今月は先月お約束したケーブルテレビ・タイタスのインターネットの導入経験と6月末に出席した株主総会での体験をまとめてみました。
タイタスへの切り替えに伴い,メールアドレスが変わりました。アドレスブックに登録している方にはお知らせしましたが,新しいアドレスは
y−nitta@fra.allnet.ne.jp(現在このアドレスも変わっています)
となりました。BIGLOBEの古いアドレスもしばらくの間は使えますが、今後はメールは新しいアドレスにお送り下さるようお願いいたします。
タイタスに替えた理由の一つにプロバイダーの料金の高さがあったのですが,NECのBIGLOBEも9月1日より2000円で使い放題の固定料金制に移行することを発表しました。業界2位の加入者数を持つプロバイダーが1位の富士通のNIFTYに追随することになったようです。この世界,日々変化が激しく新しい状況に移り変わります。よく注意していないと損をすることになりかねません。
それでもケーブルネットに替えた選択は間違ってなかったと確信しています。
ケーブルテレビのインターネット
先月の手賀沼通信でケーブルテレビの記事を載せましたが,その続編をお送りいたします。
先日ケーブルテレビのインターネット「タイタス・オールネット」への切り替えを行いました。メール・アドレスの変更をアドレスブックに登録済みの約200人の方にお知らせしたところ、多くの方から替えた動機や使い勝手や料金についての問い合わせがありました。インターネットが普及してくるにつれ,決して安くない料金や必ずしも快適でない使い勝手に、より良いものに替えたいという気持ちの現われかもしれません。先月号の記事とダブルところがあるかもしれませんが、体験談をまとめてみました。
1.速くて安いケーブル・インターネット
タイタスのオールネットの回線速度は,ダウンロード(インターネットのホームページを見たりメールを受信したりする速度)は512Kbpsで,アップロード(メールを送信したりする速度)は100Kbpsです。今まで使っていたNTTのISDNのディジタル回線が64Kbpsですから、ダウンロードで約8倍の速さになります。使ってみて速いと感じるのは、インターネットを見るときと写真など大きなファイルが添付されたメールの送受信のときです。まだそんなに使いこんでいるわけではありませんが、いらいら待たされることはまずなくなりました。
特に家内や息子は、56Kbpsのアナログ回線で使っていましたので、最初につながった瞬間、思わず「速いねー」という言葉が出ました。アナログの内蔵モデムの場合は、メールを送受信する際、「ピーヒャラ、ピーヒャラ」という音がしてつながるまでに時間がかかりましたが,それもなくなりました。10倍位速くなったというのが実感のようです。
それになんといってもつなぎっぱなしというのが魅力です。使用中を意味するターミナル・アダプターのライトが消えたかどうかを気にする必要もなくなりました。それでもまだ習慣でついインターネットを切ってしまいます。話によると夜11時を過ぎると多少遅くなるとのことですが,つなぎっぱなしで時間に関係ないはずなのに、やはり習慣でその時間に使う人が多いのかもしれません。
IPアドレスは自動割当で1つしかないようですが,3人で一緒に使っても遅くなるという実感はありません。パソコン3台まで追加可能で4台までは接続可能になっています。
料金も安くなりました。3人で毎月の費用は7800円です。今までは私と家内でBIGLOBEのプロバイダー料金が2300円、電話料金(インターネット使用分)がiプラン3000円、息子がODNプロバイダー料金が2000円、電話料金が約3000円、3人合計で1万以上かかっていました。しかも私のBIGLOBEは30時間まで2000円という加入時そのままの契約だったため、先月のように毎日数時間も使うと電話料と合わせて1万5000円もオーバーしていました。ところがこれからは時間を気にする必要はありません。つなぎっぱなしでいいのです。ISDNを解約して元の電話に戻すとまた安くなります。早速解約の工事を手配しました。
