テキスト ボックス: 高齢者の豊かな生活のために                            1998年6月20日発行
手 賀 沼 通 信 (第3号)         〒270-1147 千葉県我孫子市若松151-3
  (TEL&FAX:0471-83-2898) (E-mail:y-nitta@mvc.biglobe.ne.jp)                 新田良昭

  手賀沼通信第3号をお届けいたします。

  第2号がちょっとシリアスな話題でしたので、今回は趣向を変えて明るい話題にいたしましょう。5月10日から16日まではバードウィーク、全国で鳥についてのさまざまな行事が行われました。今回はその鳥について取り上げます。
  最近、子供から中高年まで、バードウォッチングを楽しむ人が増えています。この新聞のタイトルの手賀沼は首都圏で手軽にバードウォッチングを楽しめる場所として有名です。秋篠宮様が総裁を務めておられる山階鳥類研究所や日本初の我孫子市立鳥の博物館も手賀沼のほとりにあります。
  その手賀沼で5月10日に「バードウィーク第9回手賀沼探鳥会」が行われました。まず、初めて参加した探鳥会の経験談から始めたいと思います。


バードウォッチングの楽しさ

1.第9回手賀沼探鳥会

  私は、バードウォッチングについては、5年ほど前に今回寄稿をお願いした新藤さんに一度だけ連れていってもらったきりで、スズメとカラスくらいしか見分けられないまったくの初心者です。今回探鳥会に参加するきっかけとなったのは、我孫子市の広報紙にこの会の参加募集が出ていたのを目にしたためでした。
  手賀沼探鳥会は、毎年バードウィークの日曜日に行われているイベントで、手賀沼の周辺を「我孫子野鳥を守る会」の会員の方の説明を聞きながらバードウォッチングを楽しむものです。
  当日は風もなく時々薄日がさすまずまずの天気、スタート地点の鳥の博物館の近くの手賀沼親水広場には小学生から70歳台まで60名くらいの参加者が双眼鏡を持って集まりました。ここでもやはり中高年が多数派です。中には鳥に詳しい人もいましたが、ほとんどが初心者のようでした。約20名の野鳥を守る会の方たちはみなさん大きな双眼鏡と三脚付きの望遠鏡を持ち、それらしい服装で一見して野鳥のプロといった感じです。参加者は5つのグループに分けられ、私たちのグループは9名、それに野鳥を守る会のベテラン4名の方がついてくれました。
  最初は双眼鏡の合わせ方からです。双眼鏡には右のレンズにだけ視度リングというのが付いており、視度調整が必要ということを初めて知りました。
  鳥を見る時の注意点やエチケットの説明が終わると、早速グループに分かれて出発です。鳥を探すのはもっぱら野鳥を守る会の方たちで、私たちは言われるままに双眼鏡で探したり、セットされた望遠鏡を覗いたりするのがやっとです。野鳥を守る会の方たちは双眼鏡は鳥を見つけることや飛んでいる鳥を追っかけるのに使い、止まっている鳥や歩いている鳥が見つかるとすばやく望遠鏡をセットして見せてくれ、その鳥の名前を教えてくれます。飛び方や鳴き声だけでもすぐ鳥の名前が出てきます。双眼鏡は倍率が8倍くらいですが、望遠鏡は20倍以上あり鳥の姿がくっきりと見えます。望遠鏡でみると羽の色やしぐさがとてもあざやかで、遠くにいる鳥をまるで手が届くところにいるように見ることができるのは新鮮な驚きでした。見た鳥の名前をノートにメモしながら手賀沼のほとりを2時間半かけて歩きましたが、あっという間に終わってしまったという感じでした。他の方ももっと歩いてみたいような顔をしていました。
  私が見たのは、アオサギ、オオバン、オオヨシキリ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、キジ、キジバト、コアジサシ、コブハクチョウ、スズメ、ツバメ、ハシボソガラス、バン、ヒヨドリ、ムクドリ、モズの17種類でした。最後に「鳥あわせ」という儀式を行い全員で見たり聞いたりした鳥の名前を出し合いましたが、実は24種類いたとのこと、初心者が全部フォローするのはちょっと無理だったようです。それでも十分バードウォッチングを堪能することが出来ました。
  手賀沼ではフナやコイを釣っている人とバードウォッチングをしている人をよく見掛けます。釣りについては、子供が小さい時よく連れて行ったため、竿に掛かった時の引きの強さとか釣り上げる時のスリルなど、その楽しさがよく理解できるのですが、今まではバードウォッチングについてはその面白さについて今一つ理解できませんでした。今回探鳥会に出てみて、バードウォッチングの楽しさ分かるような気がしました。バードウォッチングの楽しさは、人によって違うかもしれませんが、多分、自然に親しむ楽しさと野鳥を見ることによって新しい世界が発見できる楽しさではないかと思います。
  ただ、最初は探鳥会に出るとか、同好会などに入り、経験者に教えてもらいながら楽しむほうがその楽しさを早く発見できると感じました。一人ではたとえ図鑑を持っていても鳥の名前がわかりにくいし、鳥を見つけるのも、なかなかうまく行かないように思います。

