名です。ところが驚いたことに一発でつながりました。2度目に掛けたときも1度でつながりました。うれしくなってセンターの若い()女性サービス係の人の言うとおりいろいろ試みましたが、やっぱり動きません。最後は、「お持ち込み修理窓口にご相談ください」ということになりました。

  そこで柏にあるお持ち込み修理窓口「日立電子サービス」へ持って行きました。最初は2週間くらい時間を下さいといわれました。ところが直ったのは4週間後でした。ハードディスクとボードを1枚交換したそうです。保証期間内のため無料です。
  CPU233メガヘルツ、メモリー64メガバイト、HDD3.2ギガバイトで20万8千円のノートパソコンですが、購入5ヵ月で故障し、無料でハードディスクとボード1枚を交換、それ以外に安心コールセンターの運営費や日立電子サービスへの修理費の支払いがあるはずです。なるほどこれではパソコンメーカーが赤字にならないはずがないと感じました。
  修理完了後は購入時と同じ状態で返却ということになっているはずでしたが、戻ってきたときはウィンドウズといろいろなプロバイダーへの接続ソフトが入っているだけでした。買ったときに入っていたワードやエクセルが入っていません。自分で入れればいいと思い、購入時についてきた再インストールCDからインストールしようとしましたが、驚いたことにワードもエクセルも再インストールCDの中に見つからないのです。よそから調達してなんとか元に戻しましたが、買った時のパソコンには入っていたわけですから、再インストールCDに入れておくのが常識です。
  次はインターネットと電子メールへの接続のセットアップです。ところが私の加入しているインターネットプロバイダーにつないで、家内のメールアドレスを追加するだけのことに半日もかかってしまいました。ちょっとした指定ミスが原因でしたが、ソフトのインストールに手間取って冷静さを失ったのが、指定ミスにつながったようです。
  今年は家庭用パソコンが売れているようですが、使えるようになるまでは簡単にはいかないものです。特に初心者にとってはセットアップが問題のようです。もっと簡単に使えるものが出てきて欲しいと感じた今回の故障でした。

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