最近はプロバイダーも電話もつなぎっぱなしの固定料金が増えてきたので、料金についてはケーブルインターネットが必ずしも安いとは限らないとは思いますが、少なくとも3人合わせると今までの料金よりは大幅に安いですし,速さも考慮に入れると他の方式と比較してもかなり安いほうではないかと思っています。
2.快適な無線LAN
3台のPCをタイタスの1台のケーブルモデムにつなぐにはLANを構築する必要があります。LANの構築はタイタスではやってくれません。ユーザーが事前にセットアップを完了しておく必要があります。
以前、無線LANについて聞いたことがありました。どうせつなぐなら無線がいいなと考えていたところ、息子もどこかで無線LANについて聞いたらしく賛成しました。親しい友人も薦めてくれました。友人から無線LANの記事がでていた日経パソコンを借り出し、あまり深い検討もせず息子と一緒に柏のコンプマートに購入に行きました。今考えるとちょっといいかげんに決めた感じです。
デモ用においてあったモデルが売切れだったため,店員に薦められるままに在庫のあったメルコ社製の無線LANの機器を買い求めました。ところがこの店員もあまり詳しくなく、機器をつなぐケーブルはクロスケーブルでいいとのこと,確認のため店からタイタスに携帯電話を入れ,ストレートケーブルが正しいことがわかったくらい調査不足でした。
タイタス | |||||
無線接続 |
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無線接続 |
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急いで家に帰り息子と2人でアプティバにLANボードを取り付けることから導入作業を始めました。ハブにケーブルをつなぎ,無線LANの司令塔のエアステーションを接続し、ノートPCに無線カードを挿入してマニュアル通り作業を進めました。ところがアプティバがエアステーションを認識できないのです。マニュアルを何度も読み返し、いろいろ設定しなおしましたが状況は変わりません。
運の悪いことにうまくいかないのがわかった時には,金曜日の5時を過ぎていました。メルコのインフォメーションセンターは月曜日までお休みです。IBM勤務の義理の息子の応援も頼みましたが,解決できませんでした。
月曜日は朝から電話にかかりっきりでした。東京と名古屋のインフォメーションセンターに何度かけても話中です。仕方がないので本社の番号を調べて窮状を話し、やっと5時近くになって名古屋のインフォメーションセンターと連絡がつきました。女性の担当者の指示でいろいろ試みましたがうまくいきません。LANボードかハブかエアステーションのどれかに不具合がある可能性があるので名古屋まで送ってほしいとのこと、まさに泣きっ面にはちでした。アイデアに飛びついてよく検討もしないで購入した報いが来た感じでした。
そこまではコンプマートとメルコにいい感じを持てなかったのですが,それからは見事なお客様本位の対応で感激しました。メルコに購入したお店で交換できないかと聞いたところ,お店がOKなら対応しますとのこと,コンプマートの本社に電話したらOK,お店に連絡しておきますとの回答をもらいました。まもなくお店から在庫がないので入庫したら連絡しますとの連絡をもらいました。
タイタスには工事を延期してもらい、入庫の連絡後、急いで交換し取りつけると簡単に動きました。入庫を待っている間集まった情報は、「無線LANはそう簡単には動かないよ」「時間がかかるよ」などというもので不安に駆られましたが,あまりにあっけなく完了しました。細かい設定が必要でしたが,メルコのマニュアルがよくできておりそれに従って粛々と設定していくと難なくつながりました。最後にニコニコマークが出て無線LANが完成です。私はLANの設定は始めてでしたが、初心者でも簡単にLANの構築ができました。
タイタスの工事とケーブルモデムと無線LANとの取りつけも簡単でした。こちらは設定用のCDがついており、その指示どおりに入れていくと簡単に終わります。3台でもIPアドレスは1つです。それぞれのPCにMACアドレスを入れますが、それで3台の区別をしているようです。それとパスワードを設定するようになっておりセキュリティは守られています。