2.鳥についての我孫子市のみどころ

  手賀沼は湖沼の中で毎年汚染度日本一の不名誉な記録を更新中です。現在利根川の水を引いてきて濁った水を薄めるための工事を行っていますが、一方では鳥をテーマとして市と沼のイメージアップを図ろうともしているようです。
  ここで我孫子市の鳥の観光スポットを紹介しましょう。

<手賀沼公園> 
常磐線我孫子駅南口下車徒歩約8分。ボート遊びや釣りができます。バードウォッチングだけでなく遊歩道を歩くウォーキングやハイキングの起点として親しまれています。

<手賀沼遊歩道>
手賀沼公園から手賀沼大橋、の北側を約7キロ、自然を満喫しながら歩くことが出来ます。手賀沼大橋を過ぎると市街地を抜けるため多くの鳥が見られます。

  次の3ヵ所は手賀沼のほとり(我孫子市高野山)にありいずれも隣合っています。電車なら我孫子駅南口よりバスで市役所前下車徒歩約7分。ハイキングするなら手賀沼公園から手賀沼遊歩道を歩くと40分くらいです。
  車なら手賀沼大橋の我孫子市側の交差点を東に400メートルくらい行ったところにあります。

<我孫子市鳥の博物館>
みどころ:日本最初の鳥の博物館。鳥類誕生の鍵を握る始祖鳥の化石の復元展示をはじめ世界の鳥の実物剥製を一堂に展示しています。
電話:0471−85−2212
開館:9:30〜16:30(休館日は月曜日・祝日の場合はその翌日、年末年始)
入場料:100円(小・中学生)〜300円(一般)

<山階鳥類研究所>  
毎月第4金曜日に見学できます。前もって電話で申し込むことが必要です。
概要:故山階芳麿博士が設立、現在は秋篠宮様を総裁にお迎えし、鳥類学の拠点として基礎的な調査研究のほかに標本や資料の充実を目指しており、日本の鳥類学研究の一翼を担っています。
電話:0471−82−1101

<手賀沼親水広場>  
概要:「広場」と「水の館」とお金がかかったことで有名な「噴水」があります。広場は手賀沼のほとりにあり、ここからバードウォッチングをはじめてもいいでしょう。水の館は展示ホールがありますが無料だけあってそれほど見るものはありません。でも6階の展望室から眺める手賀沼はすばらしいです。


特別寄稿
鳥見の愉しみ(BIRD WATCHINNG−1)                               新藤英造                                           
バードウォッチング歴15年。日本野鳥の会会員。取手市在住、63歳。1993年日本アイビーエム退職後、自然を楽しみ鳥を観察しながら精力的に環境保護問題に取り組み中◆

