テキスト ボックス: 高齢者の豊かな生活のために   1999年9月20日発行      新田ライフプランニング
手 賀 沼 通 信 (第18号)     〒270-1147 千葉県我孫子市若松151-3
  (TEL&FAX:0471-83-2898) (E-mail:y-nitta@mvc.biglobe.ne.jp)             新田良昭

  今月のテーマは中高齢者にとって一番関心のある健康です。

  先日、日本アイ・ビー・エムの知人がガンで亡くなりました。59歳でした。4月には松山南高校時代の同窓生がプールで水泳中に具合が悪くなり、脳溢血で亡くなりました。61歳でした。アコムで一緒に仕事をしていた1歳上の先輩も昨年脳梗塞で倒れ療養中です。
  私も毎日高血圧の薬を飲み、眼圧を下げる目薬を差しています。眼圧が高くなると失明につながる緑内障になる恐れがあります。また、軽い糖尿病の気があるため、毎日1万歩あるくことを日課としています。
  男性の平均年齢は76歳を超えていますが、50台60台でなくなる方も少なくありません。しかしいくら長生きしても寝たきりやボケ老人では生きている甲斐がないでしょう。健康で長生きして、死ぬときはポックリいく−それがみんなの願いだと思います。
  今回は脳梗塞であわやという経験をされ、見事病気に打ち勝った大学時代の友人の納谷さんから貴重な体験談をいただきました。闘病記の中で詳しく述べられていますので納谷さんの経歴は省略いたしますが、同窓会で久しぶりに会ったとき、病気のお話を伺い無理にお願いしてこの原稿を書いていただきました。自分の病気について書くのは大変勇気の要ることです。母上の看護と介護に東京と大阪を忙しく往復されながら寄稿していただいた納谷さんに心から敬意を表したいと思います。


特別寄稿
私の闘病記                                               納谷浩一郎                                                
  平成9913日〔土)午後2時頃、拙宅2階書斎兼寝室でパソコン操作中、小脳に血栓が詰まる脳梗塞をおこし、そのままベッドに倒れこみました。
  以下はその闘病記録と私が得た経験を書きましたので、参考にしていただければ幸いです。

  初めに、自己紹介をかねて、私の闘病生活の前提となることをまとめておきます。
  私は新田さんと大学の同期生で、昭和35年卒業後日産自動車の出来立ての輸出部門に1期生として直ちに配属され、以来30年近く中近東市場を担当するスペッシャリストとして主として勤務しました。今年の10月で64歳となり今は引退の身です。45歳から4年間、サウデイアラビアのジェッダに駐在した経験もある典型的会社人間で、健康についてはあまり関心がなく好き勝手なことをやっていました。(駐在後は高血圧を気にはしていましたが)
  一方、私は日本では珍しいクリスチャンで、今は東京、阿佐ヶ谷にある久遠キリスト教会の聖歌隊の指導をしながらアメリカの教会から派遣されている25歳の若いアメリカ女性が近所の人や教会員に英会話を教えているお手伝いをしています。といっても私は敬虔なクリスチャンと言うよりは、大学時代から音楽が好きで、今でも大学同期の連中と合唱を楽しんでおり、また、聖書の舞台である中近東に慣れ親しんできた為、キリスト教に違和感はなく、深く考えることもなくクリスチャンになった次第です。