予定より2週間遅れでしたが,待望のケーブルインターネットが使えるようになりました。
無線LANは快適です。PCは家の中どこへ持っていってもつながります。マンションの場合は壁がしっかりしているため、つながりにくいようですが、普通の一戸建ては壁や床や天井やドアも難なく電波がとおります。通常は3台のPCとも2階においてありますが、1階に持っていってインターネットを見ることもできます。ファイルやプリンターの共有も簡単です。
今までのBIGLOBEのアドレスに送られたメールも電話につなぐ必要はありません。アウトプット・エクスプレスの「ツール」→「アカウント」→「メール」でBIGLOBEを選び、「接続」で「このアカウントには次の接続を使用する」で「LAN」を選べばALLNETへのメールと一緒に届きます。なぜ電話をしないのにBIGLOBEのプロバイダーから届くのかはわかりませんが,しばらくの間は、BIGLOBEにも完全従量制で加入しておくつもりです。
自分で設定して使ってみたホンの短い間の経験から、これからはケーブルインターネットと無線LANが急速に普及することは間違いないのではないかという感じを抱きました。迷っておられる方には,「思いきって替えてみては」というのが私のメッセージです。
3.設備費,工事費,使用料金
最後に費用についてまとめておきます。消費税は入っていません。
一時経費
無線LAN 合計 70,630円
・エアステーション 32,800円
・スマートハブ 2,180円
・有線LANボード 1.350円
・無線LANカード 33,600円(2台分)
・ストレートケーブル 700円(2本)
(10BASE―TX)
なお導入したエアステーションは通常のモデルですが、つい最近になってケーブル対応モデルが出ています。1000円くらいの違いで、1台の契約で複数台の接続が可能のようです。
工事費
テレビとインターネットは2回にわけて工事しましたが、インターネットだけで1回の場合はもっと安くなるはずです。
・ケーブルテレビ 35,000円(4台分)
・インターネット 7,000円
毎月の経費
オールネット 合計 7,800円
・基本料金 4,900円(テレビ契約がないときは5500円)
・ケーブルモデム使用料金 500円
・追加PC接続料金 2,400円(2台分)
東京三菱銀行の株主総会
1.押し寄せる金融改革の波
今年も株主総会に行ってきました。1昨年は大赤字を出した日産自動車、総会屋の小池事件と自殺した新井將敬事件にゆれていた日興證券という2つの問題会社に出席し、昨年は持ち株会社としての最初の株主総会となった大和証券グループ、4社に分割される直前のNTTの2社に出席しました。,今年出たのは金融再編成とIT革命で大きく変わらざるを得ない東京三菱銀行の総会です。6月29日の集中日でした。もう1社行きたかったのですが,残念ながら第2の集中日の6月28日は都合で出席できませんでした。少しでも多くの株主が出席できるよう早く集中日をなくしてもらいたいものです。
この1年,都市銀行は金融再編の波が押し寄せ大きな合併や統合を発表しました。国内の大手銀行は、第一勧銀と富士銀行と興銀のみずほグループ、住友銀行とさくら銀行の三井住友銀行,三和銀行・東海銀行・東洋信託のグループ、それに三菱信託銀行と持ち株会社化する東京三菱銀行の4つのグループに再編されます。三和・東海のグループから抜けたあさひ銀行と独自路線の大和銀行もそのうちどうなるかなんともいえません。
お互い角突きあわせていた郵貯との提携も増えましたし、銀行の窓口で証券や保険商品も扱うようになりました。一方ではヨーカ堂グループのような異業種が銀行業に参入しようとしています。
IT革命では、テレホンバンキング、インターネットバンキングが急速に普及してきており、ネット専業銀行の設立が進んでいます。各銀行内部での新しいITを利用したシステム化にも一層拍車がかかっています。
2.期待外れの東京三菱銀行の株主総会