今年は年間50回は探鳥会に出かけるつもりだ。毎週土曜日か日曜日の半日をそれに当てるつもりにしている。15年前、オ−ストラリアに公務で行った折、向こうの野鳥の会の人に誘われ、大鷲を見に行ったのが病み付きになって、それ以来、鳥見を楽しんでいる。まだまだ熱中度は足りないが、結構楽しいものだ。姿形が可愛い、時には驚くばかりに奇麗なやつがいる、囀りがまた心地よい、鳥の囀りが聞こえて来るとなぜか自然を感じるのは私だけだろうか?   
見つけ出す喜びもまた楽しい、日頃見かけない鳥を見つけ出した時の感動は実に心地よい、それが今までに見たことのない鳥だったりすると、はしゃぎたくなるほどに心浮かれる。その日は何かいいことが起こるような気がして一日ハイな気分でいられる。
  旅に出ても一つ楽しみが増えた。何処に行くにも近頃は双眼鏡を必需品として携帯する。国内でも国外でも旅は珍しい鳥に会えるチャンスなのだ。車窓からでも鳥見は続く。鳥を見ることを目的に旅することもある。この頃は野山を歩くことが好きになった。山登りも好きになった。鳥を見つけると言うテ−マがあるから夢中になれる。
  握り飯を腰に、野山に小鳥を求めて歩くこの心地よさ、もっと若い時からやっていても良かったなと思う事しきりだ。野鳥を題材にした写真撮影、ペインテイング、カ−ビング、詩を和歌を俳句を作り、鳥見はその愉しみを果てしなく広げて呉れる。幸い、家内も興味を持って呉れたので、近頃は二人で楽しめる。共通の話題があり、共通の友人ができ、会話の多いいい家庭になってきた。
五月、六月は小鳥の観察には最適なシーズンだ。繁殖、子育ての時期で、毛色も囀りも一段と目立つようになる、一番活動的な時期だ。子育ての様子はまた実に微笑ましい光景だ。
  我が家の庭の南西面に接して、小さい竹薮と数本の樫の太木があり、ここで小鳥たちはかわるがわる営巣する。山鳩、ヒヨドリ、シジュウカラ、オナガ、コゲラ、ホオジロ、ムクドリが結構楽しませてくれる。一昨年は非常に珍しい事がこの庭で起こった。カッコウ、ホトトギス、ツツドリの託卵の習性はご存知と思うが、カッコウが我が家の庭でこのドラマを見せて呉れた。オナガの巣に卵を産み付け、巣立って行くまでオナガの母親が愛情かけて育てていた。梅雨時だったが、書斎にフィールドスコープを据え付け、飽かずこの様子を眺めたものだ。
  野鳥の数は年々減少してはいるようだが、少し気をつけて見れば、まだまだ身近な所にたくさんの小鳥が棲息している。少し以前までは名前も知らなかった小鳥たちが親しげに幾種類も住んでいる。昨年、私の家の中から見かけた小鳥(窓越しに飛んで行く姿を見た鳥も含めて)の数は年間40種類に及ぶ。こんなに多くの小鳥が家に居ながらにして眺められるとは思いもしなかった。ハシブトカラス、ハシボソカラス、キジバト、スズメ、ツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、 カワラヒワ、シジュウカラ、ヤマガラ、ホオジロ、メジロ、アオジ、ウグイス、オナガ、カケス、ハクセキレイ、セグロセキレイ、モズ、コゲラ、キジ、コジュケイ、カッコウ、ホトトギス、シメ、シロハラ、ジョウビタキ、ヒレンジャク、キレンジャク、コサギ、チュウサギ、オオサギ、アオサギ、ゴイサギ、カルガモ、カワウ、チョウゲンボウ、オオタカ、ハヤブサ、などだ。
  買い物の途中、散歩の途中、ゴルフのプレー中、少し気を配れば必ず出くわす。関心を持つことの大切さが分からされた。たかが小鳥の名前だが、知ってみると何か「豊富さ」を感じる。注意散漫だったことがしきりと悔やまれてならない。近頃、路傍の山野草にも心が行く。名前を知ろうと思う。花の形を見ようと思う。野鳥を見るようになって、自然風景に強い愛着が出てきた、「自然の恵み」に心が動くことが多くなった、詩情の有る生活ができるようになった、と気づくことしきりだ。


募集しています

1.酒造トラスト会員

  手賀沼通信第1号で名前を出させていただいた土佐の三好さんがおいしい酒作りをしています。日本酒の好きな方、自分の酒を持ちたい方は一度酒造トラスト会員になってみませんか。
  これは三好さんを中心とする無農薬農家が作ったお米で大吟醸酒「土佐一」というお酒を作り、トラスト会員に年に一度、3本12000円で配布しているものです。ラベルには全会員の名前が入っており、会員は自分の名前入りの銘柄を持つことになります。1本4000円は安くはありませんが、そのフルーティーな味からすると決して高い買い物ではありません。いままでご紹介した日本酒党の方からは高い評価を受けています。また売り上げの1割を早稲田大学の草炭研究会に寄付して中国の砂漠緑化に役立てています。
  希望者は、住所、氏名、電話番号を、下記までご連絡ください。
  〒785-0173  高知県須崎市今川内28  三好朝男  
               (TEL&FAX:0888-56-1835)

2.中国ハルピン市との人的交流ボランティア

  手賀沼通信の読者の1人の大森さんが中国東北地方の都市ハルピンとの友好関係を支える団体に関係し活躍されていますが、そのような活動に興味のある方の協力者を募っています。今のところはボランティアですが、将来ビジネスに発展する可能性もあるそうです。また同時に中国語を勉強したい方も募っています。講師はハルピン市から東京大学大学院への留学生が担当します。
  連絡先は次の通りです。
  〒261-0001  千葉市美浜区幸町1-8-2-1007  大森潤一  
                (TEL&FAX:043-246-6111)