  さて、話を当日に戻しますが、全く突然の出来事でした。意識ははっきりしていたのですが、丁度ひどい二日酔いのように天井がくるくるまわるので目をつぶってベッドに寝る以外にありませんでした。立とうとするとひどい吐き気が襲い、平行感覚が全くありませんでした。生憎、家内は外出中で、1時間ばかりじっと寝ていました。やがて家内が帰りびっくりして救急車を呼び、救護員の方が2階まで上がり担架に乗せられ近くの武蔵野日赤病院に運ばれました。3連休の最初の日だったので、学校でたての若い女医さんしかおらず、血圧と頭のCTをとり、即入院ということになりました。個室の一番広い部屋しかなく、衣服もそのままで動かないようにベッドに括り付けられ、鼻に入れられた管から酸素を供給され、2本の点滴が行われました。見るも無残な格好だったのではないでしょうか?
  実は、1週間後に私の伊豆にある家で大学時代のの音楽部の同期の連中と恒例になっている合宿とゴルフをやる予定があり、よもやこんな事態となるとは思ってもいなかったので、家内に皆に緊急連絡するように頼みました。一方教会では恒例の12月のクリスマス・コンサートの為の曲決めと初練習を次の日にすることになっておりこれも不可能になりました。
  翌日の日曜日の朝、礼拝の勤めのある牧師さんに代わり代表の方が夫婦でこられ、土色になった私の顔を見てただごとではないと思われたそうです。月曜日には、結婚して名古屋にいる娘夫婦と子供、独身の倅、義母、銀行勤めに忙しい弟が病室に集まり、大学時代の音楽部の同期の連中が次々と夫婦で見舞いに来てくれました。私は夢うつつで応対していたようですが、頭の中では教会で開かれるクリスマス・コンサートで何を歌おうか? それにしてもこの忙しいのにこんなことで皆を騒がして申し訳ないなどと思っていました。
  後で家内から聴いたのですが、医者からは8割方絶望、良くて車椅子といわれたそうで、皆んな、万が一を思い集まったそうです。大学音楽部の同期で指揮をしていた友人は、後で笑いながら、”おまえの葬式で何を歌おうかと真剣にかんがえたよ”といっていました。
  火曜日の夕方になって初めて主治医がこられ、最悪期は脱しましたと言われましたが、私はその時はきょとんとしていました。その後、ベッドに寝たきりの日が続き、次第に事の重大性がわかり、車椅子を覚悟するまでになりました。小脳は呼吸や平衡感覚などいわば生活機能をつかさどる神経の司令室で、この細胞が死ぬとほかが大丈夫でも自然と心臓が止まってしまうのだそうです。私の場合はその一歩手前で奇跡的に助かり、車椅子からも開放され、1ヶ月の入院生活と約半年間のリハビリ運動療法ですみました。入院中はほとんど毎日誰かが見舞いにきてくれ、後半はベッドにおきあがって本を読むこともでき退屈することもありませんでした。(家内は大変だったようですが)
  それ以来、2年がたちますが、後遺症として右機能が低下し、特に字を書いたり、ものを掴んだりするときの微妙な力の入れ方ができず、平衡感覚が十分ではなく、疲れると声がかすれたり喋ることがおっくうになったりすることがありますが、社会生活に支障はなく、外から見ると何ら変わらないそうです。

  一方、この出来事を通じ貴重な経験を得ましたので、それを以下にまとめてみました。
1.西洋医学は対処療法としては極めて有効であるが、人間の生命は科学データだけでは判断できない。聖路加病院の院長でクリスチャンとしても有名な日野原重明先生も”めいいと言う字は迷える医と書くのだ”といっておられる。自分の健康には責任を持ち、自然治癒力を高める必要がある。それにはこれを尊重し、体全体を見る東洋医学も無視できない威力がある。
2.リハビリ療法を通し、”継続”の重要性を認識した。その為には、義務感からではなく、”ながら”的発想が必要。例えば、ウオーキングにしても、一日何歩あるかなければと頑張るよりも、自然を楽しみながらや思索しながら歩くようにする。心を絶えず外に向けること(ストレスよりの開放にもなる)
3.人のありがたみをしみじみ感じ、謙虚な気持ちになった。職業とはいえ、看護婦さんの献身的看護には頭が下がった。学校時代の友達や奥様が何遍も見舞いに来てくれ、私のことを聞きつけたかつての会社の仲間も来てくれ、持つべきは友であることを改めて経験した。
4.゛神に祈る”経験をした。車椅子を覚悟し、自分の側〔人間の側)に何らの可能性も無いと悟った時、初めて祈ることができ、平安な気持ちになった。教会の人が来て私の為に祈ってもらった夜は、必ず看護婦さんが計ってくれた血圧は正常で、皆、不思議がっていた。聖歌隊のマネージャーと”12月のクリスマス・コンサートを成功させてほしい”と祈ったら、バイオリン奏者の女性が加わってくれ、もとNHKの歌のおねーさんをしたこともあるプロの女性も忽然と現れ、教会員となって参加してくれ、私も車椅子なしで立って指揮することができた。
  祈りによる依頼は必ず具体的にきかれるというまことに不思議な経験をした。また、世界の桁外れのベストセラーである聖書の簡潔な言葉のもつ深い意味〔多くは我々の価値観とは全く逆の真理、例えば、人間は弱いときにもっとも強いという言葉]がわかってきた。

  肉体的には、失われる機能を嘆くのではなく、残された機能とうまく共生していくこと、精神的には、広く、深く物事を見ていくことが大切であることを経験しました。
  今後どれだけこの世において頂けるかわかりませんが、いまは、"No day but today" をモットーにして、過去を振り返ることなく、ひたすら前を向いて、自分にあたえられた得意分野を生かして、人に喜んでもらえるような活動をしていきたいと願っています。
  最後に、私の好きな言葉と、感銘を受けた本をあげておきます。

マルチン・ルター ”仮にもしあした世界が滅びるとわかっても、私はきょうさらに一本のリンゴの苗木を植えるだろう” −NHKラジオドイツ語講座1999 2月号より−

柳田邦男著 ”犠牲(サクリファイス) わが息子・脳死の11日゛ 文芸春秋社

日野原重明著 ”死をどう生きたか 私の心に残る人びと゛ 中公新書


健康器具を使ってみて

  手賀沼通信第4号から8号にかけて、「健康器具を使ってみて」を連載しましたが、健康をテーマとした今月号では久方ぶりにその続きをご紹介しましょう。前回はデジカメで撮った健康器具の写真を載せました。ところがなぜかワードで写真を貼りつけるとファイルの容量が5倍から10倍近くに増えます。今回電子メールでお送りする方が増えたため受信に時間のかかる写真はやめておきます。