そんな時代に、日本を代表する銀行としての東京三菱銀行はどんな株主総会を開くか、好奇心と期待を胸にしながらの参加でした。ところが期待は見事はずされました。今まで出た5社の株主総会の中で最低ともいえるおそまつな総会でした。
なぜ最低の総会だったかをまとめてみましょう。総会が開催されたのは東京都千代田区丸の内の東京三菱銀行本店の地下の大ホールです。場所は東京駅から数分の1等地にあり、そのあたりでは群を抜く高さの高層ビルです。さすが三菱財閥の中核だけあリます。地下ホールは500人以上入れる広さで、前面にはひな壇があり数十人分の席が用意されていました。玄関からホールまでは東京三菱銀行の社員が隙間なく立っており,会場の前3列は社員株主と思われる若い男性で占められており、通路も行き止まりで前3列にはありません。今年は1昨年のような不祥事もないのになぜ物々しいのかと訝りながら前の方に座りましたが,会がすすむうちそのわけがわかりました。
総会は定刻の10時に開始、当日の出席株主は466名と発表されました。私が主席した総会では、昨年のNTTの2028人には及びませんが,それ以外の4社の中では最大の人数です。岸頭取が議長席につきました。恒例によって株主や株式の定足数の説明が行われ会議の成立が宣言されました。
まず昨年の営業報告の説明です。ところがこれが事前に配られた「定時株主総会召集ご通知」の中の営業報告書の棒読みです。しかも早口でただ読んでいるだけで,株主に理解してもらおうという雰囲気は全くありません。1昨年の日産自動車や昨年の大和証券グループの総会では、カラーのプロジェクターを使って大型スクリーンに表やグラフを映し出し、わかりやすく説明していましたが、それとは大違いです。近代的な本社ビルのホールにそのような設備がないはずはありません。3月のIBM総合フェア2000の基調講演では、岸頭取が「東京三菱銀行の新事業・IT戦略」という素晴らしい話をされましたが,株主総会にビジュアルな工夫が全くないのは株主軽視としか考えられませんでした。
約20分で営業報告および財務諸表の説明が終わり、質疑応答に入りました。ところがこの質疑応答が一般株主には関係のない、非生産的なものでした。京都にある「すうじん協議会」(どういう漢字を当てはめてよいか不明)と三菱銀行とのトラブルがそのまま総会に持ちこまれたのです。私には事の事態は全くわかりませんが、発言内容を聞いているとどうも金銭上のトラブルや差別発言や裁判手続きなどでもめていて解決の糸口がつかめず、協議会員が多数総会に出席して銀行に質問を浴びせていたと読み取れました。
今まで出た総会はどの会場も質問用のマイクが用意されていました。半分くらいの大きさの大和証券グループの会場にもありました。質問者は、手を挙げ、議長の許可を得てマイクの前に立ち、名前を名乗って質問するようになっていました。ところがこの会場にはマイクがないのです。今までずっとマイクなしでやってきたのか、この事態を予想してマイクを取りつけなかったのかは不明ですが、いずれにせよこれも株主軽視です。銀行側にはたくさんのマイクがあり、質問者の質問の途中、議長がマイクの声で質問を押さえ込むことが何度もありました。確かに「すうじん協議会」の質問は、一般株主にとっては何の意味もない質問が多かったのは事実ですが、そのために過剰反応して一般株主を無視した結果になったのは残念でした。遠くの人の質問は何を言っているかよく聞き取れませんでした。
質問に対しては議長自ら答えることはほとんどなく、担当役員に回答を振っていました。担当役員の回答は言葉尻を取られるのを恐れて国会答弁のような回答でした。その流れが一般株主からの質問の回答にも現れており、「最近の銀行の株安をどう思うか」という質問に、「他の銀行よりは高い」というのが回答でした。
東京三菱銀行としてこれからの経営ビジョンやIT革命への取り組み姿勢や債権放棄問題や株主優遇措置などの話はほとんどありませんでした。このような株主総会になったのは、質問者の側にも責任はあると思いますが、総会での銀行の姿勢を見ていると、銀行側が誠意を持って相手に対し納得できる解決策を提示できなかったのが大きな原因ではないかという感じがしました。