本の紹介

  手賀沼通信の読者の1人で社会保険労務士の堀口利さんが年金の本を出版されました。
「もっとトクするあなたの年金」(ナツメ社1500円)です。 
  図解入りで読みやすいうえ、内容が詳細なポイントをカバーしていて現役の社会保険労務士にも好評とのことです。窓口での興味深い実際の年金相談の話も出ています。
連絡先FAX  03-3383-6849  堀口社会保険労務士事務所


感謝と感想とお願い

・手賀沼通信第1号と第2号に対したくさんの方から電子 メールやFAXやお手紙やお電話をいただきました。ありがとうございました。
・手賀沼通信は最初電子メールで10数名、郵便で60数名の方にお送りいたしました。その後、希望される方が増え、オリジナルをお送りしてコピーしていただいた方を含めると約120名の方がお読みくださったことになります。
・第2号での老人医療については同じような経験をされ、同じように感じられた方が多いのは驚きでした。たしかに高齢者の問題は、雇用、年金、医療、介護どれをとっても難しい問題ばかりです。ただ、お役人、マスコミ、評論家の意見を見聞きしていると、かなり決まりきった一方的な切り口や取り上げ方が多く、もう少し皆で知恵を出し合えば何とかなるような気がしてなりません。これらの問題についてはあらためて書いて見たいと考えております。
・第1号で皆さんからいただいたのはほとんどが激励の言葉で心強く思いました。ご質問もいくつかいただきました。内容についてのご指摘もいただきました。いずれ手賀沼通信の紙上で取り上げさせていただきます。また、ページのふりかたについて貴重なご意見をお寄せくださったり、ファイル用の穴のスペースを取るようアドバイスいただいたり、投稿のご提案をいただいたりで大変感激いたしました。出来るだけご意見にそうよう努力いたします。それから、郵送料や切手をお送りくださった方もおられ感謝感謝です。
・早速第3号では、その道の権威の新藤さんにバードウォッチングに関する投稿をお願いし、すばらしい原稿をいただきました。さすが年季が入っておられます。今後も時々投稿いただけるとのことなので楽しみです。私も鳥で有名な我孫子に住んでいながら、今まではまったく関心がなく、せっかくの地の利を活かせなかったわけですが、今後は楽しみが一つ増えることになりました。
・他の何人かのかたからも投稿のお申し出がありましたので、順次お願いしたいと勝手なことを考えております。よろしくお願い申し上げます。
・今回あらためて感じたことは、電子メールの便利さです。電子メールですと何人でも一度のオペレーションでまとめて送ることが出来ます。字もきれいですし、カラーもそのまま出ます。また、読後の感想も気軽に送っていただいている感じです。
・もし郵便でお送りしている方で電子メールのアドレスをお持ちの方は、ぜひご連絡ください。ただ、マイクロソフトのワード97が使えない場合は郵便でお送りいたします。第1号のなかではテキストでお送りすると書きましたが、テキストですと写真やレイアウトや文字飾りやカラーが消えてしまいます。またワードのバージョンが合わないと文章以外のところがずれて印刷されることがわかりました。
・FAXも電話機についているようなFAXですとあまりきれいに出ませんのでやはり郵便でお送りいたします。パソコンから直接自分の電話機のFAXに送ってテストしてみたのですがあまりきれいには出ませんでした。(余談ですがISDNの回線を使っていると同一回線で自分のパソコンから自分のFAXに送れます。普通はそんな使い方はしないので特に便利ということもありませんが、新たな発見でした)
・新聞に写真を入れたいためデジタルカメラを買いました。ソニーのデジタルマビカで、写真はフロッピーに直接入ります。もっと性能のよい150万画素といったカメラもありますが、使っているパソコンが前面しかさわれないため、フロッピーに入れられるこのカメラにしました。気軽に使えて重宝しています。
・ただ、私の持っているプリンターが5年くらい前に買ったヒューレットパッカードのインクジェットプリンターで、ちょっと古いタイプのため写真の印刷がかなり不鮮明です。郵送の方には申し訳なく思っております。
・今回は原稿が膨らんだのと写真を載せたためA3版になってしまいました。おかげでファイルする穴をあけるスペースがとれました。ただいい気になって、写真を6枚も入れたことで容量が3Mバイトにもなり、電子メールでお送りするには時間がかかりすぎることがわかりました。それでもという方を除いて全員紙でお送りしました。次回は気をつけます。
・なお、ご意見、ご感想をお待ちしております。郵便でなくても、電子メールでもお電話でもFAXでも結構です。それが次の新聞作りへの活力となります。

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