電解還元水(イオン水)整水器

  今ではほとんどの家庭で水道の蛇口に浄水機や整水器をつけていると聞いてます。ここでご紹介する電解還元水整水器もその1つのタイプです。
  メーカーのカタログによると、水道水を活性炭でクリーンにしたあと電気分解し、水酸イオンの多い電解還元水(イオン水)と水素イオンの多い電解酸化水(酸性水)が生成されるとなっています。飲んだり料理に使ったりするのはイオン水で、酸性水は洗顔に使ったりうどんやそばを茹でるときに使うといいようです。私の家では台所が狭いため酸性水はそのまま流していますが、四国の妹の家では酸性水をポリタンクに溜めて洗顔に使っていました。
  活性炭で浄化しただけの浄水での取水も可能です。PHの強さの指定は4段階で、イオン水が出ているときはメロディが流れて注意を引くようになっています。浄水カートリッジは取り替え式で1年間使えるそうです。
  5月に水戸へ転勤した息子が、転勤の決まったときに我孫子のイトーヨーカ堂で実演販売をしていたこの装置を買ったのがきっかけでした。家内は水にうるさくそれまでも据え置き型の浄化器を設置し2ヵ月毎にカートリッジを取り替えていました。息子がもらってきたイオン水を試しに飲んだところ美味しかったので、早速翌日購入することになったわけです。
  私は生来のいいかげんさから、なんでも飲んだり食べたりします。好きなものはありますが特に嫌いなものはなくなんでもOKです。家内に言わせると味の分からない人とのことですが、そのため水にもあまりこだわったことはありませんでした。ペットボトルの水を買って飲んだこともありません。私の育った四国の伊予市は子供のときは水道がなく井戸水をそのまま飲んでいました。海に近かったし、水洗トイレもなかったので決して清潔だったとは思いませんが、自然の味のついた水を何の疑いもなく美味しく飲んでいました。
  40数年前東京に出てきて水道の水を飲んだときまずいなと感じたのを覚えています。それでもその内慣れてこんなもんかと思うようになっていました。
  ところがこのイオン水は確かに美味しいと感じます。なんとなくさわやかさを感じます。これで炊いたご飯は、時間がたっても色が変わらないようです。やはり水は大切だなと考えるようになりました。
  今では夜寝る前にコップ1杯のイオン水を飲むようにしています。何かの本で、水は血液の流れを良くし、寝ている間の脳卒中を予防する効果があると読んだからです。
  電解還元水整水器は日本トリム社製で定価は22万8千円、購入価格は18万円でした。


軽自動車に替える

  7月にそれまで乗っていたホンダシビックから軽自動車のホンダライフに買い換えました。
  買い替えの動機は、家内が転んで怪我をし軽いむち打ち症状になって、それまで乗っていたマニュアル車の運転が苦痛になったためです。それにちょうど丸3年の車検の時期が重なったのです。今時珍しいことに、私、家内、長男の3人ともマニュアル車の愛好者でした。5台目でやっとオートマです。
  私が免許を取ったのは36歳のときです。昭和12年生まれでは早くもなく遅くもない年代でした。子供が小さいときはよく車で家族旅行をしましたが、 長女が結婚、長男が独立し、おばあちゃんが亡くなった今では、車に乗るのは多くて2人、普通は1人になってしまいました。89歳のおじいちゃんの病院通いも、駐車場から歩かせるのは無理、病院の玄関で下ろすと車を駐車場まで移動している間が危なく、最近はタクシーを呼んで通っています。ゴルフに行くときは軽自動車ではサマになりませんが、ゴルフもやめましたし、高速道路を長時間とばすこともなくなりました。旅行はもっぱらバス旅行です。
丸3年で引き取ってもらったシビックの走行距離は4千キロしかいっていませんでした。、
  ところで軽自動車がこんなにも運転しやすいとは驚きでした。家の前の狭い道も切り返さずに出入りできますし、小さい道でのすれ違いも気になりません。新規格になって室内も思ったより広く、目線もシビックより高くなっています。
  それに年金生活者にとって何よりうれしいのは、維持費の安さです。

              ライフ        シビック(1500cc)

取得税     取得価格の3%    取得価格の5%
重量税        13,200円         37,800円
自動車税       7,200円         34,500円
自賠責保険    27,550円         43,800円
任意保険      26,280円         39,910円

  燃費がどれくらい安くなるかはまだタンクが空になっていないので今後の楽しみです。

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